原作・押切蓮介のホラー漫画を、『貞子 VS 伽耶子』『不能犯』などの白石晃士監督が映画化する『サユリ』が、8月23日より公開される。このほど、予告編とポスタービジュアルが披露された。
原作は、累計20万部を突破し、異能・押切蓮介のホラー表現到達点と呼ばれるホラー漫画「サユリ」。とある家族が夢のマイホームへと引っ越した途端、次々と不可解な現象に襲われるというストーリー。原作者の押切にとって、自身の作品の中でも「一番好き」と語るほど思い入れのある作品だ。また、これまでに映像化された押切作品は、ゲーム×ラブコメとして大ヒットを記録した「ハイスコアガール」のアニメ化や、トラウマ級のサスペンスとして話題を呼んだ「ミスミソウ」の実写映画化などがある。今回の「サユリ」は、“こんな邦画ホラーがあればいいのに、、、”と考えながら自ら描き上げたホラー漫画ということもあり、満を持しての実写映画化となる。
予告編で、「夢のマイホーム天国へようこそ!」と父・昭雄(梶原善)の言葉と共に笑顔で新居に足を踏み入れる神木家。そんな中、主人公・則雄(南出凌嘉)の弟・俊(猪股怜生)だけはその“家”に違和感を持ち「兄ちゃん、ここ、ちょっと怖い」と表情をこわばらせる。俊の言葉通り、夢のマイホームはただの“家”ではなかったのだ…。食事中に誰もいないはずの空間に向かって「何がおかしいんじゃ!」と睨みを利かせる認知症の“ばあちゃん”(根岸季衣)、さらには隣人から「誰が住んでもすぐに出て行っちゃうのね」と良からぬ噂を耳にする則雄など不穏なシーンが続く。少女の無邪気な笑い声が響く中、「この家には―“何か”がいる」というコピーが目を引く。姉・径子(森田想)が寝るそばで巨大な影が姿を見せた途端、取りつかれた顔つきで弟の頭を激しく柱に打ち付けるショッキングな場面も垣間見える。さらには祖父・章造(きたろう)が家族の前で突然倒れる場面や、必死に隠れる則雄にゆっくりと近づく少女の足、目を見開き少女の前で立ち止まる父の姿など、“最強傑作”ならではの恐怖の連続が印象的だ。 則雄の同級生で霊感のある住田(近藤華)は「絶対出て行って…出ていかないとみんな…」と必死に伝えるが、時すでに遅し…「必ず死ぬ」の言葉通り、思わず目をそむけたくなる生気のない父の顔が画面いっぱいに映る。
そして、家族を失い絶望に打ちひしがれる則雄の前に現れたのは、「すっかり目が覚めてしもうたわい」と力強い顔で話す“ばあちゃん”だった。これまでと全く違う様子のばあちゃんに戸惑いながらも覚悟を決めた則雄は、「祓って済ませるつもりはねえ 地獄送りにしてやるんじゃ!」と家族を奪った“呪いの根源サユリ”に復讐を誓うのであった。
ポスタービジュアルは、主人公・則雄と祖母・春枝の表情が目を引く。背後にたたずむ少女の影に恐怖の視線を向ける則雄と、落ち着きながらも深刻な表情を見せるばあちゃん。「見せてやる、極上の地獄を―」というキャッチコピーは、神木家を絶望の淵に追い込むサユリの怨念か、家族を奪われた則雄とばあちゃんがサユリに与える壮絶な復讐心か。
夢のマイホームを手に入れた神木家に降りかかる不穏な様子を切り取った場面写真も。新しい生活に夢を膨らませている神木家の一家団欒中に険しい顔つきで上階の一点を見つめる“ばあちゃん”や、主人公・則雄と同級生の住田が浮かばない表情で何かを話す場面、認知症のばあちゃんが怪しい笑みを浮かべこちらに向かってくるシーンや、部屋の窓からこちらを遠目に見つめる姉・径子など、どこか違和感を覚える写真が多々目を引く。さらには不吉な現象に悩まされる径子のそばに姿を見せる謎の少女らしき人影や、異様に散らかった部屋に困惑する父・昭雄、そして目の前に現れる人影に驚く表情の則雄などを収めている。
『サユリ』
2024年8月23日(金) 全国公開
監督:白石晃士
原作:押切蓮介「サユリ 完全版」
出演:南出凌嘉 根岸季衣 近藤華 梶原善 占部房子 きたろう 森田想 猪股怜生
配給:ショウゲート
【ストーリー】 夢の一戸建てマイホームに引っ越してきた神木家。しかし、家族7人の幸せな時間も束の間。どこかから聞こえる奇怪な笑い声とともに、一人ずつ死んでいく家族。中学3年生の則雄は、同級生の住田に突然話しかけられ、「気をつけて」と言われる始末。そんな神木家を恐怖のどん底に突き落とす呪いの根源は、この家に棲みつく少女の霊“サユリ”だった…。次々と起こる不可解な現象の中、遂に則雄にも少女の影が近づいてくる。その時、パニック状態に陥る則雄の前に現れたのは、認知症が進んでいるはずの“ばあちゃん”だった。「いいか。ワシら二人でさっきのアレを、地獄送りにしてやるんじゃ!復讐じゃ!!」 こうして、残された則雄とばあちゃんによる壮絶な復讐劇が始まる。
©2024「サユリ」製作委員会/押切蓮介/幻冬舎コミックス