19世紀を代表する哲学者、経済学者カール・マルクスの末娘エリノア・マルクスの激動の半生を描いた『MISS MARX(原題)』が、邦題『ミス・マルクス』として9月上旬に公開されることが決定した。併せて、予告編とポスタービジュアルがお披露目となった。
カール・マルクスの伝説の3姉妹の末娘であり、女性や子供たち、労働者の権利向上のため生涯を捧げ、43歳の若さでこの世を去った女性活動家エリノアの、知られざる激動の半生を初めて映画化した本作。
監督・脚本を手掛けたのは、前作『Nico, 1988』でベネチア国際映画祭オリゾンティ部門作品賞を受賞したイタリア出身のスザンナ・ニッキャレッリ。2020年ベネチア国際映画祭でワールド・プレミアを迎えた本作は、同映画祭コンペティション部門でFEDIC賞、ベストサウンドトラックSTARS賞の2冠に輝き、2021年ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞11部門ノミネート、3冠受賞を果たした。
エリノアを演じるのはフランソワ・オゾン監督作『エンジェル』の主演に抜擢されて以来、『つぐない』や『未来を花束にして』など話題作に出演してきたロモーラ・ガライ。本作の演技で「控えめながら、文句なしに人の心を打つ演技」(英・ガーディアン紙)と世界的に大絶賛を浴びた。
予告編は、革命家カール・マルクスの死から幕を開ける。最愛の父の死を悼みながらも、「自分の人生を生きたい」と宣言するエリノア(ロモーラ・ガライ)。時代を先駆けた女性活動家として活躍し、大衆を前に男女平等の実現、労働者の権利向上を力強く訴えかける。しかし、その素晴らしい業績の陰で、エドワード・エイヴリング(パトリック・ケネディ)への苦悩に満ちた愛と政治的信念の狭間で引き裂かれていく姿が明らかに。音楽は、アメリカのパンクロック・バンド、ダウンタウン・ボーイズによるカバー曲「インターナショナル」が使用され、クラシック×パンクロックの音楽が紡ぎだす本作の魅力が垣間見える。
ポスタービジュアルは、激しく踊るエリノアの姿に「前へ進め」という力強いキャッチコピーが添えられた疾走感のある鮮烈なビジュアルになっている。
『ミス・マルクス』
9月上旬より、シアター・イメージフォーラム、新宿シネマカリテほか全国順次公開
監督・脚本:スザンナ・ニッキャレッリ
出演:ロモーラ・ガライ パトリック・ケネディ ジョン・ゴードン・シンクレア フェリシティ・モンタギュー フィリップ・グレーニング
配給:ミモザフィルムズ
【ストーリー】 1883年、イギリス。最愛の父カールを失ったエリノア・マルクス(ロモーラ・ガライ)は劇作家、社会主義者のエドワード・エイヴリングと出会い恋に落ちるが、不実なエイヴリングへの献身的な愛は、次第に彼女の心を蝕んでいく。社会主義とフェミニズムを結びつけた草分けの一人として時代を先駆けながら、エイヴリングへの愛と政治的信念の間で引き裂かれていくエリノアの孤独な魂の叫びが、時代を越えて激しいパンクロックの響きに乗せて現代に甦る。
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