「芸術家として彼女の絵は恐怖だ」スウェーデン女性画家の謎に包まれた生涯『見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界』予告編

抽象的絵画の先駆者でありながら、長らくその存在を知られていなかった、スウェーデンの女性画家ヒルマ・アフ・クリント(1862~1944)の謎に包まれた生涯を描くドキュメンタリー映画『見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界』の公開日が4月9日に決定。併せて、予告編がお披露目となった。

1862年、スウェーデンで生まれた画家ヒルマ・アフ・クリントは、王立美術院で学び、伝統的な絵画で成功を収めたが、妹の死などを経て神秘主義に傾倒し、独創的な絵画を手掛けるようになる。その独創性は同じ思想を持つ4人の女性芸術家と結成した「5人」の活動やルドルフ・シュタイナーとの出会いで、輝きを増していく。しかし、同時代の画家たちが新たな芸術作品を発表する中、彼女は自身の革新的な作品を世に出さず、自分の死後20年間は公表を禁じてこの世を去った…。月日は流れ、現代。突如、世界に発見された彼女は、各地で評判を呼び、2019年、ニューヨークのグッゲンハイム美術館で開催された回顧展は同館史上最高の動員(約60万人)を記録。巨匠ラッセ・ハルストレムが最新作『Hilma』で彼女の生涯を描くなど、今や欧米で大きな注目を集める存在だ。世界中の人々の心を鷲掴みにする彼女の絵は、なぜ20年を経ても世に出なかったのか。そして、自分で道をつくり、その道を歩んだ彼女が、目に見えるものを超えて見つめていた世界とは。本作は、キュレーター、美術史家、科学史家、遺族などの証言と、彼女が残した絵、言葉からそれを解き明かし、彼女を拒んだ美術史の裏側にも迫る。

予告編では、神秘性と現代性を併せ持つヒルマのカラフルな作品群と、彼女と美術史の関係にフォーカスし、「美術史は書き換えられるのか」という挑発的な言葉を投げかけている。

『見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界』
4月9日(土) ユーロスペースほか全国順次公開
監督:ハリナ・ディルシュカ
出演:イーリス・ミュラー=ヴェスターマン ユリア・フォス ジョシュア・マケルヘニー ヨハン・アフ・クリント エルンスト・ペーター・フィッシャー アンナ・マリア・ベルニッツ
配給:トレノバ

【作品概要】 抽象的絵画の先駆者でありながら、長らくその存在を知られていなかった、スウェーデンの女性画家ヒルマ・アフ・クリント(1862~1944)の謎に包まれた生涯を描くドキュメンタリー。自身の死後20年は作品を公表しないよう言い残し世を去った彼女を拒んだ美術史の裏側にも迫る。