ヴィクトル・ユーゴーの傑作「レ・ミゼラブル」で知られるパリ郊外のモンフェルメイユを舞台に現代が抱える闇をリアルに描く、第72回カンヌ国際映画祭で審査員賞に輝いたフランス映画『レ・ミゼラブル』が、2020年2月28日より公開される。このほど、本作の予告編とポスタービジュアルがお披露目となった。
第72回カンヌ国際映画祭で審査員賞に輝いた本作は、第92回アカデミー賞国際長編映画賞のショートリスト(ノミネート前の最終候補リスト)入りを果たし、第77回ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞ノミネートなどをはじめ各国の映画祭や賞レースを席巻中。先月公開された本国フランスでは、公開からわずか17日で同国の観客動員数100万人を突破し、マクロン大統領も本作を鑑賞。自国が抱える問題をリアルに描いた本作に反応し、政府に「映画の舞台となった地域の生活条件を改善するためのアイデアを直ちに見つけて行動を起こす」よう求めたという。
犯罪多発地区となっているパリ郊外のモンフェルメイユの警察署の犯罪防止班に、地方出身のステファン(ダミアン・ボナール)が配属される。彼はこの街が「レ・ミゼラブル」の舞台であることを知り、同僚の行き過ぎた捜査を制止するなどインテリで自制心を持っていた。一方、彼とコンビを組むことになるのは、未成年に対して度々粗暴な言動をとり気性の荒いクリス(アレクシス・マネンティ)と、「尊敬されているのは俺たちだけだ」と警官である自分の“力”を信じて疑わないグワダ(ジェブリル・ゾンガ)の二人。3人は名コンビには程遠かった。予告編では、一人の少年が街に滞在するサーカス団のライオンの子どもを盗むという“些細ないたずら”が、それまで均衡を保っていた街のグループ同士による対立の引き金となり、次第にステファンたち自身が窮地に追い込まれていく。“何か”を撮影していたドローンの存在、少年を追って街じゅうを激走するステファンたち、3人を待ち受ける少年たちの反撃が徐々に過激化していく様子、「怒ることでしか表現する方法がない」という警官に向けられるショッキングなセリフなど、この街が“ミゼラブル(悲惨)”な様相を呈していくさまを、圧倒的な緊迫感と躍動感をもってスタイリッシュに映し出す。
ポスタービジュアルには、凱旋門の前に集った大勢の市民がサッカーワールドカップでフランス代表の優勝に歓喜する、映画のオープニングにして群衆のパワーを感じさせる印象的なシーンが切り取られた。「権力者vs民衆 猛烈なエネルギー!!」(SCREEN)、「心臓が止まるほどの、衝撃のラスト!!」(BBC)など、各国メディアがこぞって絶賛するこの問題作の衝撃の結末は、我々に何を問いかけるのか?
『レ・ミゼラブル』
2020年2月28日(金)より新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国ロードショー
監督・脚本:ラジ・リ
出演:ダミアン・ボナール アレクシス・マネンティ ジェブリル・ゾンガ ジャンヌ・バリバール
配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
【ストーリー】 パリ郊外に位置するモンフェルメイユ。ヴィクトル・ユーゴーの小説「レ・ミゼラブル」の舞台でもあるこの街も、いまや移民や低所得者が多く住む危険な犯罪地域と化していた。犯罪防止班に新しく加わることとなった警官のステファン(ダミアン・ボナール)は、仲間と共にパトロールをするうちに、複数のグループ同士が緊張関係にあることを察知する。そんなある日、イッサという名の少年が引き起こした些細な出来事が大きな騒動へと発展。事件解決へと奮闘するステファンたちだが、事態は取り返しのつかない方向へと進み始めることに…。
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