水谷豊「ようこそ『相棒』ワールドへ」『相棒 -劇場版-』イベントレポート

2025年7月24日(木)、閉館を目前に控えた東京・銀座の「丸の内TOEI」にて、『相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン』の上映前舞台挨拶が開催され、杉下右京役の水谷豊さんと、亀山薫役の寺脇康文さんが登壇。17年ぶりとなる“相棒”コンビの揃い踏みに、満席の劇場は歓声と拍手に包まれました。

冒頭、水谷さんは「皆様、ようこそ『相棒』ワールドへ。警視庁特命係の杉下右京です」と語りかけ、観客からは「右京さ〜ん!」のコールが飛び交う盛り上がり。すかさず寺脇さんも「それ、そ~れい!同じく、亀山薫です!」と応じ、息の合った掛け合いで会場を沸かせました。

17年前の同劇場での舞台挨拶の思い出に触れた寺脇さんは、「当時、客席の後ろからハイタッチしながら登場したんです」と懐かしみつつ、「2008年か〜、怖い(笑)」と時の流れを実感。水谷さんも「映画を作りたいという夢が、実現した場所でした」と、感慨深く振り返りました。

撮影秘話も多数披露され、寺脇さんは「寒い中で隅田川に飛び込むシーンでは、あまりの寒さに割り箸が割れなかった」と笑いながら話し、水谷さんは「中学生時代、陸上部で走った国立競技場に再び立てたことが感慨深かった」と明かしました。

ドラマシリーズを経ての映画化に際し、水谷さんは「スケールの大きさに応えるにはエネルギーが必要でしたが、それ以上に映画化への強い想いがありました」と語り、寺脇さんも「夢が現実になって本当に感動しました」と感慨を露わにしました。

さらに、現代の事件がサイバー犯罪に移り変わったことに触れ、水谷さんは「『相棒』は“大人を振り向かせたい”という想いから始まりました。時代ごとの社会が映っている作品です」と語り、寺脇さんも「25年の日本の歴史が詰まっています」と補足しました。

また、2008年の300万人動員記念イベントを回顧した二人。「あの時、舞台の中央に大きなケーキがありましたよね」と寺脇さんが語れば、水谷さんは「…覚えてないけど嬉しかったです(笑)」と笑わせ、会場全体が温かい空気に包まれました。

舞台挨拶も佳境を迎えた頃、寺脇さんは復帰の裏話として「豊さんから電話があり、“えっ、帰ってくるんですか?大丈夫ですか?”と聞いた」と振り返り、「あと20年、一緒にやってください!」と熱く語り、水谷さんも「右京と亀山の再会をあえてドラマティックにしなかった脚本が素晴らしかった」と称賛しました。

さらに、「相棒」の魅力について問われると、寺脇さんは「それはもう、右京さんです。僕が役者を目指したのは豊さんがいたから」と感謝を述べ、水谷さんも「この作品は“誰とやるか、何をやるか”がすべて揃って始められた」と語り、シリーズ誕生の背景を明かしました。

イベントの最後には、閉館目前の劇場への想いを尋ねられ、寺脇さんは「公開当時にこっそり一人でも観に来た思い出の場所。最後までごゆっくりお楽しみください」と語り、水谷さんは「“記録よりも記憶に残る”作品として皆様の心に残れば」と締めくくりました。

熱気と笑顔に包まれた本イベントは、17年という歳月を超えて再び観客と繋がった“相棒”の絆と、愛され続けた劇場への惜別の想いが交錯する、まさに記憶に残る一夜となりました。

■映画情報
タイトル:『相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン』
出演:水谷豊、寺脇康文 ほか
上映会場:丸の内TOEI
イベント実施日:2025年7月24日(木)

■「さよなら 丸の内TOEI」
2025年5月9日(金)~7月27日(日) 丸の内TOEIにて開催中
提供:東映株式会社

© TOEI COMPANY, LTD.