堤真一、柳楽優弥の「ハグして」に「なんでやねん!」『泣くな赤鬼』公開御礼舞台挨拶 レポート

「ビタミンF」「とんび」「その日のまえに」「流星ワゴン」など多数の著書が映像化されてきたベストセラー作家・重松清による短編集「せんせい。」に収録されている同名短編小説を、堤真一主演で映画化した『泣くな赤鬼』が6月14日に公開初日を迎え、このほど、6月15日に新宿バルト9にて行われた公開御礼舞台挨拶に、キャストの堤真一、柳楽優弥、川栄李奈、竜星涼、堀家一希、武藤潤、兼重淳監督が登壇した。

主演の堤は、鬼のような熱血指導で“赤鬼”と呼ばれる野球部監督・小渕を演じ、自身の出演作で泣いてしまったようで、「野球部の若い連中とずっと一緒にいて、それが一つの作品になるというのも加味してすごく感動しました」と本作への想いを語った。

本作が“赤鬼”こと小渕と、かつての教え子の“ゴルゴ”こと斎藤が10年ぶりに再会することから物語が始まることにちなみ、再会してみたい人は?という質問が。堤は、中学の時に野球部の監督を務めていた先生と答え、「その監督がめちゃめちゃ怖かったんです。僕が演じた人どころではない」と振り返り、当時の野球部の監督をイメージして演じたと明かした。続けて、「先生に観てもらいたいと思っていたら、つい2か月前に亡くなってしまった。本当はお会いしたかったけれども、もう会えない。もし生きていたら劇場に行って観てくれるだろうな」と叶わない再会に思いを寄せていた。

柳楽は「サッカー部に入っていて、サッカー部の先生がすごく厳しくて…。でも、その中学校に行ったらいつでも会えちゃうので!(笑)。僕は(堤さんとは)ちょっと違う感じなんですけど、その先生に会いたい」と述べた。

川栄は「この映画を観終わった後に家族や友達のありがたみを感じた」と言い、「年に一回会うか会わないかなので、おじいちゃんやおばあちゃんに会いたい」とコメント。柳楽と同じくサッカー部だったという竜星は、「女子のワールドカップで先制点を決めた岩渕真奈選手」と答え、「小学校の時は一緒にサッカーをやっていて、そこからは会っていないので。その時、僕はボロクソに負けていたんですけど(笑)、もう一回一緒にサッカーをやってみたい」と答えていた。

また、本作の公開を記念して“赤鬼先生による公開記念始球式”を実施。堤が客席に向かってボールを投げ、キャッチした人にはキャストのサイン入りボールがプレゼントされた。竜星のファンだというボールをキャッチした女性に、堤が「握手してもらいな!」とあおると、竜星は握手と、さらにハグで応えていた。

最後に、柳楽が「今日でこの作品は最後なので、堤さん、ハグしてもらっていいですか?」とリクエスト。堤と柳楽が熱いハグをすると、堤は「なんでやねん!(笑)」とツッコミを入れ、客席の笑いを誘っていた。

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『泣くな赤鬼』
6月14日(金)より全国公開中
監督・脚本:兼重淳
原作:重松清「せんせい。」所収「泣くな赤鬼」(新潮文庫刊)
出演:堤真一 柳楽優弥 川栄李奈 竜星涼 キムラ緑子 麻生祐未
配給:KADOKAWA

【ストーリー】 城南工業野球部監督・小渕隆(堤真一)。陽に焼けた赤い顔と、鬼のような熱血指導でかつては「赤鬼」と呼ばれていた。その厳しさで、甲子園出場一歩手前までいきながらも、その夢は一度として叶わぬまま、10年の月日が流れた。今では、野球への情熱は随分と衰え、身体のあちこちにガタもきている50代の疲れた中年になっていた。ある日、診察を受けた病院でかつての教え子、斎藤智之<愛称ゴルゴ>(柳楽優弥)と偶然再会する。ゴルゴは非凡な野球センスがありながら、堪え性のない性格ゆえに努力もせず、途中で挫折し、高校を中退した生徒である。今では、20代半ばを越え、妻・雪乃(川栄李奈)と息子・集と幸せな家庭を築き、立派な大人に変貌していた。そのゴルゴが末期がんで余命半年であることを知らされる。赤鬼はゴルゴのために、かつて彼が挑むはずだった甲子園出場を懸けた決勝戦の再現試合を企画する。10年という歳月を経て、それぞれの秘めた思いを胸に、ゴルゴにとって最後の試合が行われるのであった―。

© 2019「泣くな赤鬼」製作委員会