宮沢氷魚「季節くんの熱や愛を感じて、また作品を観たくなった」、藤原季節「宮沢氷魚が迅で良かった。氷魚くんありがとう!」

宮沢氷魚が映画初主演を務め、共演に藤原季節を迎えた、『愛がなんだ』の今泉力哉監督最新作『his』が、1月24日より公開中。このほど、2月7日に新宿武蔵野館にてヒット御礼舞台挨拶イベントが行われ、宮沢氷魚と藤原季節が登壇した。

はじめに、主演の宮沢が「平日の夜に観に来てくれてありがとうございます。公開して2週間経ちますが、またこうして皆さんのお顔を見ることが出来て嬉しいです」と挨拶。続けて、藤原は「今日実は自分も『his』を観てきました」と明かし、「『his』が公開してからたくさんの意見がありましたが、(劇中の)迅や渚や玲奈や空の生活はこれからもずっと続いていくんだなって思いました。いろいろな意見があるかもしれませんが、僕たちはまっすぐな気持ちでこの作品に向き合って演じてきましたし、迅と渚というキャラクターを僕たちは最後まで信じてあげたいなと思います。これからも『his』をどうぞ宜しくお願いします」と感極まり涙ながらに作品へ込めた想いを語り、隣にいた宮沢がそっとティッシュを渡すと笑顔を取り戻した。そんな藤原に対し宮沢は、「季節くんの熱や愛を感じて、自分もまた作品を観たくなった」と話し、客席に向かって「映画はどうでしたか?」と投げかけると、上映終了直後の観客から大きな拍手が巻き起こった。

その後、本来二人でフリートークを予定していたのだが、藤原が「質疑応答の形をとってもいいですか?」と提案。急遽観客へ質問を募集したところたくさんの手が挙がり、「映画を観る前にドラマ版も観ていた」という観客から「お二人はドラマ版を観ていましたか?」と問われると、宮沢は「ドラマの世界観をリスペクトしつつ、それに引っ張られたくないという思いもあって、(ドラマの)台本は読んでイメージはしていたもののクランクイン前には観ていないです」と回答。すると藤原も「奇しくも全く一緒」だということ、さらに「最近になってお互いに観ていなかったことが判明した」と話し、撮影前から役に挑む姿勢が共通していたことが明らかに。また、子どもがいるという観客から「藤原さん演じる渚と空ちゃんが本当の親子みたいに自然で驚いたのですが、藤原さんお子さんはいないですよね…?」という質問があがると会場は笑いに包まれ、藤原も「いないいない!」と笑って否定した。

ここで、サプライズで本作のメガホンをとった今泉力哉監督から二人へメッセージが。「映画『his』がここまで愛される作品になったのは、ひとえにお二人のまっすぐな芝居、ある種の不器用さ、また芝居以前の人としての真摯さや魅力があったからだと思います。とにかくこの作品は二人が迅であり、渚でなかったらこういう映画にはなっていなかったと思います。またご一緒できることを心から望んでいます」と監督からの愛ある言葉が読まれると、宮沢は「率直にすごく嬉しいです」と感想を述べ、「一つの代表作というか、それくらい愛のこもった作品になったのは今泉監督をはじめみなさんのおかげだと思いますし、感謝の気持ちでいっぱいです」と思わず涙ぐんだ。また、監督からのメッセージを胸に手を当てながら聞いていた藤原は「同じです!」とこれ以上は言葉を詰まらせ、二人は熱い握手を交わし互いの健闘を称えあった。

最後に、宮沢は「公開して2週間が経ちましたが、映画『his』の旅、使命は始まったばかりだと思います。今、毎日どれくらいの方たちに作品が届いているかチェックするのが日課になっています。そんな作品に出会えたということはとても幸せなことで、僕たちは恵まれているなと思います。もっともっと多くの人に観てもらって、もっともっといろんな意見を聞いてみたいです」と挨拶し、藤原は一言「宮沢氷魚が迅で良かったです。氷魚くんありがとう!!」と宮沢への感謝を笑顔で伝えてイベントは締めくくられた。

『his』
1月24日(金)より、TOHOシネマズ 日本橋ほか全国公開中
監督:今泉力哉
企画・脚本:アサダアツシ
音楽:渡邊崇
主題歌:Sano ibuki「マリアロード」
出演:宮沢氷魚 藤原季節 松本若菜 松本穂香 外村紗玖良 中村久美 鈴木慶一 根岸季衣 堀部圭亮 戸田恵子
配給:ファントム・フィルム

【ストーリー】 井川迅(宮沢氷魚)は周囲にゲイだと知られることを恐れ、ひっそりと一人で田舎暮らしを送っていた。そこに、6歳の娘・空を連れて、元恋人の日比野渚(藤原季節)が突然現れる。「しばらくの間、居候させて欲しい」と言う渚に戸惑いを隠せない迅だったが、いつしか空も懐き、周囲の人々も3人を受け入れていく。そんな中、渚は妻・玲奈(松本若菜)との間で離婚と親権の協議をしていることを迅に打ち明ける。ある日、玲奈が空を東京に連れて戻してしまう。落ち込む渚に対して、迅は「渚と空ちゃんと3人で一緒に生きていたい」と気持ちを伝える。しかし、離婚調停が進んでいく中で、迅たちは、玲奈の弁護士や裁判から心ない言葉を浴びせられ、自分たちを取り巻く環境に改めて向き合うことになっていく…。

©2020 映画「his」製作委員会