芥川賞と文藝賞をダブル受賞した若竹千佐子のベストセラー小説を、田中裕子が15年ぶりとなる主演をし、蒼井優が共演する、沖田修一監督作『おらおらでひとりいぐも』が、今秋に公開される。このほど、追加キャストとして、東出昌大、濱田岳、青木崇高、宮藤官九郎らが出演することが発表され、併せて、ポスタービジュアルがお披露目となった。
新たなキャストとして、数年前に亡くなった夫・周造役に東出昌大が扮する。そして、夫に先立たれた後、ひとり家でお茶をすすり図書館で借りた古代生物や地球の歴史についての本を読む…そんな生活を送る中で、突如、心の内から外に沸き上がってきた桃子さんの“心の声”を濱田岳、青木崇高、宮藤官九郎が演じる。それぞれ寂しさ1、2、3という役名で、桃子さんの分身としてユーモラスでコミカルな演技で魅了する。さらに、田畑智子、黒田大輔、山中 崇、岡山天音、三浦透子、六角精児、大方斐紗子、鷲尾真知子ら豪華俳優陣も集結し、エネルギッシュな桃子さんの日常を彩る。
桃子さんの言葉である「ひとり暮らしの桃子さん。おらの今は、こわいものなし。」というコピーが添えられたポスタービジュアル。桃子さんの部屋からひょっこり顔を出しているのは、にこやかに微笑みかける蒼井演じる若かりし日の桃子さんと、桃子さんの“心の声”である“寂しさ”の3人。ビジュアルには、過去の自分と心の声=“5人の桃子さん”が同居し、ひとり暮らしで孤独な日々だったはずが、いつのまにかユーモラスで賑やかになった桃子さんの生活が収められる。また、POPEYE、BRUTUSの表紙などで活躍するイラストレーター・高橋将貴によるマンモスや仙人、アノマロカリスのイラストが印象的に配置され、桃子さんの日常とどのような関わりを持つのか期待が高まる。
▼キャスト コメント
■東出昌大(桃子さんの夫・周造役)
沖田監督の映画が大好きで、いつかご一緒したいと思っていました。素晴らしい台本でしたし、田中裕子さんが主演されると伺って一も二も無く飛びついた次第です。オファーをいただけて、すごくうれしかったです。撮影現場では、濃厚で暖かな時間を過ごさせて頂きました。冷え切った桃子さんの手を取り、少しでも暖める事が出来た事に、至上の喜びを感じていました。
■濱田岳(寂しさ1役)
映画作りへの愛が常に溢れ出ている沖田監督のもと、尊敬する田中裕子さんのお芝居を間近で見れ、そして台詞のやり取りをすることができ、宮藤さん青木さんと心強いお二人のお力で、本当に幸せな時間を過ごす事が出来ました。沖田監督の優しいお人柄が溢れる、素敵な作品になっています。ぜひお楽しみください。
■青木崇高(寂しさ2役)
二度目の沖田組でしたが、衣装合わせから温かい現場でした。田中さん、濱田くん、宮藤さんと歌ったり踊ったり騒いでたら撮影が終わってました。本当にそんな感じでした。毎日、素敵なみなさんと居られてとても楽しかったです。ありがとうございました。
■宮藤官九郎(寂しさ3役)
本当に楽しかったです。映画に出た、役を演じたというより、濱田岳くんと青木崇高くんと僕とで、沖田監督の世界の中で遊ばせてもらったという記憶しかありません。田中裕子さんの懐の深さと、決して揺るがない芯の強さが現場を支えていたように思います。心の声を演じる蒼井優さんが、台本片手にずっとセットの隅っこでうずくまっている姿にも涙が出そうになりました。そういうムードが、映像に焼きついていると信じて、今はただただ完成を心待ちにしています。
『おらおらでひとりいぐも』
今秋 全国公開
監督・脚本:沖田修一
原作:若竹千佐子「おらおらでひとりいぐも」
出演:田中裕子 蒼井優 東出昌大 濱田岳 青木崇高 宮藤官九郎 田畑智子 黒田大輔 山中崇 岡山天音 三浦透子 六角精児 大方斐紗子 鷲尾真知子
配給:アスミック・エース
【ストーリー】 主人公は、75歳でひとり暮らしをしている“桃子さん”(田中裕子)。1964 年、生まれ故郷を飛び出し、身ひとつで上京してから55年。同じ方言を話す周造と出会い、結婚し主婦となり二人の子供を育て、やっと夫婦水入らずの平穏な日々が送れると思っていた。そんな矢先、突然夫に先立たれ、桃子さんはひとり孤独な日々を送ることに…。しかし、ひとり家でお茶をすすり、図書館で借りた本を読み、46億年の歴史に関するノートを作るうちに、万事に問いを立ててその意味を探求するようになる。すると、桃子さんの“心の声=寂しさたち”が、ジャズセッションに乗せて故郷の言葉で内から外に湧き上がってきた!桃子さんの生活は、現在と過去を行き来し、いつのまにか“寂しさたち”との賑やかな毎日に変わっていく。
© 2020「おらおらでひとりいぐも」製作委員会