眞島秀和「山中崇の感受性は本当に凄い。『どうやったらそんな泣けるの?』っていうくらいすぐに涙を流す」

作家のヒキタクニオが自らの体験を基に、不妊治療に取り組む夫妻の姿をユーモアあふれる語り口で書き上げたエッセイを、主演に松重豊、共演に北川景子を迎えて実写映画化する『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』が、10月4日より公開中。このほど、10月25日に109シネマズ二子玉川にて公開御礼スペシャルトークイベントが行われ、キャストの山中崇、細川徹監督、前田浩子プロデューサー、そして現在放送中のドラマ「サウナーマン~汗か涙かわからない~」で山中と共演中の眞島秀和が登壇した。

本作を観て「明日への活力をもらったし、勇気をもらえた」という眞島は、冒頭から「(山中)崇が黒かった」と、役作りであえて日焼けした山中をイジりつつも、「友達としても仲が良いんですが、役者としても好きなんですよ。『やっぱり面白いなぁ、この人は』と思っていつも見ているんです」と後輩の魅力を語った。一方、眞島の一つ年下の山中は「眞島さんとは『サウナーマン』で久しぶりにご一緒させてもらって、タイトな撮影スケジュールで、みんな疲れたりイライラしたりしている時でも、眞島さんが気を配って、現場を盛り上げていて、わぁ凄いな、“大きくなったなぁ”」とコメントし、いきなりの上から発言に登壇者は勿論、観客からも思わず失笑があふれた。

自分の撮影がオールアップした際に、人目をはばからずに大号泣したという山中。しかし大号泣する山中に対して、周りは冷たい反応だったという。「みんな、涙に冷たいんですよ!監督にも『どうした?』と言われ、(主演の)松重(豊)さんにも『お前が泣くの!?』と言われて!なんで僕の純粋な涙に冷たいんだろうって!」と怒りをあらわにすると、眞島も「わかる人には、わかるってこと。この涙を信じちゃいけないよって」と油を注ぐ。さらに、「崇の感受性は本当に凄いんです。『サウナーマン』はシュールなコメディなのに、『どうやったらそんな泣けるの?』っていうくらいすぐに涙を流すんですよ、毎テイク!崇は泣けちゃう“子”なんです」と続けると、妙な褒められ方を素直に受け入れらない山中が「天才子役みたいだな!」と心の声を漏らすと場内は笑いの渦に。「撮影中の待ち時間もすぐ熟睡しますからね!」と眞島の密告が続くと、「赤ちゃんじゃねぇか!」と細川監督から突っ込まれていた。

さらに、自分のことを犬のパグに似ていると思っている山中が、NHKの「おやすみ王子」で眞島がパグを抱いている写真が放送されたのを見て「僕を抱っこしているみたいですね」と眞島にLINEを送り付けた話に及ぶと、「甘えん坊ちゃんだ!」と周りから総ツッコミを受け、山中はタジタジに。撮影現場でも、今日の舞台挨拶でも、常に周りからツッコまれつつも、実はみんなから愛されているその不思議な魅力に、観客の笑顔も止まらない。

最後に、細川監督は「(テーマは不妊治療だけれども)重くなく、楽しく、とても観やすい映画になっていると思います。眞島ファンの友達には、眞島さんは出ていないってことは伝えてください(笑)」、前田プロデューサーは「笑って、泣いて、夫婦が家族になっていくラブストーリーです。松重さんの『初主演映画がラブストーリーで驚いたよ』というコメントに、私は驚いたんですが、そういう映画だということを皆さんに伝えていただければと思います。(興行が)うまくいったら、パート2には、眞島さんが出てくださるかもしれないので、是非よろしくお願いいたします」、山中は「凄い好きなシーンがあるんです。伊東四朗さんが本屋で本を立てるシーンと、ヒキタさんがバス停でバスを待っている時に、“今日ダメだったら諦める”と決めた6年間不妊治療をしている夫婦が楽しそうに歩いているシーンが好きです。ヒキタさんたちは産むということを選択して、産むことを選択しなかった夫婦の人生も描かれていて、いろいろな人の視点で観られる作品です。今日(の満席のお客さん)は100%女性ですね。眞島さんが友達で良かったです」とコメントしイベントは締めくくられた。

『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』
10月4日(金)より全国ロードショー中
監督・脚本:細川徹
原作:ヒキタクニオ「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」
出演:松重豊 北川景子 山中崇 濱田岳 伊東四朗
配給:東急レクリエーション

【ストーリー】 ヒキタクニオ(松重豊)、49歳。職業、作家。二回り近く年の離れた愛する妻・サチ(北川景子)と仲良く二人で暮らしている。サウナとビールが大好きで、ジム通いのおかげでいたって健康体。子どもは好きだけど、自分たちの子どもは作らずに二人だけで生きていくと決めていたが、ある日「ヒキタさんの子どもに会いたい」と妻は言った。その一言がきっかけで妊活を始めるも、なかなか結果は出ず…クリニックでの検査の結果、不妊の原因はヒキタ自身にあることが判明。そこからヒキタ夫妻の悲喜こもごもの妊活の日々が始まる。

©2019「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」製作委員会