映像化不可能と言われた平山夢明による小説を、蜷川実花監督が藤原竜也主演で映画化する『Diner ダイナー』が公開中。このほど、7月27日に新宿バルト9にて大ヒット記念応援上映つき舞台挨拶が行われ、元宝塚男役スターである真矢ミキ、真琴つばさ、沙央くらまが登壇した。
真矢、真琴、沙央が壇上に姿を現すと、この夢の共演を一目見ようと集まった観客からは大きな歓声が。真矢は「お客様からのこういうノリは20年ぶりです(笑)。この作品をきっかけに、今まで声をかけて貰えなかった世代からも声をかけていただけるようになりました。全てはダイナーのお蔭です」とコメント。更に、「私たち世代が違うから、同じ舞台に現役時代に並ぶことなかったんです」とも語り、この3名が同じ舞台に並ぶ非常に貴重な機会となったことを明かした。真琴は「ミキさんも仰られておりましたが、若い歓声から力を頂けている気分です(笑)。この作品に出演させて頂いたことも嬉しいし、この3人で新しいチームを組めたことも嬉しく思っております」と答えた。続いて沙央が「この作品は受験時代に憧れていたお2人との共演で…」と恐縮した様子を見せると、真矢から「もう大丈夫辞めたんだから!」とツッコミが入るなど、仲の良さを伺わせた。
MCから改めてこの映画に参加した感想を聞かれた真矢は「劇中私の部下ってたくさんいるんですね。この子たちが横に並んでいると宝塚歌劇団の様な気がして、男性陣が来ると宝塚を退めた気がして、藤原さんが来ると映画だ!って(笑) お客様と同じくらい凄い刺激を受けた作品です。男装ももう二度とやらないだろうと思っていましたし、人生って何が起こるか分からないなと思いました」と作品に対しての思いを語った。司会から21年振りの男装に対しての感想を聞かれると「やればできる!」と断言。観客からも大きな拍手が起こった。更に真矢はキャスティングに関しても蜷川監督から宝塚の男役をたくさん入れたいという相談をされたと明かし、「あんまり入れ過ぎると宝塚歌劇団になっちゃうからピンポイントの方がいいんじゃないですかと提案したりして。その時提案したのがこの2人(真琴と沙央)だったんです」とキャスティング秘話が明かされた。沙央は「宝塚を辞めた直後にこのお話を頂いて、卒業してから女性らしくなろうとして性別迷子になっていた時期で(笑)。男役だったのですごく気合が入りました。メイク室で3人だけの日があった時に、だんだんメイクがセットされていく毎に皆さん声が低くなっていくんです」と宝塚ならではのトークで会場を盛り上げた。
真琴演じる荒裂屈巣は『LUNA-月の伝言-』で真琴が演じた役名アレックスから、沙央演じる澄華瑠は『ベルサイユのばら-オスカル編-』のオスカル役からきているが、役名について感想を聞かれた真琴は「ダイナーの劇中に横尾忠則先生の画が出てくるんですが、その横尾先生が宝塚のポスターを初めて描いて下さった作品のキャラクターがアレックスだったんです」と裏話を披露。沙央は「新人公演で初めて主役を務めた役だったので、監督からの愛を感じました」とコメントし、蜷川監督の入念なリサーチが明らかとなった。
MCからアクションシーンについて聞かれた真矢は「宝塚歌劇団って相当頑張る劇団なんですよね(笑)。なので退団後に他の作品に出て皆さんが大変って言っていても割と楽しめることが多いんですが、今回は大変でした(笑)。ただワイヤーのスタントの方が出来ないなら自分がやる!っていう顔をされているのを見ると燃えてきましたね」とアクションシーンへの思い入れを語った。
劇中、真矢演じる無礼図が放つ「It‘s show time」という台詞はCMやSNSでも話題になったが、MCからその再現を求められた真矢は、真琴、沙央と共に3人で「It’s show time」を披露。事前の打ち合わせ無しで完璧に揃った決め台詞に会場は大きな歓声に包まれ、真琴が「これが宝塚です!」とコメントすると更に大きな歓声と拍手に包まれた。
最後に沙央は「宝塚の後輩の子達も観に行ってくれまして。自分達も強くなった気がすると言われて嬉しかったです」とコメント。真琴は「こんな素敵な作品に出られて嬉しいです。花組時代下級生の時に真矢さんと一緒にやっておりまして、真矢さんに大変お世話になりました。その後私は組替えをしてしまったので、もしもあの時同じ組のままだったらというという夢が叶ったような映画でもありました」と語った。最後に真矢は「宝塚辞めて男装することは無いと思っていたんですが、3人で楽屋で進化したもの見せよう、色々揉まれて来たものを見せようねと言って頑張りました。今日はこの後3人で飲みに行くので(笑)。皆様どうぞお楽しみ下さい」とコメント。3人でポーズを決めて退場すると、会場は大きな拍手で包まれ、イベントは大熱狂で終了した。
『Diner ダイナー』
7月5日(金)より公開中
監督:蜷川実花
原作:平山夢明「ダイナー」(ポプラ社「ポプラ文庫」)
脚本:後藤ひろひと 杉山嘉一 蜷川実花
音楽:大沢伸一
主題歌:DAOKO × MIYAVI「千客万来」(ユニバーサル ミュージック)
出演:藤原竜也 玉城ティナ 窪田正孝 本郷奏多 武田真治 斎藤工 佐藤江梨子 金子ノブアキ 小栗旬 土屋アンナ 真矢ミキ 奥田瑛二 川栄李奈 コムアイ 板野友美 木村佳乃 角替和枝 品川徹
配給:ワーナー・ブラザース映画
【ストーリー】 そこは、命がゴミのように扱われる、殺し屋専用の食堂ダイナー<食堂>。店主は、元殺し屋で天才シェフのボンベロ(藤原竜也)。「俺は、ここの王だ。砂糖の一粒まで俺に従う。」日給30万の怪しいアルバイトに手を出して売られたオオバカナコ(玉城ティナ)は、ウェイトレスとしてボンベロに買われてしまう。次々と店にやってくる殺し屋たち。オーダーは極上の料理か、殺し合いか…店主、ウェイトレス、殺し屋たち。新たな殺し合いが今、始まる!
(C)2019 「Diner ダイナー」製作委員会 (C)2019 蜷川実花/映画「Diner ダイナー」製作委員会