第75回ベネチア国際映画祭で作品賞(InterFilm部門)を受賞し、昨年の東京国際映画祭コンペティション部門でも上映されたイスラエル映画『テルアビブ・オン・ファイア』が、11月22日より公開される。このほど、予告編とポスタービジュアルがお披露目となった。
予告編は、TVドラマの現場で働くパレスチナ人青年サラームが、ひょんなことから検問所でイスラエル軍司令官アッシと出会う。アッシのアイデアによって脚本家へと出世したサラームは、その後もフムスと交換に脚本の助言してもらい、民族も立場も違う二人は意気投合。うまくいっていた二人の関係だったが、ドラマ終盤になるにつれ、パレスチナ人のドラマプロデューサーとイスラエル人のアッシとの間で意見が食い違い、民族間の板挟みとなったサラームは何者かに拉致されてしまう。さらには、主演女優、幼なじみからもプレッシャーをかけられ、窮地に立たされたサラームが、どのようなエンディングの脚本を書き、どのような笑撃的なラストを迎えるか、期待感を抱かせる映像となっている。
ポスタービジュアルでは、パレスチナ人青年サラームとイスラエル人検問所司令官アッシが対峙し、二人がドラマの脚本を巡って民族の対立にまで発展する可能性を匂わせる。また、映画のキーアイテムであるフムス、TVドラマ、サラームを悩ませるキャストの写真が配置され、笑撃的な展開を予感させるビジュアルとなっている。
『テルアビブ・オン・ファイア』
11月22日(金)より、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
監督:サメフ・ゾアビ
脚本:サメフ・ゾアビ ダン・クレインマン
出演:カイス・ナシェフ ルブナ・アザバル ヤニブ・ビトン
配給:アット エンタテインメント
【ストーリー】 エルサレムに住むパレスチナ人青年のサラーム(カイス・ナシェフ)は、パレスチナの人気メロドラマ「テルアビブ・オン・ファイア」の制作現場で出演者の言語指導として働いている。撮影所に通うため、毎日面倒な検問所を通らなくてはならない。ある日、サラームは検問所のイスラエル軍司令官アッシ(ヤニブ・ビトン)に呼び止められ、咄嗟にドラマの脚本家だと嘘をついてしまう。アッシはドラマの熱烈なファンである妻に自慢するため、毎日サラームを呼び止め、脚本に強引にアイデアを出し始める。困りながらも、アッシのアイデアが採用されたことで、偶然にも脚本家に出世することになったサラーム。しかし、ドラマが終盤に近付くにつれ、イスラエル側を良く見せたいアッシ、リアリティを求める制作陣とパレスチナ側のドラマのスポンサー。結末の脚本をめぐって対立するイスラエルとパレスチナの間で、サラームは窮地に立たされる…。果たして、彼が最後に振り絞った“笑撃”のエンディングとは!?
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