ブリットポップ・ムーブメントの最高峰を極め、時代を定義・象徴するオアシスによる伝説のコンサート、1996年8月の英ネブワース公演を、25年経った今年、ギャラガー兄弟が製作総指揮を務めて映画化する音楽ドキュメンタリー『オアシス:ネブワース1996』が、9月23日より公開されることが決定した。併せて、予告編、アートワーク、場面写真がお披露目となった。
本作は、過去25年間で音楽シーンにとって最も象徴的なライブイベントとして語り継がれる1996年8月10日と11日にハートフォードシャー州ネブワースで開催されたオアシスのコンサートをドキュメンタリー映画化。「音楽とリアルタイムなロックンロール体験によって突き動かされる物語。カメラに向かって行われたインタビューや、不要なセレブの思い出話は一切ない」とグラミー賞受賞者でもある本作の監督ジェイク・スコットが語る通り、“時空を超えたライヴ・ビューイング体験”を可能にする作品で、コンサートやバックステージの膨大な未公開映像を中心に、バンドやコンサート主催者へのインタビューも加えて構成され、もちろんオアシスが奏でた音楽も集約。本公演が、オアシスと親密な関係を築くファンが共に創り上げた奇跡的な大イベントであったことを如実に語る。本来なら当時現場に居た人しか見られなかった超貴重な映像の連続により、かねてからのオアシスファンも、最近オアシスを知った人も、世代を超えた全ての音楽ファンが歴史的なライヴを追体験できる。
©ROBERTA PARKIN
ネブワース公演は、2日間で25万人超を動員した、当時の野外コンサートの動員記録を更新したオアシス史上最大規模の野外ライヴ。チケットは1996年5月11日に発売され、地元のレコード店やチケット売り場には一晩中行列ができ、世界中のファンが一日中電話にかじりついてもなかなか予約電話は繋がらず、すべてのチケットは24時間以内に完売、英国のあらゆる興行記録を更新した。主催者は、イギリスの人口の2%以上がチケットを購入しようとしたことから、その2~3倍のチケットを販売できたと推定。そして今でも語り継がれる90年代最大のコンサートが実現した。この記念すべき公演は、当時の英国が10年に及ぶ不況から徐々に回復していることを背景に行われた。80年代に入り英国の雰囲気は変わりつつあり、芸術や文化の復活が“クール・ブリタニア”を生み出し、オアシスはその急成長の中で、新たに発見された楽観主義と威勢の良さを体現していた。マンチェスターの公団住宅に住んでいた彼らが、2年という短い期間で世界最大級のバンドになったのだから、集まった人々は、目の前のステージに立つ5人の男たちに自分を重ね合わせ、何でも可能だと感じたのだろう。冒頭の「コロンビア」と「アクイース」から、「シャンペン・スーパーノヴァ」、「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」、「リヴ・フォーエヴァー」、オーケストラをバックにした「アイ・アム・ザ・ウォルラス」、そして1990年代に発表された曲でSpotifyで10億回のストリーミングを記録した最初の曲「ワンダーウォール」まで、最初から最後まで問答無用の名曲で埋め尽くされたセットリストが特徴のネブワース・コンサートは、バンドの成功の頂点であると同時に、世代を超えた画期的なイベントでもあった。
©JILL FURMANOVSKY
予告編では、「モーニング・グローリー」と「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」をフィーチャーした映像になっている。
© 2021 Oasis Knebworth 1996
『オアシス:ネブワース1996』
9月23日(木)より、新宿ピカデリーほか全国公開
監督:ジェイク・スコット
製作総指揮:リアム・ギャラガー ノエル・ギャラガー アレック・マッキンレイ
プロデューサー:ガーフィールド・ケンプトン
出演:オアシス
配給:ソニー・ミュージック・エンタテインメント