第151回直木賞を受賞した「破門」や、「後妻業」などで人間を突き動かす欲望を描いてきた作家・黒川博行による重厚な傑作小説「勁草」を『検察側の罪人』や『関ケ原』など数々の話題作を手掛けてきた名匠・原田眞人監督が、主演・安藤サクラ、山田涼介(Hey! Say! JUMP)で映画化する 『BAD LANDS バッド・ランズ』が9月29日より公開される。このほど、場面写真がお披露目となった。
主演は、『ある男』で第46回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した安藤サクラ。原田眞人監督作品は本作で初参加。壮大なファンタジーと日常感が話題となったテレビドラマ「ブラッシュアップライフ」で主演を務めた安藤が、本作では特殊詐欺を生業とする橋岡煉梨(ネリ)を怪演している。そして、安藤サクラ演じる主人公ネリの弟・矢代穣(ジョー)役には、『燃えよ剣』以来、2度目の原田眞人監督作品の参加となる山田涼介(Hey! Say! JUMP)が抜擢。
第46回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞し、日本映画界を牽引する俳優の一人である安藤サクラが本作で演じる主人公のネリは、表の顔はNPO法人の理事長でありながらその実特殊詐欺グループの名簿屋である高城(生瀬勝久)のもとで受け子のリーダー・通称「三塁コーチ」をしながら生きている。自身も生活をする「ふれあい荘」の住人たちを受け子としてしっかりと束ね、体調不良の者が出ると病院へ連れて行くなど面倒見の良い一面もあるため、「ふれあい荘」の住民からの人望は厚い。警察の張り込みにも目ざとく気付き“仕事”を中断する判断力もあり、高城も次から次へ大きな仕事も任せている。映画『燃えよ剣』以来の原田監督作品への出演で、気迫のこもった演技で新境地を魅せる山田涼介演じるジョーは、刑務所から出所してきたばかり。他に頼る宛が無く、高城に仕事を紹介してもらおうと姉のネリを頼りにやってきたところから、物語は大きく動き出す。ジョーを高城に紹介し、受けた仕事を2人でこなすようになっていくネリとジョー。仕事の合間ふとした瞬間に、過去に一緒に過ごしていた頃の話やこの先の未来について言葉を交わすようになる。気の置けないようでいて完全には気を許せないその微妙な距離感が、共犯関係である“血の繋がらない姉と弟”の関係性の最大の肝であり大きな魅力となっている。
場面写真には、そんなネリとジョーの姿が。ビリヤード台に手をつき真剣に向かい合っているカットに加え、手に花札を持ったジョーとその隣に座るネリが力強く何かを睨みつけている、“裏社会”での二人の顔が垣間見えるカットの計2点が公開された。
ネリの“生きにくい世界を生き抜く美しさと強さ”を映し出す安藤サクラと、ジョーのネリへの執着を無邪気に演じる山田涼介の二人が魅せる化学反応が、見事なまでに表現する誰も見たことが無い“新たなバディ像”に期待したい。
『BAD LANDS バッド・ランズ』
2023年9月29日(金)より、全国ロードショー
監督・脚本・プロデュース:原田眞人
原作:黒川博行「勁草」(徳間文庫刊)
音楽:土屋玲子
出演:安藤サクラ 山田涼介 生瀬勝久 吉原光夫 大場泰正 淵上泰史 縄田カノン 前田航基 鴨鈴女 山村憲之介 田原靖子 山田蟲男 伊藤公一 福重友 齋賀正和 杉林健生 永島知洋 サリngROCK 天童よしみ 江口のりこ 宇崎竜童
配給:東映/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
【ストーリー】 “持たざる者”が“持つ者”から生きる糧を掠め取り生き延びてきたこの地で、特殊詐欺に加担するネリと弟・ジョー。二人はある夜、思いがけず“億を超える大金”を手にしてしまう。金を引き出す…ただそれだけだったはずの2人に迫る様々な巨悪。果たして、ネリとジョーはこの“危険な地”から逃れられるのか。
©2023「BAD LANDS」製作委員会