クリント・イーストウッド「日本の皆さん、あけおめ」2020年元旦を迎えた日本ファンへメッセージ!『リチャード・ジュエル』

1996年にアトランタ・オリンピックで起こった爆破テロ事件の容疑者と、その真実を追う弁護士の実話を映画化した、クリント・イーストウッド監督最新作『リチャード・ジュエル』が、1月17日より公開される。このほど、2020年元旦を迎えた日本のファンに向けて、イーストウッドよりニューイヤー・メッセージが寄せられた。

クリント・イーストウッドは「日本の皆さん、あけましておめでとうございます。映画『リチャード・ジュエル』は、96年アトランタ爆破事件の実話です。全国民が敵になってしまった英雄の物語を世界に伝えたいです」と日本のファンへメッセージを寄せた。

本作は、1996年のアトランタ・オリンピックで起こった爆破テロ事件の“真実”を描くサスペンスドラマ。1996年、アトランタ・オリンピック開催中に爆破テロ事件が勃発。不審なバックを発見した警備員リチャード・ジュエルの迅速な通報によって多くの人命が救われたが、爆弾の第一発見者であることでFBIから疑われ、第一容疑者として逮捕されてしまう。ジュエルの窮地に立ち上がった弁護士のワトソン・ブライアントはこの捜査に異を唱えるのだが、FBIとマスコミ、そして約3億人のアメリカ全国民が立ちはだかる。

イーストウッドの心をとらえたのは、リチャードがどこにでもいる普通の男だったことだ。国家に対して忠誠心を持ち、ただ一人の母を愛し、ただ人のためになる行動をしようとした男。「だからこそ、私はこの映画を作りたかった。潔白なリチャードの名誉を挽回するためにね。英雄的な行動によって大きな犠牲を払う羽目になり、彼は世の中から見捨てられたんだ」と思いを寄せる。リチャードの警備員の潔白は、事件発生から6年後の真犯人逮捕まで晴れることはなかった。だが、イーストウッドは「人は情報をきちんとまとめて考えない。6年後に真犯人が現れ、罪を告白し、逮捕されたということと、リチャードの潔白を人々はつなげて考えない」と語る。一度報道された“爆弾犯”というレッテルは、容易に払拭することができないのだ。

「冤罪弁護士」筆者で弁護士の今村核は、日本でも他人事ではないと指摘し、「見ごたえある、カタルシス溢れる作品。被疑者にされる恐怖。刑事裁判において有罪率99.9%という日本社会においても、他人事とは思えない。私にとっては『被疑者を信じること』、非常に共感できる部分も多かったです」とコメントする。SNSが人々の生活に根付いた今、姿なき誹謗中傷が蔓延する現代社会で“今”起こっていることに似ている。一つのつぶやきが瞬く間に拡散し、誰もが“被害者”、あるいは“加害者”にもなりえる時代を生きる我々に対するイーストウッドからの警鐘となるメッセージなのだ。イーストウッドは、こんな時代だからこそ「この映画を観て、観客にはこの現実を知ってほしい。また、社会として、我々はもっとましな行動をとれるのではないかということにも気づいてほしい。その“気づき”が、リチャードが我々に与えてくれた教訓だとすれば、素晴らしいことであり、それこそ“英雄”なんだ」と語る。

『リチャード・ジュエル』
1月17日(金)より全国ロードショー
監督・製作:クリント・イーストウッド
製作:ティム・ムーア ジェシカ・マイヤー ケビン・ミッシャー レオナルド・ディカプリオ ジェニファー・デイビソン ジョナ・ヒル
脚本:ビリー・レイ
出演:サム・ロックウェル キャシー・ベイツ ポール・ウォルター・ハウザー オリビア・ワイルド ジョン・ハム
配給:ワーナー・ブラザース映画

【ストーリー】 1996年、アトランタ・オリンピック開催中に爆破テロ事件が勃発。不審なバックを発見した警備員リチャード・ジュエル(ポール・ウォルター・ハウザー)の迅速な通報によって多くの人命が救われた。だが、爆弾の第一発見者であることでFBIから疑われ、第一容疑者として逮捕されてしまう。ジュエルの窮地に立ち上がった弁護士のワトソン・ブライアント(サム・ロックウェル)は、この捜査に異を唱えるのだが…。

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