藤原竜也「映画の厳しさと楽しさを教えてくれた、人生のリスタートのような作品」「さよなら 丸の内TOEI」特別企画『バトル・ロワイアル』上映前舞台挨拶レポート

2025年7月27日(日)の閉館を目前に控えた「丸の内TOEI」で開催中の「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクト。その一環として、7月15日(火)には2000年に公開された超問題作『バトル・ロワイアル』の上映前舞台挨拶が行われ、主演の藤原竜也と脚本を務めた深作健太が登壇しました。25年の時を経ても色あせない衝撃作を前に、当時を知る二人が“映画の力”を熱く語る貴重なイベントとなりました。

観客の大きな拍手に包まれて登場した藤原竜也は、「25年前ですか……」と感慨深げに口を開き、「この作品が皆さんに愛され続けていることに感謝しています。映画の厳しさ、楽しさ、そして深作欣二監督と出会わせてくれたのもこの作品。僕にとっての青春の1ページであり、人生の新たなリスタートのような存在です」と、心からの想いを語りました。

一方、深作健太は藤原との再会を喜びながら、「初めて舞台挨拶に立たせていただいたのが丸の内TOEIでした。竜也くんと一緒で……まさかまたここで話せるとは」と、劇場への特別な想いを口に。「25年という歳月を、観てくださる皆さんの人生と重ね合わせて感じてもらえたら」と呼びかけました。

国会でも取り上げられるほどの社会現象を巻き起こした本作。藤原は「僕らは撮影に必死で、大人たちが騒いでいたのを遠くから眺めていた感じでした」と回顧。撮影はまさに“合宿状態”で、生徒役キャスト全員による筋トレ、アクション練習が日常だったといいます。

藤原が「スタントなしで爆破シーンに挑んだ」と語ると、会場からどよめきが。これに対して「映画とはそういうものだと思っていた。監督が“やれ”と言ったからやっただけ」と笑顔を見せ、「他の現場で“深作組やったんやろ?”って一目置かれるようになった」と誇らしげに語りました。

深作は父・深作欣二監督の即興演出を振り返り、脚本になかった「秋也がんばれ」と書かれたトイレットペーパーの落書きを現場で加えたエピソードを紹介。「あの即興性が人間の凄まじさにつながっていく。それが深作演出だった」と分析しました。

藤原は、電気も水道もない無人島・八丈小島でのロケを振り返り、「今だったら考えられない(笑)」と苦笑。岩が崩れ落ちる洞窟、フナムシとの格闘など過酷なエピソードが次々と明かされました。

「一人、また一人と“死亡して”現場を去っていく中で、本当に悲しんで帰っていくんです。僕らは戦友でした」と、同世代の俳優たちとの深い絆にも触れました。

フォトセッションでは、スタッフから深作欣二監督の遺影がサプライズで手渡される演出が。二人は感慨深い表情を浮かべ、会場は温かな拍手に包まれました。

最後に、閉館する劇場への思いを問われると、深作は「子供の頃から通った思い出深い映画館。父も最後にここにいられて喜んでいると思います」と語り、「初日の行列を見ていた父の横顔が忘れられない」と涙ぐむ場面も。

藤原は「この作品は僕の宝物。深作組での経験は今の自分の財産です。劇場がなくなるのは寂しいですが、また新たな作品で皆さんに喜んでもらえるよう頑張ります」と力強く語り、「久しぶりの上映となりますが、最後まで楽しんでいってください!」とメッセージを送りました。

銀座の老舗映画館の閉館に華を添える、感動と笑顔に満ちた舞台挨拶イベントとなりました。

■映画情報
『バトル・ロワイアル』
監督:深作欣二
出演:藤原竜也、前田亜季、山本太郎、ビートたけし ほか
2000年公開/東映

■「さよなら 丸の内 TOEI」プロジェクト
【開催期間】2025年5月9日(金)〜7月27日(日)
【劇場】丸の内TOEI(東京都中央区銀座3丁目)

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提供:「さよなら 丸の内 TOEI」プロジェクト/東映株式会社