岐⾩の美しい⾃然と剥き出しの⼈間の感情を、邦画の最前線で活躍するスタッフが集結してオールロケーションで収録した、⽇本初のフィッシングラブストーリー『重ねる』が、11⽉23⽇より公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルが披露された。
本作は、監督・脚本を務めた配島徹也が⾃⾝の経験から着想した完全オリジナル作品。撮影では「まだ⾒たことがない物語を!」を合⾔葉に、メインのロケ地となった岐⾩県郡上市和良町と下呂市⾦⼭町の観光協会の賛同を得て、撮影全⾯協⼒のもと2023年夏に⼀ヶ⽉に及ぶロケを実⾏した。
その⼟地で⽣活する⼈々の⽇常と、たまたま訳あってやってきた都会⼈の⽣活が、⾃然を前にして徐々に剥き出しになっていく様を徹底的にこだわり描いた。クライマックスのペア釣り⼤会のシーンでは、現役で活躍する鮎の友釣りのトップトーナメンターが参加している。
■配島徹也(監督) コメント
大学卒業後10年目のその日は、番組製作会社の社長室に呼び出されていました。理由はとてもわかりやすく、頭を金髪にし、眉を剃り、血糊をつけた状態で編集機の椅子に半日寝ていたのです。その朝は、大学同級生の映画監督入江悠のサイタマノラッパー3の撮影で、八王子のライブハウスで凶悪キャラを演じ、完徹した直後の状態でした。社長「会社をなんだと思っている。周りにそんな奴一人もいないだろ」語気はもちろん荒いです。だが私は間髪入れず、切り返しました。配島「釣りの映画を撮らせてくれるなら、まだ会社に残ってやる」社長「無理だ。頭おかしいのか?」配島「じゃ、辞めるわ」社長「・・・」その後、会社を去り10年の月日が経ちました。私の頭の中にはその間もずっと、釣り映画を撮る構想が渦巻いていました。そもそも日本の魚釣りの映画といえば「釣りバカ日誌」か「リバーランズスルーイット」しか知られていません。前者は、会社員の日常を釣り人の滑稽さで魅せる喜劇、後者はアメリカの戦争に対するカウンターカルチャーとしての釣りを通した兄弟の話であります。本作「重ねる」はどちらでもありません。現在に存在しているごく一般的な男女が、釣りを通して出会い、ひと夏を山間の村で過ごす物語です。作品で描きたかったのは、周りの環境に馴染めなくなってしまった人間が、何かの目的に向かっていく時の心が踊る瞬間や、本当に時間の使い方のわからなくなった人間が時に吐く、切実な助けを求める言葉です。これが私の考える「人間の愛くるしさ」です。ダメになってしまったがそれでも生きていく、なんなら辛いって吐きながら生きて行っていいんだという「人間讃歌の結晶」をテーマに向けていきました。そんな心の状態になった都会の人間が行うのがこの作品内での“魚釣り”なのです。唯一、自分と自然をつなぐのは、針、糸、竿という道具。その躍動するトキメキをいかに映画で表現するかー。構想10年でついに実りました。今作品で、唯一無二のファムファタルを体当たりで演じた須田晶紀子さん、不器用だけど一生懸命に生きる男をタモト清嵐さんが演じ、最高のスタッフが映画化しました。是非、ご期待ください。
『重ねる』
2024年11⽉23⽇(⼟) 全国公開
監督・企画プロデュース・原案・脚本:配島徹也
出演:須⽥晶紀⼦ タモト清嵐
配給:記録活映社
【ストーリー】 訳あって旅に出た⼥、加藤あゆみ。追われるように都会を去る男、平野⼀徹。季節は6⽉のはじめ、2⼈はそれぞれの⽬的のため⾥から離れた渓流にいた。川にかかる⾚い橋、上にはあゆみ、下には⼀徹。そこで偶然滴る⼀滴の⽔が、2⼈の運命を結びつける。その夜、⼥の宿泊先で再会を果たす⼀徹とあゆみ。⼀徹の両親の前で、昼に起きたことの秘密を共有してしまう。岐⾩県の⼤⾃然を舞台に、鮎の友釣りと村⼈の時間と感情が交差するとき、静かな恋が芽⽣えていく。
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