2017年に大阪・毎日放送(MBS)で放送され、その年のギャラクシー賞テレビ部門大賞、「地方の時代」映像祭では優秀賞を受賞した「映像ʻ17 教育と愛国〜教科書でいま何が起きているのか〜」を、教育現場に追加取材・再構成し映画版として完成させたドキュメンタリー映画で、俳優・井浦新がナレーションを担当する『教育と愛国』が、5月13日より公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルがお披露目となった。
軍国主義へと流れた戦前の反省から、戦後の教育は政治と常に一線を画してきたが、昨今この流れは大きく変わりつつある。「政治が教育を変える」と公言する安倍晋三の第一次政権下の2006年、教育基本法が改正され、「愛国心」が戦後初めて盛り込まれた。以降「教育改革」「教育再生」の名のもとに、目に見えない力を増していく教科書検定制度。日本軍「慰安婦」や沖縄戦を記述した教科書を採択する学校に押し寄せる大量の抗議ハガキ。教師や研究者へのバッシング。政治介入ともいえる状況の中で繰り広げられる出版社と執筆者の攻防はいま現在も続く…。
本作は、MBSで記者として20年以上にわたって教育現場を取材してきた⻫加尚代監督が、教育と政治の関係を見つめながら最新の教育事情を記録。本編中の語りは俳優・井浦新が担当する。
「政治と教育」の距離がますます近くなっているいま、教科書、教育はいったい誰のものなのか?
■⻫加尚代(監督) コメント
学校はキライだった。その私が大阪の放送局で記者になり、取材を通して好きになった場所が学校だった。様々な事情を抱えた子どもたちがぶつかり合い、認め合う。人間として葛藤を繰り返し、愛情を注ぐ先生がいる。ところが、公教育の「愛」は「国」と結びついたとたんに影を落とす。背後にあるのは、政治の急接近だった。教科書の中で起きている「教育と政治」の攻防を、ずっと記録してきた。それを映画という一本の糸でつなげたかったのは、切羽詰まる思いからです。
『教育と愛国』
2022年5月13日(金)よりシネ・リーブル池袋、アップリンク吉祥寺ほか、2022年5月14日(土)より大阪 第七藝術劇場ほか全国順次公開
監督:⻫加尚代
語り:井浦新
プロデューサー:澤田隆三 奥田信幸
配給:きろくびと
【作品概要】 MBSで記者として20年以上にわたって教育現場を取材してきた⻫加尚代監督が、教育と政治の関係を見つめながら最新の教育事情を記録する。
©2022映画「教育と愛国」製作委員会