「霧のむこうのふしぎな町」や「地下室からのふしぎな旅」など、長年にわたり愛され続けるベストセラー群を世に送り出した柏葉幸子による同名小説をアニメ映画化する『岬のマヨイガ』が、2021年に公開されることが決定した。併せて、ティザーPV、ティザービジュアル、場面写真がお披露目となった。
居場所を失った17歳の少女。彼女が辿り着いたのは、どこか懐かしさと共に温かみを感じさせる、海の見える古民家“マヨイガ”だった。それは、“訪れた人をもてなす家”という、岩手県に伝わるふしぎな伝説。血のつながりがない新しい家族たちとの、ふしぎだけどあたたかい共同生活が、新しい居場所“岬のマヨイガ”でいま始まる。
原作は、宮崎駿監督によって1989年にアニメ映画化された「魔女の宅急便」や、フジテレビ“ノイタミナ”枠ほかで2016年にTVアニメ化された「バッテリー」などが歴代受賞作であることでも知られる「野間児童文芸賞」を2016年に受賞した、柏葉幸子による小説「岬のマヨイガ」。「のんのんびより」「サクラダリセット」の川面真也監督、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」『若おかみは小学生!』の脚本家・吉田玲子、「ジョジョの奇妙な冒険」「はたらく細胞」の制作会社david productionなど豪華スタッフ陣が映画化に挑む。
ティザーPVでは、物語の舞台である岩手の緑豊かで美しい自然、誰もが懐かしさを覚える古民家、凛とした表情の少女、そしてそれぞれ雰囲気の異なる3足の靴が映し出される。ナレーションは岩手県出身のフジテレビアナウンサー・久慈暁子が担当している。
ティザービジュアルには、きらめく海と美しい緑の鮮やかなコントラスト、そして岬にひとり佇む強い眼差しが印象的な少女が描かれる。「子狐岬、4SLDK、平屋一戸建て」のキャッチコピーが、ここから始まる少女の“ふしぎな新生活”への期待を膨らませる。
▼スタッフ コメント
■柏葉幸子(原作)
東日本大震災から十年がたとうとしています。あの恐ろしさ、悲しさ、辛さを、被災されたみなさんには、はやく忘れて欲しいと願い、忘れてはいけないと自分に言い聞かせるという日々だったと思います。被災地といえば三陸でしたのに、この十年の間に、日本中に被災地と呼ばれる地があり、今はコロナ禍です。心の中に明るい思いが欲しいです。遠野物語のマヨイガは、山で道に迷った人をマヨイガが幸せにするというお話です。本家のマヨイガのように、『岬のマヨイガ』も、出会った人を幸せにしてくれるはずです。明るい幸せな思いで心が満たされる。そんな素敵なアニメーション映画にしてくださると確信し、感謝しております。狐崎のマヨイガに会いに行ってください。
■川面真也(監督)
おいしいごはんと、隣にいる人の笑顔。いい香りのお茶と、楽しい会話。家族という言葉に縛られない、あたたかなつながり。『岬のマヨイガ』はその心地よさを必要とする人たちが出会う家です。疲弊した心に弾力をつけて、自立へと踏み出す場所です。ぜひ劇場で柔らかな風景と音楽に包まれて、彼女たちと一緒にマヨイガへと足を踏み入れてみてください。
■吉田玲子(脚本)
今に迷い、未来に迷い、過去にも迷いを残しながら、人は生きているのかもしれません。原作を拝読し、そんなことを考えました。迷いながらも、ここから始めたい…ここに戻ってきたいと思える、家のような作品になればと思っております。
■久慈暁子(ティザーPV ナレーション/フジテレビアナウンサー)
鮮やかな緑の中の大きな茅葺き屋根の家。土間に靴を脱ぎ捨て、畳の上で寝そべる少女に、岩手出身である自分の姿を重ねました。まるで草の香りや川のせせらぎまで聞こえてくるようです。様々な伝説が生活の中に溶け込み、私たちを優しく包み込んでくれる岩手の自然を舞台にした作品のPVナレーションを担当させていただき、とても嬉しく思っています。
『岬のマヨイガ』
2021年 全国公開
監督:川面真也
原作:柏葉幸子「岬のマヨイガ」
脚本:吉田玲子
制作:david production
配給:アニプレックス
【ストーリー】 居場所を失った17歳の少女。彼女が辿り着いたのは、どこか懐かしさと共に温かみを感じさせる、海の見える古民家“マヨイガ”だった。それは、“訪れた人をもてなす家”という、岩手県に伝わるふしぎな伝説。血のつながりがない新しい家族たちとの、ふしぎだけどあたたかい共同生活が、新しい居場所“岬のマヨイガ”でいま始まる。
©︎柏葉幸子・講談社/2021「岬のマヨイガ」製作委員会