『アルビノの木』の金子雅和監督が、笠松将主演、阿部純子共演で、東京下町を舞台に、ある一夜の出会いを描く切ない幻想譚『リング・ワンダリング』の公開日が2022年2月19日に決定し、併せて、予告編とポスタービジュアルがお披露目となった。
本作は、東京の下町で漫画家を目指す主人公・草介が、不思議な女性・ミドリとの出会いを通して、東京という土地に眠る過去の記憶、そして命の重みを知っていく一夜の切ない幻想譚。
予告編は、漫画家を目指す主人公・草介(笠松将)が、絶滅したニホンオオカミが描けず悩むシーンから始まり、逃げた飼い犬を探す、不思議な娘ミドリ(阿部純子)との出会い、その家族(安田顕、片岡礼子)との交流を映し出す。草介が描く明治時代の漫画の一幕も確認でき、過去と現在がどのように交錯するようになるのか、期待感が高まる仕上がりとなった。
ポスタービジュアルは、劇中漫画の作画を担当する漫画家の森泉岳土が手掛けたオオカミのイラストレーションとともに、生い茂るススキの中に佇む草介の姿が収められ、「迷い込み、巡り会う」のキャッチコピーとあいまって、幻想世界へと誘われる予感を抱かせる。
本作は、第37回ワルシャワ映画祭でのエキュメニカル賞スペシャル・メンション授与、第22回東京フィルメックスのメイド・イン・ジャパン部門での上映に続き、11月20日から28日にインドのゴア州で開催された第52回インド国際映画祭(ゴア)コンペティション部門でも上映された。アジアでは東京、上海、そしてゴアのみが、国際映画製作者連盟が認める長編コンペのある国際映画祭である。本作は同映画祭において最高賞である金孔雀賞を競うコンペティション部門に出品された唯一の邦画。これまでの金孔雀賞受賞作は、アンドレイ・ズビャギンツェフ監督作『裁かれるは善人のみ』(2014年)、シーロ・ゲーラ監督作『彷徨える河』(2015年)、ロバン・カンピヨ監督作『BPM ビート・パー・ミニット』(2017年)など、日本でも劇場公開された世界的に評価される監督たちの作品が多く受賞している。2019年には三池崇史監督の特集上映が行われた。
『リング・ワンダリング』
2022年2月19日(土)より、渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
監督・脚本:金子雅和
脚本:吉村元希
劇中漫画:森泉岳土
音楽:富山優子
出演:笠松将 阿部純子 片岡礼子 ⻑谷川初範 田中要次 品川徹 安田顕 伊藤駿太 横山美智代 古屋隆太 増田修一朗 細井学 友秋 桜まゆみ 石本政晶 ボブ鈴木 比佐仁 山下徳久 大宮将司 平沼誠士 伊藤ひろし 納葉 川綱治加来
配給:ムービー・アクト・プロジェクト
【ストーリー】 漫画家を目指す草介(笠松将)は、絶滅したニホンオオカミを題材に漫画を描いているが、肝心のオオカミをうまく形にできず前に進めない。そんなある日、バイト先の工事現場で、逃げ出した犬を探す不思議な娘・ミドリ(阿部純子)と出会う。転倒しケガをしたミドリを、彼女の家族が営む写真館まで送り届けるが、そこはいつも見る東京の風景とは違っていた…。草介はミドリとその家族との出会いを通じて、その土地で過去に起きたことを知ることになる。
©2021 リング・ワンダリング製作委員会