20年経った今もなお、世代・性別を問わず愛され、歌われ続けるMONGOL800の名曲を基にした、佐野勇斗主演の映画『小さな恋のうた』が、5月24日より公開中。このほど、大ヒットを記念して6月1日に新宿バルト9にて舞台挨拶が行われ、佐野勇斗、森永悠希、山田杏奈、眞栄田郷敦、橋本光二郎監督が登壇した。
長らく本作のプロモーション活動にて自ら本作の“宣伝部長”だと名乗っていた森永。そんな森永にスタッフから打診があり、今回の舞台挨拶のMCという大役を引き受けることになったという。「拙いながらも、頑張って楽しい会となるよう、しっかりと盛りあげていきます」と初めてのMCとは思えないほどの堂々とした森永の挨拶でイベントがスタートした。
MCの森永に呼び込まれ、笑顔で登壇したキャストと監督。佐野は「うちのもりりん(森永)がMCということで、どんどん深い話もできればと思っております」と森永に対する信頼の大きさをのぞかせた。山田は第一声に「(森永の)MCさすがですね」とその“MCっぷり”に感嘆の声をあげると、森永も照れ笑い。橋本監督は、本作が鑑賞した人たちの口コミによって徐々に広がりを見せていることに触れ、「皆さんの愛に支えられて、作品がすくすくと育ってくれていて嬉しいです」と喜びの表情を浮かべた。
今回、お互いの“ここがすごい!”と思うところを発表する企画を実施し、MCの森永が「ここが凄いよ、ちい恋メンバー!」とコーナータイトルを発表すると、そのバラエティのベテラン司会者さながらの微塵の迷いも感じられない声量と進行っぷりに会場も共演者も大爆笑し、その多彩っぷりを見せつけた。橋本監督からは主演の佐野に対して、「アドリブの時に出てきた何気ないセリフが実は作品の最後の方には伏線として生きてくる」ことについて触れ、橋本監督に「あれは狙ってやっているの?」と聞かれると、「もちろんです!…嘘です(笑)。全然考えていなかった」と佐野の口から自然に出てきた言葉ということが分かると、橋本監督は尚更感心し、そのアドリブ力の高さを評価した。そんな佐野は山田に対して「感性が独特で、18歳という年齢に見合わないほど、言葉に重みがある」と話すと、他のキャスト・監督からも納得の声が。山田がバンド練習の一環として作詞をして曲を作る課題を実施した際に、山田が書いた歌詞が当時17歳とは思えないほど“円熟”していたというエピソードも披露され、森永は「まだまだ隠し持った才能がある」と山田の未知数なポテンシャルを語った。山田は眞栄田に対し「すごくストイック。それに周りの事も良くみてる」と兄を尊敬している妹という役柄さながらに、眞栄田に対して尊敬の意を表した。それに対し眞栄田は照れた表情を浮かべながらも「ありがとうございまぁ~す」とおちゃらけた返事をすると、会場から笑いが。実は舞台裏で「今回は頑張ってはじけてみる」と意気込み、新しいキャラクターづくりに挑戦していた眞栄田。そのことを森永が暴露し、さらに笑いを誘った。MCを務めた森永が自身のすごいところを共演者に尋ねると、佐野が「笑顔が大好き。あとは、走り方が大好き」と本作中で森永が見せた走りをモノマネしてみせ、大いに会場を盛り上げた。
つづいて「答え合わせゲーム」と称して「映画『小さな恋のうた』を一言で表すと?」というお題のもと、各人がフリップに思い思いに記入。一斉にお互いの答え合わせをすると、森永は「エモい」、眞栄田は「青春」、佐野は「想い」、山田は「音楽の力」、橋本は「友情/壁」と回答した。各々、この言葉を選んだ理由を熱く語ったのち、橋本監督が「この映画の中で“想い”を含めて言葉の壁や国の壁、世代の壁や親子の壁など、様々な壁を音楽の力で越えていく作品になっていると思います」とキャストが表した言葉を包括して本作につまった魅力を存分に語った。
最後に佐野が「届けたい気持ちがたくさん詰まった作品となっています。年齢関係なく、いろんなことを誰しもが感じ取ってもらえる作品になっていますので、日本中の皆さんに届けばいいと思っています」と本作に対する想いを熱く語り、大盛況のままイベントは幕を閉じた。
『小さな恋のうた』
5月24日(金)より全国ロードショー中
監督:橋本光二郎
脚本:平田研也
出演:佐野勇斗 森永悠希 山田杏奈 眞栄田郷敦 鈴木仁 トミコクレア 世良公則
配給:東映
【ストーリー】 沖縄の小さな町。日本とアメリカ、フェンスで隔てられた二つの「国」が存在する場所。そこでは、ある高校生バンドが熱い人気を集めていた。自作の歌を歌いこなし、観るものを熱狂させるその実力で、東京のレーベルからスカウトを受け、なんとプロデビューが決まる。しかし、喜びの絶頂で盛り上がる彼らに一台の車が突っ込み、バンドは行く先を見失ってしまう。そこに現れた、一曲のデモテープと、米軍基地に住む一人の少女。それらによって、止まった時計の針は前に進み始める。フェンスの向こう側に友の“想い”を届けるため、彼らは再び楽器を手に取り立ち上がる。
©2019「小さな恋のうた」製作委員会