フランス中の女性が共感した、アニー・エルノーによるベストセラー恋愛小説を、セルゲイ・ポルーニンとレティシア・ドッシュ共演で映画化する『Passion Simple(原題)』が、邦題『シンプルな情熱』として7月2日より公開されることが決定した。
パリの大学で文学を教える教師のエレーヌは、年下で既婚者のロシア外交官アレクサンドルとパーティで知り合い恋に落ちる。昼下がりに、自宅やホテルで逢瀬を重ね、彼との抱擁にのめり込んでゆくエレーヌだったが、彼女が最も恐れていたことが起きてしまう…。
原作は、マルグリット・デュラス賞など、フランスで最も権威ある数々の文学賞に輝き、近年では自身の名前を冠した賞も設立されたフランス現代文学の頂点の一人と称えられる作家アニー・エルノーが1991年に発表した「シンプルな情熱」。ある男性との愛と性に全存在をかけるエルノー自身の実体験が赤裸々に綴られ、日本でも小池真理子、林真理子、山田詠美ら時代をリードし続ける人気作家が熱く支持。自分らしい恋愛を探し求める女性たちを中心に、大反響を巻き起こした。発表当時は不世出の問題作であったが、今では普遍的な傑作として、数多くの女性の生き方に衝撃と影響を与え続けている。
アレクサンドルを演じるのはセルゲイ・ポルーニン。19歳で英国ロイヤル・バレエ団の史上最年少プリンシパルに選ばれた2年後、人気絶頂の真只中で突如として退団を発表。現在は全身にタトゥーをまとう異端のダンサー、そして俳優としての新たなステージを竜巻のごとく席巻中の危険な香りを放つアーティストだ。そしてエレーヌには『若い女』でリュミエール賞有望女優賞を受賞した、実力派のレティシア・ドッシュ。エレーヌを繊細かつ大胆な演技で体現した。
監督は、長編劇映画デビュー作と第2作で続けてカンヌ国際映画祭監督週間に選出されたダニエル・アービッド。原作のスピリットを忠実に映画化することに成功し、本作でも2020年カンヌ国際映画祭に公式選出された。恋に落ちた瞬間のジェットコースターのような躍動感、片時も離せない携帯電話、他の人との約束を入れたくない予定表、一度しか着ない服や下着、不安になると検索してしまう名前…そんな誰もが共感する恋の高揚感と全身を満たす幸福感、そしてその裏側の痛み。恋という名の情熱とは、自分自身を発見し、人生をさらに自由に羽ばたくためのギフトだと教えてくれる、甘く切ない愛と官能の物語が誕生した。
『シンプルな情熱』
7月2日(金)より、Bunkamura ル・シネマほか全国公開
監督:ダニエル・アービッド
原作:アニー・エルノー「シンプルな情熱」
出演:レティシア・ドッシュ セルゲイ・ポルーニン ルー=テモ・シオン キャロリーヌ・デュセイ グレゴワール・コラン
配給:セテラ・インターナショナル
【ストーリー】 パリの大学で文学を教えるエレーヌ(レティシア・ドッシュ)は、あるパーティでロシア大使館に勤めるアレクサンドル(セルゲイ・ポルーニン)と出会い、そのミステリアスな魅力に強く惹かれ、たちまち恋におちる。自宅やホテルで逢瀬を重ねる度に、彼との抱擁がもたらす陶酔にのめり込んでいくエレーヌ。今まで通り、大学での授業をこなし、読書も続け、友達と映画館へも出かけたが、心はすべてアレクサンドルに占められていた。年下で気まぐれ、妻帯者でもあるアレクサンドルからの電話をひたすら待ちわびる日々の中、エレーヌが最も恐れていたことが起きてしまう…。
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