東出昌大「ここに居合わせる選択はなかった」映画イベント終了後、不倫騒動の謝罪会見も

1969年5月13日、東京大学駒場キャンパス900番教室で行われた、作家の三島由紀夫と東大全共闘との伝説の討論会の様子を切り取ったドキュメンタリー映画『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』が、3月20日より公開される。このほど、3月17日にスペースFS汐留にて公開直前トークイベントが実施され、豊島圭介監督とナレーターを務めた東出昌大が登壇した。

本作は、伝説となった「三島由紀夫vs東大全共闘」の記録を高精細映像にリストアし、当時の関係者や現代の文学者、ジャーナリストなどの識者のほか、三島由紀夫についての“生きた”証言を集め、その全貌が明らかとなるドキュメンタリー。

監督からメールで本作のオファーを受け、「心が踊った」という東出。「三島由紀夫は将来の日本人を憂いていた。監督のメールにも現代の状況を憂う言葉があった。それに共鳴して」本作のナレーションに臨んだという。

三島文学の大ファンだという東出は、特に好きなタイトルを聞かれると、「全部好きなので一概には言えない」と悩みつつ、「音楽」と「美しい星」を挙げ、「この2冊は、三島文学の中では読みやすい方」と映画ファンにアピール。三島文学の魅力については「絢爛豪華な文章は素晴らしいと思う」と語った。

全共闘について話が及ぶと「僕が10代、20代で持ち合わせていた気概とは雲泥の差。その熱量に感動を覚えた」と東出。もし討論会の場にいたら、三島由紀夫にどんな質問をしたいかを聞かれると「僕は10代後半から20代前半に、あの頃の感性でここに居合わせる選択はなかった。全共闘の学生ほど考えていなかった」とし、「もしあの場に居合わせたならば、三島由紀夫に圧倒されて、心酔していたと思う」と語った。

今年1月に、女優唐田えりかとの不倫が報じられて以来、公の場に出るのは初となった東出は、イベント終了後に報道陣の囲み取材に応じた。「この度はお仕事の関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけして誠に申し訳ありませんでした。本来、最も謝罪しなければいけないのは妻に対してだと思っております。妻には直接、謝罪の気持ちを伝えてまいりたいと思います」と、別居中の妻で女優の杏や、関係者に謝罪。子どもたちとは「別居してから会えていない」そうで、「毎晩のようにビデオ通話をしてくれて、子供は小さいので携帯を操作できない。妻が変わってくれて…」と現在の状況を明かしていた。

『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』
3月20日(金) 全国公開
監督:豊島圭介
企画プロデュース:平野隆
出演:三島由紀夫 芥正彦(東大全共闘) 木村修(東大全共闘) 橋爪大三郎(東大全共闘) 篠原裕(楯の会1期生) 宮澤章友(楯の会1期生) 原昭弘(楯の会1期生) 椎根和(平凡パンチ編集者) 清水寛(新潮社カメラマン) 小川邦雄(TBS記者) 平野啓一郎 内田樹 小熊英二 瀬戸内寂聴
ナビゲーター:東出昌大
配給:ギャガ

【作品概要】 1968年に大学の不正運営などに反対した学生が団結して始まった全国的な学生運動、特に最も武闘派と言われた東大全共闘に、言葉とペンを武器にする文学者・三島由紀夫は単身で乗り込んだ。伝説となった「三島由紀夫VS東大全共闘」の記録を高精細映像にリストアし、当時の関係者や現代の文学者、ジャーナリストなどの識者のほか、三島由紀夫についての“生きた”証言を集め、約50年の時を経た今、ついにその全貌が明らかになる。

©2020 映画「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」製作委員会