門井慶喜の直木賞受賞作を『八日目の蟬』『いのちの停車場』など、日本中に感動を巻き起こしヒット作品を生み出してきた成島出監督が、主演に役所広司、共演に菅田将暉、森七菜を迎えて描く究極の親子愛『銀河鉄道の父』が、2023年5月5日より公開されることが決定した。このほど、本作の主題歌がいきものがかりの「STAR」に決定し、併せて主題歌入りの特報映像がお披露目となった。
「銀河鉄道の父」は、門井慶喜が大量の宮沢賢治資料の中から父・政次郎について書かれた資料をかき集め、宮沢賢治の生涯を、父親の視線を通して活写する、究極の親子愛を描いた傑作にして、第158回 直木賞受賞作。小説は2016年に発売され、2017年から映画化プロジェクトは動き出し、役所広司、菅田将暉、森七菜といった名優たちが集い、6年越しで満を持して映画制作が動き出した。
主題歌「STAR」は本作のために書き下ろされたもので、穏やかなメロディと吉岡の透き通るボーカルが、ぶつかり合いながらも支え合う宮沢家の大きな愛を感じさせる楽曲となっている。いきものがかり2人体制になってから、初の映画主題歌となる。吉岡聖恵は「(映画を観て)賢治をまるごと包み込む父、政次郎の深い愛情を感じました。たくさんあたたかさを感じる作品で、拝見してたくさん涙しました。私としては出産が近づく中での歌唱だったので、この曲に親子の関係をおもいながら、あたたかな気持ちで歌わせて頂きました」とコメント。作詞・作曲を手掛けた水野良樹は「他人からみたら、大袈裟で、滑稽にみえるほど、相手を一生懸命に肯定するという瞬間が、人と人とのつながりのなかでは、ごくまれに生まれることがあると思います。誰かが誰かを肯定することを、優しく包み込めるような楽曲にできればいいなと思ってつくりました」と語っている。
主題歌「STAR」が流れる特報映像は、「宮沢賢治の父、政次郎でございます。」というユーモアと人間味あふれる親バカな父・政次郎をはじめ、宮沢家の面々が次々と写し出される。やがて賢治が家業を継ぐと信じて疑わない政次郎は「明日から家業の修行さ励め」と賢治に言うが、「イヤです」と反発され、面を食らってしまう。ここから父と息子の熾烈な戦いの日々が始まる。 “農業大学への進学”、“人造宝石で商売”、“宗教の道”と我が道を進む賢治にときに困惑し、ときにぶつかってしまう政次郎。それでも賢治に対する愛はゆるぎない。映像後半では「お前は父でありすぎる」と爺に言われながらも、親バカだけど子供たちの幸せを願い政次郎が涙する姿に共感すること間違いない。
■吉岡聖恵(主題歌)コメント
映画『銀河鉄道の父』というこの作品がとてもあたたかみのある作品だと思いました。賢治の妹、トシへの深い愛情、そして、その中で新しい作品が生まれていくこと、それがとても印象的でした。そして、賢治をまるごと包み込む父、政次郎の深い愛情を感じました。たくさんあたたかさを感じる作品で、拝見してたくさん涙しました。私としては出産が近づく中での歌唱だったので、この曲に親子の関係をおもいながら、あたたかな気持ちで歌わせて頂きました。語るように歌いながら、一方であたたかく深い気持ちが爆発するような歌でもあると思います。心の中に熱いものを持ちながら歌いました。作中にある賢治の父、政次郎と賢治の関係に思いを馳せながら、自分にとってとても貴重なタイミングでこの歌を歌わせていただいた事がとても素晴らしい体験となりました。母になった今、出来上がったこの曲を、うんうん、としみじみ聞いてしまいます。自身の心境にリンクする曲にもなりました。
■水野良樹(主題歌)コメント
(映画を観て)やっぱり息子の顔が浮かんで、しょうがなかったですね(笑)。こんなことを言ったら怒られると思うのですが「俺も政次郎だよ!」と心のなかで叫びたいくらいで。そして、やはり各シーンでときに静かに、ときに激しく、生と死のあわいに身を寄せる相手に、言葉を送ろうとする登場人物たちがとても愛おしかったし、心打たれました。他人からみたら、大袈裟で、滑稽にみえるほど、相手を一生懸命に肯定するという瞬間が、人と人とのつながりのなかでは、ごくまれに生まれることがあると思います。誰かが誰かを肯定することを、優しく包み込めるような楽曲にできればいいなと思ってつくりました。いきものがかりというグループにとっても、このタイミングで親と子を描く作品に関わらせていただけることに、勝手ながら、なにか運命めいたものを感じました。
『銀河鉄道の父』
2023年5月5日(金)より公開
監督:成島出
原作:門井慶喜「銀河鉄道の父」(講談社文庫)
主題歌:いきものがかり「STAR」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
出演:役所広司 菅田将暉 森七菜 豊田裕大 坂井真紀 田中泯
配給:キノフィルムズ
【作品概要】宮沢賢治の父・宮沢政次郎。父の代から富裕な質屋であり、長男である賢治は、本来なら家を継ぐ立場だが、賢治は適当な理由をつけてはそれを拒む。学校卒業後は、農業や人工宝石、宗教と我が道を行く賢治。政次郎は厳格な父親であろうと努めるも、賢治のためなら、とつい甘やかしてしまう。やがて、妹・トシの病気を機に、賢治は筆を執るも…。宮沢賢治の生涯を、父親の視線を通して活写する、究極の親子愛を描いた傑作にして、第158回 直木賞受賞作の『銀河鉄道の父』、待望の映画化。
©2022「銀河鉄道の父」製作委員会