現代フランスの鬼才パトリシア・マズィ監督による最新作『サターン・ボウリング』が、2025年10月4日(土)よりユーロスペースほか全国公開されることが決定。不穏な空気に満ちた特報映像と、地下のボウリング場を捉えた赤と黒のティザービジュアルが解禁された。
本作は、疎遠だった異母兄弟が父の死をきっかけに再会し、遺されたボウリング場を巡る中で、自らの中に受け継がれた“内なる暴力”と向き合っていく、衝撃のネオ・ノワール作品。家族、暴力、継承、そして呪い――。現代社会を鋭く切り取るテーマを、寓話的な語りと美学的映像で描き出す。
ロカルノ国際映画祭ノミネートや「カイエ・デュ・シネマ」年間ベストテン選出など、国際的評価も高いマズィ監督の第5作。『落下の解剖学』などで知られるシモン・ボーフィスが手がけた映像は、グランジで陰鬱ながらも美しい。ニコラス・レイやパク・チャヌクへのオマージュが随所にちりばめられ、古典的ノワールの文法と現代的テーマが融合した、唯一無二の衝撃作となっている。
今回解禁された特報映像では、赤い照明に包まれた地下ボウリング場で、兄ギヨーム(アリエ・ワルトアルテ)が弟アルマン(アシル・レジアニ)に「親父の店を売るのはイヤだ。お前に任せたい」と語る場面からスタート。「3日以内に家で殴り殺されたようです」「“女性限定ナイト”を作り俺たちを排除している」といった衝撃的なテロップと共に、不穏な事件の気配が浮かび上がっていく。父の遺した“呪い”と暴力が、静かに兄弟を蝕んでいく様子が、じわじわと緊張を高めながら描かれている。
ティザービジュアルでは、赤と黒のコントラストが際立つボウリング場の入口を背景に、「父が遺した呪いが、転がりつづける。」という印象的なコピーが添えられ、作品の核心にある“暴力の連鎖”を象徴的に示している。
▼特報映像
https://youtu.be/3De8Pbl78qA
■映画情報
タイトル:サターン・ボウリング
公開日:2025年10月4日(土)よりユーロスペースほか全国ロードショー
監督:パトリシア・マズィ
脚本:イヴ・トマ、パトリシア・マズィ
出演:アリエ・ワルトアルテ、アシル・レジアニ、Y・ラン・ルーカス、レイラ・ミューズ
上映時間:114分
製作国:フランス、ベルギー
配給・宣伝:SENLIS FILMS
映倫区分:R18+
原題:SATURN BOWLING
ストーリー:
寝る場所を求めて街をさまようアルマンのもとへ、異母兄ギヨームが父の死を告げにやってくる。父が経営していたボウリング場<サターン・ボウリング>を、警察官のギヨームはアルマンに託すが、父への憤りを抱えるアルマンは問題を引き起こすばかり。そんな中、若い女性を狙った連続殺人事件が兄弟の周囲で発生し、事態は暴力と呪縛の渦へと巻き込まれていく――。
© Ex Nihilo – Les Films du fleuve – 2021