「服は金の卵を産むガチョウだ」資本主義が生んだ男の栄光と転落『グリード ファストファッション帝国の真実』予告編&ポスタービジュアル

イギリスを代表する奇才マイケル・ウィンターボトム監督が、ファストファッションブランドを経営し、業界トップにまで上り詰めたリチャード・マクリディの栄光と転落を描いた映画『グリード ファストファッション帝国の真実』が、6月18日より公開される。このほど、本作の予告編、ポスタービジュアル、場面写真がお披露目となった。

「グリード=強欲」の意味を持つ本作は、金と欲がすべてのリチャード・マクリディ卿のセレブレティな生活の裏に隠されたファッションビジネスの闇を、イギリスらしい痛烈な風刺とウィットに富んだジョークをふんだんに散りばめ、鋭い視線で暴き出す。

予告編では、富の象徴である日焼けした肌と不自然なまでに輝く歯を見せつけるリチャード・マクリディが、ファストファッション業界の頂点に君臨しながら「服は金の卵を産むガチョウだ」と言い切る。彼の元妻も「彼は駆け引きが好きなの」と評する通り、リチャードにとって大切なことはファッションへの愛ではなく、ただひたすらに“金”。発展途上国の下請け会社には限界を超える低予算でゴリ押ししながら、部下にはパワハラ三昧。まさに最低最悪な経営者の日常が映し出される。自身の還暦パーティーを盛大に開催するために訪れたギリシャ・ミコノス島にやってきたリチャード一行。パーティー演出用に本物のライオンまで用意して、超ド派手にショーアップされた宴が始まる…かと思いきや、招待したセレブリティたちから総スカンをくらい、急いでソックリさんを集めるなど雲行きが怪しくなっていく。「欲張り卿」「インチキ卿」と呼ばれながらも、「俺はなにも恐れない」とうそぶくリチャード。しかし、悲劇はもうすぐそこまで迫っていた…。公開時、イギリスのセレブリティと親交が深いウィンターボトム監督作品ということで、数々の俳優やアーティストがカメオ出演したことでも話題の本作。本映像では、イギリスの人気歌手でプラチナディスク受賞歴もあるピクシー・ロットがリチャードの誕生パーティーで歌う姿も確認することができる。

ポスタービジュアルには、ドヤ顔でランウェイを闊歩するリチャードと、彼に拍手をおくるオーディエンスの姿が収められるが、よく見ると観客に笑顔は無い。誰もが羨む成功者だと思っているのは当の本人だけ、という痛烈な風刺が込められたビジュアルになっている。

『グリード ファストファッション帝国の真実』
6月18日(金)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
監督・脚本:マイケル・ウィンターボトム
出演:スティーヴ・クーガン アイラ・フィッシャー シャーリー・ヘンダーソン エイサ・バターフィールド
配給:ツイン

【ストーリー】 ギリシャ・ミコノス島。ファストファッションのブランド経営で財を成したリチャード・マクリディ(スティーヴ・クーガン)の還暦を祝うため、リチャードの元妻サマンサ(アイラ・フィッシャー)、息子のフィン(エイサ・バターフィールド)、マクリディの母マーガレット(シャーリー・ヘンダーソン)を始めとする一家が集結し、パーティーの準備が進められていく。折しもイギリス当局から脱税疑惑や縫製工場の労働問題を追及されたリチャードは、ド派手にショーアップされたこのイベントでかつての威光を取り戻そうと目論む。しかし湯水のように金を使い、傲慢に振る舞うリチャードと、家族や部下、伝記作家との間には不協和音が生じる…。

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