「このマンガがすごい!」「文化庁メディア芸術祭 マンガ部門」など数々の漫画賞を受賞した鶴谷香央理の同名漫画を、芦田愛菜と宮本信子共演で実写映画化する『メタモルフォーゼの縁側』が、6月17日より公開される。このほど、本作の主題歌が、芦田と宮本が歌唱するT字路sの「これさえあれば」に決定した。
本作は、ボーイズラブ(以下「BL」)で繋がった17歳と75歳の女の友情と挑戦を描くドラマ。17歳の人付き合いが苦手な女子高生・佐山うららは、ひとりこっそりとBL漫画を読むことが毎日の楽しみ。夫に先立たれ孤独に暮らす75歳のおばあちゃん・市野井雪は、キレイな表紙に惹かれてジャケ買いした漫画がBLだったことをきっかけにすっかりBLに魅了される。友達も彼氏もいないBLだけが心の支えのうらら。ひとりぼっちで過ぎ去る時間に寂しさを感じる雪。そんな二人がBLをきっかけに出会う。年齢も立場も肩書きも全く違うけれど、一緒に漫画を読んで、一緒に笑って、一緒に泣いて、時には激論を交わし、BLが育む年の差58歳の女の友情。そして、BLで繋がった二人の人生は、意外な方向に転がりだしていく…。
主題歌は、芦田と宮本による、熱狂的なファンを持つ男女二人のバンド・T字路s の「これさえあれば」のカバー。T字路sによる演奏のもと、「うらら&雪」のコンビ名で歌唱を披露している。T字路sは、本作では主題歌のみならず音楽全般も担当。これまで映画主題歌を提供したことはあるが、映画音楽を制作するのは初となる。さらに、ギターヴォーカルの伊東妙子はうららの母親役として俳優出演も果たす。
併せて、本作の前売り券が、4月8日よりメイジャー通販サイトにて販売開始される。購入特典は、映画のキャラクターや場面を両面にあしらった「オリジナルクリアファイル」か、劇中で主人公たちが熱狂するBL漫画のキャラクター、咲良と佑真(作画:じゃのめ)をあしらった「咲良&佑真のトキメキ♫バックハグクリアポスター」のどちらか。数量限定となる。
▼スタッフ&キャスト コメント
■芦田愛菜(うらら役)
Q:主題歌のオファーがあったとき、実際に歌ってみた感想。
スタッフの皆さんにすぐ後ろで見て頂きながらレコーディングしたので、すごく緊張していたのですが、歌っているうちにだんだん楽しくなりました。漫画に出会えたうららの気持ちになって、歌えたような気がしています。この曲を聴いていると雪さんとの二人のシーンが思い浮かぶんです。素敵な映画のエンディングになったと感じました。
■宮本信子(雪役)
Q:主題歌のオファーがあったとき、実際に歌ってみた感想。
二人の歌をエンドロールにしたい!と言われた時は、もうビックリしました。青天の霹靂!責任重大!とてもむずかしい楽曲でしたが、レッスンを受けて、なんとか本番に間に合いました。レコーディングは緊張しましたが、先生からの「信子さん、のって、のって〜〜歌って〜〜。いつものライブのように!」のお言葉を胸に、楽しく一生懸命歌いました。
■T字路s
Q:劇伴を制作した感想。
劇伴音楽の制作はまったく初めてのことでしたが、私達が何より幸せだったのは、この作品をとにかく大好きになったことで、手探りながらも無我夢中で情熱を傾けることができました。うららも雪さんも愛しくてたまらなく、だからこそ、寄り添い感情移入するところ、逆に俯瞰したり距離を置くところ、シーンによって試行錯誤しました。普段は作らないような曲調、使わないような楽器や音響効果を織り交ぜたりもして、この上なく楽しく充実した、全力の挑戦でした。
Q:芦田愛菜さん、宮本信子さんのレコーディングを終えた感想。
うらら(芦田愛菜)と雪さん(宮本信子)おふたり+おふたりが、今日まで生きて来られたなかで紡がれた物語そのものが乗り移ったような歌声に、歌い出した瞬間にハッとして引き込まれ、歌い終わる頃には胸がいっぱいになりました。簡単なようで節回しがややこしく歌いにくかったかと思うのですが、こんなにチャーミングに、晴れやかに、凛々しく、表現してくださりとても嬉しく感激しました。実は10年以上前に作った曲なのですが、この映画のために作ったかのようにぴったりですよね?
Q:完成した映画を観た感想。
自分達が作った曲が実際に映像に当てはめられると、表情(から感じ取られる心情までも)が、音楽に合わせて変化してゆくように見えて、震えるほどの感動がありました。傍目には何の変化もないように見えるかも知れない、でも、好きなものが出来ただけで人生はこんなにも動き出し、輝く。うららを、雪さんを抱き締めたいと思う気持ちは自分自身を抱き締めたい気持ちでもあると感じます。劇伴制作をしながら何十回観たかわからないけれど、完成した映画はますます愛おしい作品になっていました。たくさんの人に観て欲しいし、何回でも観て欲しいと心から願っています。
『メタモルフォーゼの縁側』
2022年6月17日(金) 全国公開
監督:狩山俊輔
原作:鶴谷香央理「メタモルフォーゼの縁側」
脚本:岡田惠和
音楽:T字路s
主題歌:芦田愛菜 宮本信子「これさえあれば」(T字路sカバー)
出演:芦田愛菜 宮本信子 高橋恭平(なにわ男子) 古川琴音 生田智子 光石研 汐谷友希 伊東妙子 菊池和澄 大岡周太朗
配給:日活
【ストーリー】 うらら(芦田愛菜)、17歳。毎晩こっそりBL漫画を楽しむ女子高生。雪(宮本信子)、75歳。夫に先立たれたひとり暮らしの老婦人。ある日、二人は同じ本屋にいた。うららはレジでバイト。雪はきれいな表紙に惹かれて漫画を手にとっていた。それがBLだった。初めての世界に驚きつつも、男子たちが繰り広げる恋物語にすっかり魅了されてしまう雪。そんな二人がBLコーナーで出会ったとき、それぞれ閉じ込めていたBL愛が次から次へと湧き出した。それからは雪の家の縁側にあつまり、読んでは語りを繰り返すことに。そして二人はある挑戦を決意する。
©2022「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会