古川琴音「私とちゃんと向き合ったことあった?」濱口竜介監督作『偶然と想像』予告編!東京フィルメックスOP作品に選出

第74回カンヌ国際映画祭で日本映画初となる脚本賞ほか4冠に輝いた『ドライブ・マイ・カー』などで知られる、いま世界からもっとも注目される映画作家の一人、濱口竜介の最新作で、第71回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞した『偶然と想像』が、12月17日より劇場&オンライン(配信プラットフォーム「Reel」)にて公開・配信される。このほど、本作が10月30日より開催される第22回東京フィルメックスのオープニング作品に決定し、併せて、予告編がお披露目となった。

本作は、濱口竜介監督初の短編集にして最新作。『魔法(よりもっと不確か)』、『扉は開けたままで』、『もう一度』の全3話で構成される。

第71回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞した本作は、その後海外映画祭への招待が続き、9月にハンガリーで開催した第17回CineFestミシュコルツ国際映画祭では最高賞にあたるエメリック・プレスバーガー賞を受賞するなど快挙を果たし、ついに日本では本年度の「東京フィルメックス」にて初お披露目となる。

濱口監督は、「3つの物語は『偶然』をテーマにしていて、それまで暮らしていた日常からだんだんはみでていく、そのことによって新しい自分を発見していきます。どの物語も役者さんが素晴らしく、自分自身が現場で本当に彼らの会話がおきている感覚になり、そしてその会話に引き込まれていきました。役者さんの演技を見ていただくため、ぜひに劇場にお越しいただけたらと思います」と役者についてコメントし、さらに今世界各国で上映されている映画祭については「自宅の近くでリハーサルをしたり、こぢんまりと親密な形で撮影をしていた作品を見つけてくれたベルリン映画祭はじめ、世界中の映画祭に招待していただいていることをとても光栄に思います」と語った。

予告編では、連続テレビ小説「エール」や「コントが始まる」など話題作に出演し圧倒的な存在感を放つ古川琴音をはじめ、中島歩、森郁月、甲斐翔真らフレッシュな顔ぶれが揃い、濱口組出演経験のある玄理、渋川清彦、占部房子、河井青葉ら個性豊かな俳優陣も参加。リハーサルにリハーサルを重ね、生み出された物語。親友同志の恋バナ、大学教授に教えを乞う生徒、そして20年ぶりに再会した友人…日常のシチュエーションから一転、3組の会話はどんどん掘り下げられていき、想像しえなかった展開を迎える。

『偶然と想像』
12月17日(金)より、Bunkamuraル・シネマほか全国公開
監督・脚本:濱口竜介
出演:古川琴音 中島歩 玄理 渋川清彦 森郁月 甲斐翔真 占部房子 河井青葉
配給:Incline

【ストーリー】
第1話『魔法(よりもっと不確か)』 撮影帰りのタクシーの中、モデルの芽衣子(古川琴音)は、仲の良いヘアメイクのつぐみ(玄理)から、彼女が最近会った気になる男性(中島歩)との惚気話を聞かされる。つぐみが先に下車したあと、ひとり車内に残った芽衣子が運転手に告げた行き先は…。

第2話『扉は開けたままで』 作家で大学教授の瀬川(渋川清彦)は、出席日数の足りないゼミ生・佐々木(甲斐翔真)の単位取得を認めず、佐々木の就職内定は取り消しに。逆恨みをした彼は、同級生の奈緒(森郁月)に色仕掛けの共謀をもちかけ、瀬川にスキャンダルを起こさせようとする。

第3話『もう一度』 高校の同窓会に参加するため仙台へやってきた夏子(占部房子)は、仙台駅のエスカレーターであや(河井青葉)とすれ違う。お互いを見返し、あわてて駆け寄る夏子とあや。20年ぶりの再会に興奮を隠しきれず話し込むふたりの関係性に、やがて想像し得なかった変化が訪れる。

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