シェアハウスを経営する老夫婦と、さまざまな背景をもつ住人たちとの関わりを描いた舞台「シェアの法則」の映画化で、芸歴57年の小野武彦が映画初主演する『シェアの法則』の公開日が10月14日に決定し、予告編とポスタービジュアルがお披露目となった。
本作は、東京の一軒家で暮らす春山夫妻が自宅を改装して始めたシェアハウスを軸にした物語。社交的で住民の母親のような存在の喜代子とは対照的に、人づきあいが嫌いで誰とも打ち解けようとせず息子に対しても厳しく接する秀夫。ところがある日、喜代子が事故で入院してしまい、一時的に秀夫が渋々、妻の代わりに管理人を務める事に。年齢も職業も国籍もバラバラの個性的な住人たちを前に、秀夫は家賃の値上げを宣言し、嫌なら出て行って構わないと強気に出る。そんな矢先、キャバクラで働いている美穂のトラブルが明るみに出て…。
予告編には、管理人である妻の喜代子(宮崎美子)が入院することとなり、しばらくの間、妻の代わりを務めることになった夫の秀夫(小野武彦)が「はあ?」と呆れる表情から始まる。社交的な喜代子とは対照的に、人づきあいが嫌いで誰とも打ち解けようとしない秀夫は、住民たちにいきなり家賃の値上げを宣言。シェアハウスの住民からも疎まれることに。また、息子の隆志(浅香航大)に対しても厳しく接し、あまり関係性は良くなさそうだ。年齢も職業も国籍もバラバラで、様々な背景をもつ住人たちと触れ合うことで、自分の価値観でのみ物事を見てきた秀夫には、いったいどんな変化が訪れるのか?
また、予告編の後半に流れる楽曲は、「会いたい」等で著名な歌手の澤田知可子が本作のために書き下ろした主題歌「花の記憶」。予告編のエンディングで、心に寄り添う優しい歌声を響かせている。
ユニークな個性をもつ様々な住人が一つ屋根の下に集まり、シェアハウスの窓からのぞくようなポスタービジュアルには、「シェアハウス大激震」のコピーが。一筋縄ではいかない、何かこれから起こりそうな予感を漂わせている。
▼絶賛コメント
■内田慈(俳優)
シェアハウスでの生活シーンで、昔、風呂無しアパートで一人暮らしをしていた時のことを思い出した。共同トイレで、各自トイレットペーパーを持ち込むスタイル。他の人に使われないように印をつけてる人もいた(笑)。壁が激薄で、ちょっと咳をしたら隣の人が心配して「風邪?」とグレープフルーツを持ってきてくれたけど、あの頃の私はその距離感の難しさに少し煩わしさも感じてた。時を経て一人では生きていけないことを痛感し、いかに自立しながら他者と「シェア」して生きていけるか?の大切さを実感している今。「ああ、あの時に戻ってお隣さんにちゃんとありがとうと伝えたい」と感じる鑑賞後。この映画との出逢いをくれた貫地谷しほりちゃんと久万監督はじめ、制作に関わられたすべての皆さまの優しさとピュアさを感じる作品。
■越護啓子(作家)
一人称の視点で物語を完結させるよくある映画のパターンから、この映画は複数の登場人物の視点をもちいながら展開させる意欲的な作品だ。一人ひとり背負った人生がドラマになるぐらいなのに、その織りなす展開が、全然くどさも無く前向きに観る者の関心を引き込んでいく。他人との関わりから、主人公に実の家族との在り方だけでなく自分自身を問うプロセスを共感しながら大いに笑い、泣かせてもらった。家族への想いに自分のことも重さねるいい機会になるに違いない。上質なエンターテイメント作品は本当に心地よい。
■澤田知可子(歌手)
「シェアの法則」のラストシーンから流れる「花の記憶」と温かい涙。登場人物を包み込む母性の如く、この作品に関わらせて頂いて心からの至福を噛み締めております。「思いやり」のシェアをありがとうございました♪
■奈良橋陽子(キャスティングディレクター)
岩瀬顕子さんは多彩な表現をこなす、素晴らしいクリエーターです。これまでの国際的な俳優としての活躍に加えて、今回は脚本家として劇場公開映画をプロデュースし、”実に面白い” 映画を作りました。登場人物がとても個性的で、繊細。作品の中でその役柄の意味と存在を持っている稀有な展開の映画に仕上がっています。出演者のみなさんが楽しんで演じている様子がスクリーンから伺えます!その中で、主演の小野武彦さんの演技は俊逸で素晴らしいと思いました。これまで多くの演劇作品の脚本を書いてきた岩瀬さんが、映画ならではのよさを十分に引き出して脚本を仕上げたことに感服しています。
■羽田美智子(俳優)
孤独に寄り添いながら喜びも悲しみも誰かとシェアすることができたら…それが幸せの本質、生きる醍醐味なのかもしれません。厳しくて優しくて、そして温かくて…この映画の感想を誰かとシェアしたくなりました。
■林海象(映画監督)
久万真路監督「シェアの法則」は、家族と擬似家族の物語である。心が少し離れた本物の家族と、本物の家族ではないが心が通い合うシェアハウスの人々が織りなす陰影が映画に深みを与えている。そしてその陰影が混ざり合い「家族とは何か?」を浮かび上がらせていく。そういう重いテーマを持ちながらも、この映画が完璧にできた娯楽映画であることが秀逸である。俳優陣もとても素晴らしい。
■廣木隆一(映画監督)
他人と生きることはこの世界では当たり前である。ということをこの映画は教えてくれる。ベテランと呼ばれる役者さんたちの息のあった現場の雰囲気が伝わってくるのも久万映画である。小野武彦さんの後ろ姿や宮崎さんの笑顔に泣かされる。
■八嶋智人(俳優)
人生は儘ならない。いつだって。だから、いつだって新鮮。世の堅物達よ。変化する幸せを楽しもう。いつだってキッカケはある。それを見つけるヒントをこの映画は教えてくれるでしょう。
『シェアの法則』
2023年10月14日(土)より、新宿K’s cinema ほか全国順次ロードショー
監督:久万真路
脚本:岩瀬顕子
主題歌:澤田知可子「花の記憶」
出演:小野武彦 貫地谷しほり 浅香航大 鷲尾真知子 宮崎美子 岩瀬顕子 大塚ヒロタ 小山萌子 上原奈美 内浦純一 山口森広 岩本晟夢 久保酎吉
配給:GACHINKO Film
【ストーリー】 東京の一軒家で暮らす春山夫妻。自宅を改装して始めたシェアハウスには、年齢も職業も国籍もバラバラの個性的な面々がおり、彼らは互いに協力し合い、時には衝突しながらも、共同生活を営んでいる。管理人である妻の喜代子は食事会を開いたり相談に乗るなど、住人たちの母親のような存在だったが、ふとした事故をきっかけに入院することとなった。そこで、しばらくの間、夫の秀夫が妻の代わりを務めることになる。社交的な喜代子とは対照的に、人づきあいが嫌いで誰とも打ち解けようとしない秀夫は、住民からも疎まれ、息子の隆志に対しても厳しく接している。そんな中、キャバクラで働いている美穂が勤務先でトラブルを起こし呼び出されることになる。
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