累計発行部数50万部突破を誇り映画化されたミステリー小説「罪の声」の著者である塩田武士が、大泉洋を主人公として当て書きし、表紙モデルにも起用したベストセラー小説を、主演に大泉洋、共演に松岡茉優、佐藤浩市を迎え、吉田大八監督が映画化する『騙し絵の牙』が、3月26日より公開される。このほど、本作の新場面写真がお披露目となった。
大手出版社「薫風社」(くんぷうしゃ)で創業一族の社長が急逝し、次期社長を巡って権力争いが勃発。専務・東松(佐藤浩市)が進める大改革により、雑誌は次々と廃刊のピンチに陥り、会社のお荷物雑誌「トリニティ」の変わり者編集長・速水(大泉洋)も窮地に立たされる。クセモノ揃いの上層部・作家・同僚たちの陰謀が渦巻く中、新人編集者・高野(松岡茉優)を巻き込んだ、速水の生き残りを懸けた“大逆転”の奇策とは?
場面写真には、本作の核となるキャラクターを演じる、佐藤浩市や國村隼、リリー・フランキー、佐野史郎の姿が収められる。文芸誌「小説薫風」はもちろん、薫風社の発展を支えてきた大御所小説家の二階堂大作を演じる國村隼は、本作ではウィッグを付け、個性溢れる衣装を着用。「こんなに髪の毛があったのはいつ以来だろう(笑)」と毎日メイクが楽しかったという。クランクイン前に偶然作家たちに会える機会があって参加したところ、原作で描かれる二階堂大作のような人たちがいて「リアルなんだ!」と思ったそうで、「(二階堂大作役を)やってみるのも面白いな」と感じたと語る。
薫風社専務の東松龍司(佐藤浩市)や、雑誌「トリニティ」編集⻑の速水輝(大泉洋)と何かと対立する関係の薫風社常務の宮藤和生を演じる佐野史郎。場面写真には、宮藤が記者会見でマスコミ陣にブチ切れる姿が。吉田組からのオファーを聞いた時に「これはやらなきゃ!」と本作に出会えた喜びを強く感じたと振り返った。脚本については「二度、三度、四度、五度読む度に、『おや?』と引っかかるセリフが必ず一つ出てくるんです。全体の構造が正反対に読めたり」と語り、「(演じた宮藤の)内心は(速水らと敵対するだけじゃなく)正反対じゃないかなと読む度に強く感じてきました」と思いながらも「それを表すと本末転倒になるので、そのさじ加減が面白く、モノを作っている実感がある」と吉田組の現場を楽しんだという。
“謎の男”を演じるリリー・フランキーは、吉田大八監督と同い年で、同じ九州出身、同じタイミングで東京に出てきて、観に行ったコンサートや読んだ本も被っている。「いつも浮浪者か殺人⻤の役をやっていますから、今回の役は新鮮でした」と“謎の男”について語る。主演の大泉洋については、「洋ちゃんがいると、あんなに圧の無い支配力というか、洋ちゃんの作品の空気や色になっていくというか。北海道のローカルテレビなんじゃないのかなっていう独特の支配感がある希有な俳優ですね」と口にした。
薫風社専務として、速水と組んで次々に施策を仕掛けていく東松龍司を演じる佐藤浩市。場面写真には、人を緊張させる佐藤の独特のオーラに大泉洋が思わず「オーラ怪獣」と名付けてしまったことに納得がいくほど、渋すぎる東松の姿が。東松は実は原作にはおらず、映画オリジナルのキャラクターだ。「『ステレオタイプな敵役じゃなくていいですね?』と吉田監督にもうかがって、敢えて分かりやすい敵役にはしていません。これが形になった時にどうなるか楽しみです」とコメントした。
『騙し絵の牙』
3月26日(金) 全国ロードショー
監督・脚本:吉田大八
原作:塩田武士「騙し絵の牙」
脚本:楠野一郎
出演:大泉洋 松岡茉優 宮沢氷魚 池田エライザ 斎藤工 中村倫也 坪倉由幸 和田聰宏 石橋けい 森優作 後藤剛範 中野英樹 赤間麻里子 山本學 佐野史郎 リリー・フランキー 塚本晋也 國村隼 木村佳乃 小林聡美 佐藤浩市
配給:松竹
【ストーリー】 大手出版社「薫風社」に激震が走る。かねてからの出版不況に加えて創業一族の社長が急逝、次期社長を巡って権力争いが勃発。専務・東松(佐藤浩市)が進める大改革で、雑誌は次々と廃刊のピンチに。会社のお荷物雑誌「トリニティ」の変わり者編集長・速水(大泉洋)も、無理難題を押し付けられて窮地に立たされる…。が、この一見頼りない男、実は笑顔の裏にとんでもない“牙”を秘めていた。嘘、裏切り、リーク、告発。クセモノ揃いの上層部・作家・同僚たちの陰謀が渦巻く中、新人編集者・高野(松岡茉優)を巻き込んだ速水の生き残りを懸けた“大逆転”の奇策とは!?
©2021「騙し絵の牙」製作委員会