沖縄戦を体験者の証言、記録フィルムを交えて紹介『ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶』7月公開!

沖縄戦とはどんなものだったかを、その当時を知る体験者、専門家の証言を中心に、米軍が撮影した記録フィルムを交えて紹介していくドキュメンタリー『ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶』が、7月25日より公開されることが決定した。併せて、予告編とポスタービジュアルがお披露目となり、監督の太田隆文とナレーションを務めた斉藤とも子よりコメントが寄せられた。

日本国内で唯一、地上戦が行われた沖縄戦。それを描いた映画やドラマは少なく、学校の授業でも駆け足で終わる。そのため多くの日本人は沖縄戦をほとんど知らない。それは子供たちには伝えられない凄惨と絶望。そして禁断の背景があるのではないか?当時、負け続けていた日本軍は本土決戦準備の時間稼ぎのため、沖縄を捨て石にした。十分な兵力と武器も送らず、米軍50万8千人に対して、日本軍は11万6400人。「1人が5人殺せば勝てる!」と精神論で戦わせた。さらに足りない兵を補充するため、沖縄県民の14歳から70歳まで、徴兵されていない女性、子供、老人をも徴用し、戦闘協力を強制した。結果、全戦没者20万656人の内、沖縄県出身者12万2282人。当時の人口で言えば3人に1人が死んだことになる。さらには、軍の強制による集団自決が行われた。死に切れない子供を親が自ら手を下し殺す。そんな地獄絵が展開した。

本作では、その当時を知る体験者、専門家の証言を中心に、米軍が撮影した記録フィルムを交え、上陸作戦から戦闘終了までを紹介していく。2019年12月9日、10日に行われた沖縄での完成披露上映会には1000人を超える県民が来場した。

監督を務めるのは、原発事故の悲劇を描いた劇映画『朝日のあたる家』で話題となった太田隆文。原発事故に続き、沖縄戦をドキュメンタリーで描く。ナレーションは、1945年にソ連軍が侵攻してきた満州で弾を受け、麻酔なしに弾を取り出したという体験を持つベテラン俳優の宝田明と、「青春ド真中!」などで女優として人気を博し、東洋大学大学院で書いた論文を元に「きのこ雲の下から、明日へ」を上梓した斉藤とも子が担当する。

■太田隆文(監督) コメント
7年前に監督した「朝日のあたる家」は原発事故の悲劇を描いた劇映画。徹底して原発問題を取材した。そこで見えてきた推進派の暴挙。安全対策を忘れ突き進み、事故が起こっても収束より、隠蔽に力を入れる。今回の『ドキュメンタリー沖縄戦』の3年に渡る取材時に同じ構図を感じた。沖縄住民の安全、命の危険性を顧みない戦闘。それどころか住民に犠牲を強いる軍。負け続きなのに大本営は事実を国民に伝えない。そこに現在のコロナ禍もダブる。政府は国民に自粛や犠牲を強いながら、後手後手の対策。原発事故も、コロナ感染対策も、そして沖縄戦も全く同じ構図。そんな沖縄戦を見つめることで、様々なことが見えてくる。沖縄の完成披露上映会は大盛況。「ぜひ、全国で上映して欲しい」との多くの声が寄せられた。コロナ禍で上映中止も有り得るが、戦後75年の今、何とか多くの人に見て欲しい。

■斉藤とも子(ナレーション) コメント
沖縄戦を体験された方の証言が、胸に迫ります。沖縄で、何があったのか…。そしてそれは、今も続いていると思ってなりません。これは、私たちの問題です。どうか、見てください。

『ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶』
7月25日(土)より、新宿K’s cinemaほか全国順次公開
監督:太田隆文
ナレーション:宝田明 斉藤とも子
出演:上江洲安昌 知花治雄 上原美智子 照屋勉 長浜ヨシ 川満彰 比嘉キヨ 佐喜眞道夫 真栄田悦子 座間味昌茂 松田敬子 島袋安子 山内フジ 瑞慶覧長方 平良啓子 吉浜忍 平良次子 吉川嘉勝 知花昌一
声の出演:挧野幸知 嵯峨崇司 水津亜子
配給:渋谷プロダクション

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