加瀬亮&青木崇高の名コンビ誕生!『旅のおわり世界のはじまり』トークイベント レポート

日本・ウズベキスタン国交樹立25周年、ナボイ劇場完成70周年記念の国際共同製作企画となる黒沢清監督作で、前田敦子が主演を務める『旅のおわり世界のはじまり』が6月14日より公開中。このほど、6月21日にテアトル新宿にて「映画『旅のおわり世界のはじまり』公開記念〜青木崇高の弾丸旅行記!スペシャル映像上映付きトークイベント」が行われ、加瀬亮、青木崇高が登壇した。

本作の公開記念イベントに、マーティン・スコセッシ監督の『沈黙-サイレンス-』での共演を経て、親交を深めたという加瀬と青木が登壇。今回のイベントは、なんと青木が加瀬に会うため、弾丸でウズベキスタンへ渡航した道中の記録を自ら撮影・編集したスペシャル映像「あおきむねたかのウズベキスタンまでちょっと会いに。」の上映付きという、映画出演者ではない俳優が登壇するレアなトークイベントとなった。

加瀬は今回のイベントについて「僕は、(役者として)お客さんには映画の役として見ていただきたいので、プライベートを見せないようにしているのですが、青木くんの初監督作品ということで、今回はこのルールを破りました(笑)」とコメント。青木も「貴重な機会いただきました(笑)。僕は、以前ここ(テアトル新宿)で主演映画の舞台挨拶をしたことがあるのですが、今日は立ち見の方までいて、その時以上にお客さんが入っている!加瀬さんのおかげですね、ありがとうございます(笑)」と会場の笑いを誘った。青木がウズベキスタンへ渡航したきっかけは、『青木「近いうち、ご飯どうですか?」、加瀬「行きたいけど、もうすぐ撮影で1ヶ月ウズベキスタンに行くんだよ」、青木「ウズベキスタン…いいなぁ…遊びに行こうかな…」、加瀬「来てほしい(笑)」、青木「じゃぁ時間つくれたら本当に行きます!」、加瀬「待ってるわ!」』と加瀬とのメールでの簡単なやりとりのみ。しかも青木はNHK大河ドラマ「西郷どん」撮影期間中で、渡航前日の撮影の天気予報は雨だったが、当日晴れて撮影が行われたことで無事、渡航できたそう。

映像は、弾丸ツアーを決行した青木が「旅せか」キャスト陣と奇跡の会合をするところからはじまり、「青の都」と呼ばれるサマルカンド、歴史的建物が多く存在するブハラを旅する様子などが記録されており、滞在中の食事や異国情緒溢れる風景、青木が街の人と触れ合う様子が切り取られている。「映画の本編を観た後にこの映像を観ると、本当にこういうところがあるんだなと感じてもらえるのかもしれないですね」と青木が語ると、加瀬も「映画のフィクションの部分と、青木くんが撮ったドキュメンタリーな部分の比較ができて面白いなと思います。編集も初めてなのに上手だと思いました」と青木の映像を絶賛。さらに加瀬は「青木くんとは旅の仕方も似ているかもしれません。怪しい人に声をかけられたら、まずはついていけ!というところとか。プライベートで旅をするときは、観光スポットは外して、どんどん人気のないほうへ行くタイプです」と語る。今回のウズベキスタン滞在は、加瀬にとっては仕事だったため「市場では挑戦してみたい妙な食べ物をたくさん見かけたのですが、僕が体調を崩して撮影に影響するとまずいので、全て『青木、行け!』と青木くんに毒味してもらってました(笑)」と明かし、青木も「加瀬さん、これ食べてOKっす!」と、率先して毒味し、加瀬に報告していたことを楽しそうに語った。

青木はウズベキスタンに行ってきたことをまわりに報告すると「なんで!?映画に出てないのに!?」と驚かれたという。「そんなに難しく考えることではなく、ただ会いたい人に会いに行く。たったそれだけのことなんですけど、そこから広がっていくのも面白いんじゃないかなと思っていて、そんな感じでのらりくらりいきたいですね」とマイペースに語り、加瀬は「青木くんのこういうフットワークの軽いところが好きですね」と褒めつつ、「で、いつか旅番組を持ちたいんだよね?ユーチューバーとして稼ごうとしている?」と青木へツッコむと、「時代の流れを読まないといけないんでね」と青木のまんざらでもない様子に、会場は笑いに包まれた。最後に青木は、「自分の作った作品を映画館で上映することは、人生のToDoリストに入っていた夢だったので、一つ夢が叶いました」と語り、加瀬は「映画のほうも、他の人に広めていただくか、何回も見ていただければうれしく思います」と締めくくり、終始、笑いの絶えない和やかな雰囲気でイベントは幕を閉じた。

『旅のおわり世界のはじまり』
6月14日(金)テアトル新宿、渋谷ユーロスペースほか全国公開中
監督・脚本:黒沢清
出演:前田敦子 染谷将太 柄本時生 アディズ・ラジャボフ 加瀬亮
配給:東京テアトル

【ストーリー】 テレビ番組のリポーターを務める葉子(前田敦子)は巨大な湖に棲む“幻の怪魚”を探すため、番組クルーと共に、かつてシルクロードの中心地として栄えたこの地を訪れた。夢は、歌うこと。その情熱を胸に秘め、目の前の仕事をこなしている。収録を重ねるが、約束どおりにはいかない異国でのロケで、いらだちを募らせるスタッフ。ある日の撮影が終わり、ひとり街に出た彼女は、聞こえてきた微かな歌声に誘われ美しい装飾の施された劇場に迷い込む。そして扉の先で、夢と現実が交差する不思議な経験をする──。彼女が、旅の果てで出会ったものとは…?

(C)2019「旅のおわり世界のはじまり」製作委員会/UZBEKKINO