山田孝之、佐藤二朗監督作の舞台挨拶で『るろ剣』宣伝!「佐藤つながりということで」

鬼才俳優・佐藤二朗が主宰する演劇ユニット「ちからわざ」で2009年に初演、2014年に再演され演劇界からも絶賛された舞台を、佐藤が監督・原作・脚本さらには自ら出演も果たし、山田孝之主演、仲里依紗、坂井真紀共演で映画化する『はるヲうるひと』が、6月4日より公開中。このほど、6月5日にテアトル新宿にて、公開記念舞台挨拶が行われ、キャストの山田孝之、仲里依紗、坂井真紀、佐藤二朗監督が登壇した。

本作の主演として得太を演じた山田は、「得太をはじめとする寂しい孤独な人たちに寄り添ってくれてありがとうございます」と、舞台挨拶に駆けつけた観客に感謝。続けて「あとは『るろうに剣心』(主演・佐藤健)を観に行ってください」と公開が重なった大作映画の名前を出すと、佐藤から「なんてこと言うんだ!やめろ、本当に」にとツッコまれた。

監督・原作・脚本・出演を兼任した佐藤は「『るろうに剣心』と同じ日になりましたけど、色んな作品があることが豊かなこと。『るろうに剣心』も観ていただいて、毛色の違うこの作品も得がたいと思いますので、両方観てください」としつつ、「なんで私がこんなに『るろうに剣心』何回も言わないといけない!?」と自分でツッコむと、山田から「佐藤つながりということで」と上手くまとめられ、会場からどっと笑い声が響き渡った。

公開を迎えた気持ちについて、山田は「二朗さんが、この作品を生み出してから、得太を含めたみんなは、誰にも触れられずにフワフワ宙を舞っていたような状態で。僕は一瞬、寄り添うことができましたけど、そこからまた得太が一人で可愛そうだなと思っていた」と感慨深け。続けて「今大勢の人が観てくれて、得太を知ってくれて、得太もちょっとくらい気持ちが楽になっていると思う。やっと重荷が取れて、すごいうれしい」とし、「皆さんの気持ちに傷が付いてしまったかもしれませんが、その覚悟を持って観に来てくれたと思うので、救われた感じです」晴れやかな笑顔見せた。

最後に佐藤は「みんなが間違いなく本気でやった作品。『観に行きなよ〜』という感じの映画ではないですが、思ったことを伝えてください」と観客にアピールしてイベントを締めくくった。

『はるヲうるひと』
6月4日(金)より、テアトル新宿ほか全国公開
監督・原作・脚本・出演:佐藤二朗
出演:山田孝之 仲里依紗 今藤洋子 笹野鈴々音 駒林怜 太田善也 向井理 坂井真紀
配給:AMGエンタテインメント

【ストーリー】 その島は、至るところに「置屋」が点在する。本土からは日に二度連絡船が出ており、客の往来の足となっている。住民たちはこの閉塞された島で一生を過ごす。女は客から「外」の話を聞いて思いをはせる。男は、女たちのそんな「夢」を一笑に附して留まらせる。ある置屋にその「三兄妹」はいた。長男の哲雄(佐藤二朗)は店を仕切り、その凶暴凶悪な性格で恐れられている。次男の得太(山田孝之)は哲雄にこびへつらい、子分のようにしたがっている。長女のいぶき(仲里依紗)は、長年の持病を患い床に伏している。ここで働く4人の個性的な遊女たちは、哲雄に支配され、得太をバカにして、いぶきに嫉妬していた。女を売る家で唯一女を売らず、それどころか優遇された箱入り娘。しかも、いぶきはだれよりも美しかった。その美しいいぶきを幼少から見守り寄り添う得太であった…。

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