池田エライザ、中田秀夫監督からのサプライズレターに感激「親子喧嘩が終わったときみたい!」『貞子』大ヒット御礼舞台挨拶レポート

見た者は1週間後に呪い殺されるという呪いのビデオの恐怖を描いた鈴木光司のホラー小説を、中田秀夫監督が映画化した『リング』(1998)。そのシリーズ最新作で、中田秀夫監督が再びメガホンをとり、主演に池田エライザを迎えた映画『貞子』が、5月24日より公開中。このほど、6月4日にTOHOシネマズ 日比谷にて大ヒット御礼舞台挨拶が行われ、主演の池田エライザが登壇した。

涼し気な浴衣姿で元気な様子を見せた池田エライザは「皆さんこんばんは。映画『貞子』楽しんでいただけましたか?ご心配をおかけしましたが、こうして皆さんにお会いできて幸せです。映画もたくさんの方にご覧いただいているということで、本当に皆さんに支えられています」と挨拶。5月下旬頃に風疹を発症してから一週間の休みをとった池田は、休養期間中に映画のイベントに参加することができなかったことについて「悔しかった~!本当に悔しかったです!ニュースで見たんですけど、弟役の清水尋也くんは舞台挨拶に私のパネルを担いで登壇してくれたり、佐藤仁美さんもいじってくださって…本当にありがたいなと思いました。お休みしている間は玄関から一歩も外に出られなかったんですが、皆さんが映画を観てくださっているのを幸せに感じながら、私も早く皆さんにお会いできるのを楽しみにしていました」と心境を語り、「監督には、初日にお会いできなかったのでお手紙で感謝を伝えました。尋也くんも『いじっといたよ!』と連絡をくれたので(笑)、ありがとうと感謝を伝えました」と完全復活をアピールした。

本作が大ヒットを記録していることについて、「本当に嬉しいの一言に尽きます!なかなか、ホラー映画を観に行こうってモチベーションになるのは難しいと思うんです。でも、皆さんが観てくださっているのを見て、この作品をやることができて良かったなと思います。こうしてありがとうを皆さんに伝えられて幸せです」、「この映画は、湿り気というか、常に緊張感があって、もちろん貞子は恐怖の対象なんだけど、佐藤仁美さん演じる倉橋雅美さんや、ともさかりえさん演じる祖父江初子さんも、生きている人にも思わずぞっとしてしまう、そんな張り詰めた空気が今回の『貞子』の特徴だと思います。佐藤仁美さんのシーンは『これがリングだ!』と思って、伝統的な中田秀夫監督の世界観を教えてもらって嬉しかったです!」と喜びを語った。

観客より、特にクライマックスの洞窟のシーンについて多くの感想が寄せられている。そんなクライマックスシーンの撮影に関し「あのシーンの撮影は、フィジカルの部分でも大変だったんですけど、気持ちの面でも大変だったんです。自分の弟と重なって苦しいなと思う気持ちが強かったシーンです。私は弟を救わなきゃ、の一心で、でも弟の方も、お姉ちゃんだけは!と、お互いを思い合っていて。ホラー映画を観てうっかり泣いちゃうとは思いませんでした」と壮絶な撮影現場を振り返り、茉優という役に込めた想いを口にしながらも、「あのシーンの洞窟に溜まってる水は、実は入浴剤で作ってるんです。いろんな色を混ぜておどろおどろしさを出してましたね。貞子の湯っていうらしいです(笑)」と撮影の裏側を明かした。

さらに、そんな過酷な撮影現場で容赦なかったという中田秀夫監督の演出については「すごくエモーショナルな方で、身体にマグマを飼っているような方でした。『もっと~!もっと~!』って監督自身もすごくテンションを上げて演出されるので、そのテンションを越えなきゃいけないのが難しく、でも、監督がそこまで連れて行ってくれたからクライマックスのシーンが撮れたと思います」と監督とのエピソードを語った。

そんな池田へ、中田監督から大ヒットを祝福した手紙が寄せられた。思わぬサプライズに「えっ!そんなの聞いてない!」と驚きつつも、感激の様子。MCより代読された。

■手紙全文
池田エライザさま。無事に回復され、本日『貞子』の舞台挨拶に立たれるとのことで、私としても安心し、とても嬉しく思っています。エラちゃんとは、撮影中、まるで親子のように「タメ口」で親しく接していただき、新鮮で楽しく過ごせました。ありがとう!そんな一見、フランクでマイペースに見えるエラちゃんですが、実はとても繊細で感受性豊かな人だということは、私たちだけではなく、今日「貞子」をご覧いただいた観客の皆さんも感じていらっしゃるのではないでしょうか?クライマックスでの、弟役の清水君とのお芝居、またラストシーンの病室でのお芝居に、全身全霊で「本当のエラちゃんらしさ」をぶつけていただきましたね。また、撮影現場だけではなく、『貞子』のプロモーションでも、主演女優=「座長」として私も含め皆を引っ張っていってくれました。重ねて深く感謝します。おかげさまで、『貞子』は大勢の皆さんにご覧いただいていています~。これからますます女優業に、そして新しく挑戦される「監督」のお仕事頑張ってください。そして、また近い将来、ご一緒できることを願っています。中田秀夫

この手紙を受けて池田は「監督ありがとうございます~なんか親子喧嘩が終わったときみたい(笑)。嬉しくて言葉が出ないです。何か作品を作ることって、やろうと思えば淡々とできてしまうと思うんですけど、私とか監督はそれができなくて、お互いの意見をぶつけ合って、でもそれが楽しかったです。監督とご一緒できて、女優業を頑張れている!って実感できる時間が幸せでした。また是非ご一緒したいです。監督業もコツコツ頑張ります!」と感謝の気持ちを述べた。

最後に、観客へ「皆さん改めて今日はお越しいただきありがとうごじます、この映画に込めた思いが皆さんに伝わっていると良いなと思います。また何度でも観て確かめたくなることもある作品だと思うので、何度でも楽しんでいただきたいです。伝えたいことはいっぱいあって話すとと泣いちゃいそうです。皆さんに感謝しています。本当にありがとうございました。またお会いしましょう!」とし、本イベントは幕を閉じた。

『貞子』
5月24日(金)より全国ロードショー中
監督:中田秀夫
原作:鈴木光司「タイド」(角川ホラー文庫刊)
脚本:杉原憲明
音楽:海田庄吾
主題歌:女王蜂「聖戦」(Sony Music Associated Records)
プロモーション使用楽曲:女王蜂「feels like “HEAVEN”」(Sony Music Associated Records)
出演:池田エライザ 塚本高史 清水尋也 姫嶋ひめか 桐山漣 ともさかりえ 佐藤仁美
配給:KADOKAWA

【ストーリー】 心理カウンセラーの秋川茉優(池田エライザ)のもとに、ひとりの記憶障害の少女が入院してくる。やがてその少女は、一週間前に公営団地で起きた放火事件の犯人・祖父江初子(ともさかりえ)が人知れず生み育てていた子供であることが判明。少女と真摯に向き合う茉優だったが、次第に彼女のまわりで奇妙な出来事が起こり始める―。一方、WEB マーケティング会社に勤める石田祐介(塚本高史)の勧めで動画クリエイターとなった、茉優の弟・和真(清水尋也)はアクセス数の獲得に焦るあまり、心霊動画を撮ろうとその火災跡に忍び込むが、動画をアップしたのちに消息を絶ってしまう。茉優は拡散された動画を探し出し、再生してみると、和真の背後に長い髪の女が立っていて…。

©2019「貞子」製作委員会