田中圭「人間の弱い・脆い部分とかが面白い。『ジョーカー』と一緒」『哀愁しんでれら』クランクアップコメント映像

新鋭・渡部亮平監督が、土屋太鳳を主演、田中圭を共演に迎え自身のオリジナル脚本で贈るサスペンス『哀愁しんでれら』が、2月5日より公開される。このほど、本作がクランクアップを迎え、田中圭が作品の見どころや演じた役柄について語るコメント映像がお披露目となった。

本作は、TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2016グランプリ受賞作品。市役所に勤める平凡な女性・福浦小春は、一晩で怒涛の不幸にあい、すべてを失ってしまう。人生を諦めようとしていた彼女だったが、優しく、裕福で、王子様のような、8歳の娘を男手ひとつで育てる開業医、大悟と出会う。彼のプロポーズを受け入れ、不幸のどん底から一気に幸せの頂点へ。まさにシンデレラとなった彼女は、夫と娘と共に新婚生活を始めるのだが、ある日、前代未聞の凶悪事件を起こしてしまう…。

クランクアップ時に撮影された映像で「すごい面白い脚本だと素直に思いましたし、向き合い甲斐のある役だと思いました」と語る田中は、劇中で主人公の小春が運命的な出会いを果たす開業医・泉澤大悟役を演じる。いわばシンデレラにおける“王子様”的な役回り。しかし、そんな本作の王子様には変わった一面があり、「なんかもうちょっと変わり者だったり、サイコパスだったりとか、そういうところを押し出していった方が良いのかなと思って、(脚本を)読んでいたんですけど、現場に入って、監督の話とかイメージとか聞いていると『あ、多分そうじゃないんだな』って。比較的ナチュラルにやっているつもりなんですけど、まあ、変なところも確実にあるし…」とコメント。さらに田中は見どころについて、「起きていることって、結末に向けてバッドエンドというか、どんどんどんどん悪い方向に進んでいく話なんですけど。でも実はすごい良い方向に進んでいたかもしれない話で。じゃあ、なぜ悪い方向に進んでいったんだろうってひとつひとつ考えていった時に、実は正解がないんですよね。その場その場でその人ができる最善の選択であったりとか、逆に“そうするしかなかった”っていう選択だったりとか、誰が悪いわけでもないんだけど。ただただ人生のいろんな選択の中で最善を選んできていたはずなのに、ゴールがそこに行き着いてしまっていることの人間の弱い部分や脆い部分とか、そういうのがすごい面白いと思っていて。それこそ『ジョーカー』と一緒だなと僕思ったんで。小春ってジョーカーみたいなもんだなと」と2019年に製作されたアメリカ映画『ジョーカー』を引き合いに出し、独自の解釈を語り、最後には「ま、なんだかんだ言いましたけど好きに観てください」と観客にメッセージを送った。

『哀愁しんでれら』
2月5日(金) 全国公開
監督:渡部亮平
出演:土屋太鳳 田中圭 COCO 山田杏奈 ティーチャ 安藤輪子 金澤美穂 中村靖日 正名僕蔵 銀粉蝶 石橋凌
配給:クロックワークス

【ストーリー】 児童相談所で働く小春(土屋太鳳)は、自転車屋を営む実家で父と妹と祖父と4人暮らし。幸せでも不幸せでもない平凡な毎日を送っていた。しかしある夜、怒涛の不幸に襲われる。祖父が倒れ、車で病院に向かうも事故に遭い、父が飲酒運転で連行され、火の不始末が原因で自宅は火事になり、家業は廃業に追い込まれ、彼氏の浮気を目撃(しかも相手は自分の同僚)…一晩ですべてを失う。そんな時に出会ったのが、8歳の娘・ヒカリ(COCO)を男手ひとつで育てる開業医の大悟(田中圭)。優しく、裕福な大悟は、まさに王子様のよう。彼のプロポーズを小春は受け入れ、不幸のどん底から一気に幸せの頂点へ。しかしその先には、想像もつかない日々が待っていた…。

©️2021 『哀愁しんでれら』製作委員会