『カメ止め』上田慎一郎監督「実はクランクイン2か月前に脚本を一から書き直した。キャストみんなで脚本制作に取り組んだ」

『カメラを止めるな!』で大旋風を巻き起こした上田慎一郎監督の長編映画第2弾『スペシャルアクターズ』が、10月18日より公開される。このほど、9月25日に丸の内ピカデリーにてワールドプレミア試写会が行われ、上田慎一郎監督と主演・大澤数人ら総勢18名のキャスト、そしてスペシャルゲストとして、しゅはまはるみ、真魚、どんぐりが登壇した。

公開に先駆けて、初披露を迎えた本作。上田慎一郎監督含め、総勢19名が大きな拍手に迎えられて登壇した。はじめに、上田監督は「とんでもない光景です。座席が802席の日本一の映画館で、船出ができたのが幸せです。みんなでゼロから作った作品で、このメンバーとこの舞台に立って一緒の光景を見れて気絶しそうなくらい幸せです」と声を詰まらせながら挨拶した。

その後、主演の大澤は「緊張すると気絶する役の大澤です。まさか僕がこんな大きなところで挨拶することがあるんですね。本日はお越し頂きましてありがとうございます」、河野宏紀は「僕らは誇りをもってこの作品を届けられる。今年一番の映画になるので楽しみにして下さい」、津上理奈は「『カメラを止めるな!』の大ファンで記念受験のつもりでワークショップを受けた。見る側だった自分が、舞台挨拶する側になっていて信じられないくらい、まだ夢を見ているような気分でスペシャル幸せです」、小川未祐は「『スペシャルアクターズ』の人たちと過ごした日々は、ものづくりとか映画を作るって楽しい、と毎日幸せを実感することができた。この映画の一員になれたことが誇り」、上田耀介は「オーディションにでたきっかけは、監督と名前が一緒というだけ。直観が大事」、北浦愛は「10年以上前に『誰も知らない』で映画初出演をしました。今回は初めての役、初めての髪型、初めてこんなにみんなと仲良くなった現場でした」などキャストの挨拶が続いた。そんな中、上田監督は「ネタバレを気を付けて下さい。ネタバレしそうな発言があったら、大きな声でかき消すから」と場内をもなごませ笑いに包まれる場面もあった。

そして上田監督は、「自分たちの映画だったものがみんなの映画になる瞬間でそわそわして、昨日の晩眠ることができなかった。また昨日ポストカード800枚にサインを書いて、改めてこんに多くの人たちに届くんだと確認できてほんとに良かった」と本作を初披露できたことを喜び、1,500通の募集があった本作のワークショップから選ばれた個性豊かなキャストたちの選考基準については、「この映画は『カメ止め!』と違って、キャスティング時点では物語がない状態。今回は自分が恋した15人、もっと一緒にいたい、この人を知りたい、撮りたいと思った15人を選びました」と明かした。

本作の脚本は、キャストが決まった後に当て書きで作成された。上田監督は「腰を据えて向き合うことができた作品で、脚本制作に向き合ったとき、『カメ止め!』のプレッシャーに襲われそうになった。大スランプに陥り、気絶しそうな日々を送っていた」と脚本制作に関する苦悩を語り、その苦悩を乗り越えるため、「実は、クランクインから2か月前に、脚本を一から書き直して、キャストみんなで、脚本制作に取り組んだ」とキャストから様々な案をもらっていたことを明かした。

主演の大澤は、芝居の経験が10年間で3回しかなく、「毎日必死で、迷惑かけないように気絶しそうになりながら頑張った。思い出がありすぎますがよく覚えてません」と映画撮影の思い出を振り返った。上田監督は「両親は大澤が役者をやっているのを知らなかった。本作の予告編を情報番組でみて知った。長編映画を気絶しそうになりながら作ったドキュメントとフィクションが入り混じった作品にしたかった」とコメントし、大澤は「両親は泣いていました」と本作に出演できた喜びを口にした。

ここで、『カメラを止めるな!』のしゅはまはるみ、真魚、どんぐりが本イベントの応援に駆け付け、場内からは大きな拍手が沸き起こった。しゅはまは上田監督に、真魚は大澤に、どんぐりは河野に花束を贈呈。真魚は「上田さんとキャストのみなさん、本日はワールドプレミア試写会おめでとうございます。事前に作品を見させていただいて、とっても楽しい気持ちになる上田さんらしい作品。多くの人に届いてほしい」と語り、それに対し上田監督が「喋るのうまくなったな」とぼそりとつぶやき、場内でも笑いが起きた。しゅはまは「私たちは、(『カメ止め!』で)この800人という大観客の景色をみるのはすごい時間がかかった。ワールドプレミア試写会で見てもらえるこの作品がうらやましい。もっと頑張って、たくさんの人に見てもらえるような映画にしてほしい!応援しています。協力しあってたくさんの人に届くような作品にして欲しいです」とコメントし、どんぐりは「出てくるときに、『カメ止め!』の曲が流れて、感動しました。先ほど控室でみんながメイクルームでメイクされているの見て、私たちの時はスッピンでやったのになあ(笑)」と冗談交じりに、しゅはまと顔を合わせて笑いあった。

最後に、上田監督は「映画を見る前はキャストのことを知らないと思いますが、映画を見終わったあとは、みんなのことがスペシャルアクターズになって、違った見え方がすると思う」とコメントし、ワールドプレミア試写会を締めくくった。

『スペシャルアクターズ』
10月18日(金) 丸の内ピカデリーほか全国公開
監督・脚本・編集:上田慎一郎
主題歌:「誰でもアクター」(作詞:鈴木伸宏 作曲:鈴木伸宏 伊藤翔磨)
出演:大澤数人 河野宏紀 富士たくや 北浦愛 上田耀介 清瀬やえこ 仁後亜由美 淡梨 三月達也 櫻井麻七 川口貴弘 南久松真奈 津上理奈 小川未祐 原野拓巳 広瀬圭祐 宮島三郎 山下一世
配給:松竹

【ストーリー】 超能力ヒーローが活躍する大好きな映画を見ては溜息をつく売れない役者の和人(大澤数人)。ある日、彼は数年ぶりに再会した弟から俳優事務所の「スペシャル・アクターズ」に誘われる。映画やドラマの仕事のほかに、日常の中で演じる仕事、つまり演じることを使った何でも屋だった。そんな折、スペアクに「カルト集団から旅館を守って欲しい」と依頼が入る。旅館の乗っ取りを図る相手にプランを練り、演技練習を重ねるスペアクの役者たち。しかし、和人には皆に内緒にしている秘密があった。極限まで緊張すると気絶してしまうのだ。あろうことか、壊滅ミッションの中心メンバーにされた和人。果たして、彼の運命やいかに!?

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