田村健太郎「こんな映画観たことないよ!」、宮崎美子「困難の末に皆なぜか笑顔に」『猫と塩、または砂糖』ポスタービジュアル

PFF(ぴあフィルムフェスティバル)スカラシップ作品である小松孝監督作『猫と塩、または砂糖』の公開月が7月に決定し、併せて、ポスタービジュアルと場面写真がお披露目となった。

本作は、母のペット「猫」を職業とする長男、慎ましい母、アル中の父の3人で暮らす佐藤家に、突然、母の元カレとその娘(美少女)がやってきて、狭いひとつ屋根の下、奇妙な同居生活が繰り広げられるホームコメディ。

本作で劇場長編デビューとなる小松孝監督は、早稲田のシナリオ研究会で天才と呼ばれるもデイトレーダーに転身して失敗、ニート生活を経て撮影した映画『食卓』でPFFアワード2016 グランプリを受賞し、映画監督に返り咲いたというユニークな経歴の持ち主。本作でも、型破りな脚本、絶妙なキャスティングに加え、「アリの巣を俯瞰的に観察する面白さ」を再現したカメラワーク、敬愛してやまないアイドルの起用、多肉植物やデジタルガジェットなどの小道具が作り出す世界観など、監督ならではの拘りぶりを発揮。一瞬たりとも目が離せない、観れば観るほどクセになる作品に仕上がっている。「幸せとは何か?」という壮大なテーマを掲げながら、独特のユーモアセンスとこだわりを貫き、観る者の意表を突き続ける。元ニートの40歳新人監督が混迷時代に放つ、“クセが強くて愛おしい”ホームコメディが誕生した。

ポスタービジュアルには、猫型の覗き穴から奇妙な家族5人、母の猫を職業とする長男(田村健太郎)、その母(宮崎美子)、アル中の父(諏訪太朗)の佐藤家と、この一家と同居することになる謎の白い父(池田成志)、その娘(吉田凜音)の姿が収められる。さらに、「僕の職業は、猫である」という主人公の独白が添えられ、愛らしくも毒気のある赤色が違和感を醸し出す。奇抜なタイトルロゴは、一筋縄ではいかない、“クセが強い”ホームコメディを表現している。

■田村健太郎(長男役) コメント
気鋭・小松監督が、家族を描いてくれました。というか『家』というものを描いてくれました。それくらい家の中で膨大な数のシーンを撮りました。途中、『家』がグニョグニョ動き出してきて、初めて家酔いしてるかもと思いました。それ程、この膨大なシーンをつなげたらどうなるのか完成図が予想できませんでした。思わず小松監督に「これ、大丈夫ですか?」と聞いたら「うん大丈夫!」と自信満々のスマイルが返ってきました。憎たらしくも愛嬌あるその曇りなき眼に何が映っているのか、それを僕も見たくてクランクアップまで走り切りました。試写を見て驚きました。これ、小松監督によるスケールのでかい実験でもあったんです。ある家族が住んでいる“家”の中に、もう一つの家族を注入したらどういう化学反応が起きるのか。順応か拒絶か、はたまた変異か。まるで“家”自体が一つの生命体みたいで、僕ら俳優はその中でうごめく細胞のよう。小松監督のアンテナビンビンな感性で僕らが普段見えてないものをスクリーンに映してくれました。小松さん、こんな映画観たことないよ!映画館の扉を開けたらそこに宇宙があるように、是非、我々の“家”のドアを開けてその体内に遊びに来てください。お待ちしております。

■宮崎美子(母親役) コメント
外界からゆるやかに閉じた『家』の中での暮らしは思いの外心地よく、撮影が終わるころには「水と食料と何か胡桃的なものさえあればこの暮らしも悪くないな」と感じられるようになっていました。危うさを胎みながら、一見穏やかに過ぎていくこの家族の日常は、小松組の撮影現場そのもの。当惑、困難の末に皆なぜか笑顔になり、世界は愛すべきもの、そして何事にも少し寛容になっている自分に気づく…。さて、映画を見終わった皆さま『世界』はどのように映っているでしょうか?

『猫と塩、または砂糖』
2022年7月 渋谷・ユーロスペースほか全国順次公開
監督・脚本:小松孝
主題歌:NILKLY
出演:田村健太郎 吉田凜音 諏訪太朗 池田成志 宮崎美子
配給:一般社団法人PFF マジックアワー

【ストーリー】 社会を拒絶し母のペット「猫」になった長男(田村健太)、慎ましい母(宮崎美子)、アル中の父(諏訪太朗)の3人で暮らす佐藤家。母が元彼(池田成志)と再会したことをきっかけに、その娘(吉田凜音)も巻き込み、ひとつ屋根の下、5人の奇妙な同居生活が始まる…。

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