池田エライザ、風疹で欠席も感謝の手紙が届く!『貞子』公開御礼舞台挨拶レポート

見た者は1週間後に呪い殺されるという呪いのビデオの恐怖を描いた鈴木光司のホラー小説を、中田秀夫監督が映画化した『リング』(1998)。そのシリーズ最新作で、中田秀夫監督が再びメガホンをとり、主演に池田エライザを迎えた映画『貞子』が、5月24日より公開中。このほど、5月25日に新宿バルト9にて公開御礼舞台挨拶が行われ、清水尋也、桐山漣、佐藤仁美、中田秀夫監督が登壇した。

盛大な拍手の中登場した、清水尋也、桐山漣、佐藤仁美、中田秀夫監督。壇上には、本日登壇が叶わなかった主演の池田エライザの等身大パネルが。池田のパネルを持って一緒に登場した清水は「姉ちゃんの分まで今日は頑張ります!」とコメント。続いて桐山は「僕も実は前にパネルで登場した経験があって。なので今日はエライザさんの気持ちわかります」と話し、佐藤も「みんなエラちゃんパネルだと思ってるかもしれないけど、私はパネルじゃなくて本人ここにいると思ってる。声も聞こえると思う」と、キャスト皆で池田にエールを送った。そして、中田監督からは「今日は朝早くから本当にご来場をありがとうございます。遠方からいらした方もいるそうで感嘆しております。映画は楽しんでいただけましたでしょうか。舞台挨拶も楽しんでください」と会場へ集まった観客へ挨拶した。

池田から、会場にいる観客へ手紙が到着し、MCにより代読された。
「劇場に来てくださっている皆様、秋川茉優を演じさせていただきました。池田エライザです。本日は、公開御礼舞台挨拶という場に立つことが出来ず、心から申し訳なく思っております。体調は少しずつではありますが、回復の兆しを見せておりますが、まだ皆様の前に立つことは難しいようです。ですが、この素晴らしき日に、皆様がお集まりになっていること、皆様にお届けできることがとても誇らしく幸せです。この貞子という映画が、現代に公開されること、とても意味のあることだと思っています。当たり前のように猛スピードで様変わりしていく時代の中で、人の心は追いつけず、立ち止まりそのまま置き去りになっていきます。そんな人の心の叫びと、貞子という存在は、一生縁の深い関係なのだと思います。私にとって、茉優という存在が暗闇を照らす一筋の光であったように、皆様にとっても、心を照らす光の存在でありますように。そして、貞子という絶対的に恐れられる存在の正体が、皆様に届きますように。また何かの機会で皆様に感謝の気持ちを伝えられる機会があることを祈りつつ、皆様の優しさに感謝し、本日はしっかりと静養します。どうか本日はお楽しみになってください。心は皆様のそばにあるつもりです。」

そんな池田演じる茉優の弟で、動画クリエイターの和真を演じた清水。改めて、ジャパニーズホラーの金字塔である『リング』シリーズにオファーを受けた際の気持ちとシリーズに参加した感想について「僕はもともと『リング』を観ていたので、僕があの『リング』に?と、真っ先に思いました。この仕事を始める前から観ていたし、まさか出させてもらえるなんて、人生何が起こるかわからないなと思いました、嬉しかったです!ホラー映画に出演することも初めてだったんですが、撮影現場で貞子さんと対面した時は、『あっ、テレビから出てくるあの人だ!』と芸能人を見かけたときみたいな新鮮な気持ちになりましたね」と語り、茉優の同僚で心理カウンセラーの藤井稔を演じた桐山も「僕が初めて貞子を見た時は中学生くらい。『リング』が初めて観たホラー映画だったし、当時は本当に怖くてそのトラウマが今だにこびりついています。映画出演のお話いただいた時はついに来たか!と思いました。実は僕、二大ジャパニーズホラーと言われいるもう片方にも出ていて…なかなか両方制覇できることはないと思うのでありがたいなと思います。僕の役柄は、周りの人たちが呪いに陥っていく様を視聴者目線で見ている立場だったと思うのでその役割を担えたことが嬉しかったです」と気持ちを語った。

続いて、『リング』『リング2』から約20年ぶりに出演した佐藤。「多分、20年ぶりに同じ役をやるなんて二度とないと思います。周りの人たちがすごく観てくれていて、リングファンからしたらすごいことだ!ってみんな盛り上がって喜んでくれました。でも、私が10代の頃は貞子はブラウン管から出てきたけど、今テレビ薄いけどどうやって出てくるんだろ?って思いましね」と、本作で貞子に再会する際抱いた疑問について語ると、「貞子は、今回は奥行きのある箱に入った薄型テレビから出てきました。パソコン画面から出てきたり、過去にも色々ありましたがこの問題は常に制作チームが抱えていて、20年なかなか解けない問題です」と中田監督自ら、本作の貞子の登場演出についての知られざる苦難が明かされる場面も。

そして、過去シリーズの中で『リング』含め3作品を手がけている中田監督は「今回監督をやらせていただけるお話をいただいて、ともて光栄に思いました。僕はもう自分のことをシリーズの卒業生っぽく思ってたんですけど、『貞子3D』を観た時に、クリーチャーっぽく進化してる貞子を見て、新鮮でとても楽しんで観ました。今回は、当時の『リング』ファンにも楽しんでもらえるように、且つ、時代の変遷をどう表現するか悩みながら臨みましたが楽しくやらせていただきました」と、最初に監督のオファーを受けた際の心境を明かし、過去のシリーズを踏まえ本作へ込めた想いを語った。

話題はキャスト陣の役作りについて。動画クリエイターを演じた清水は、本作にも出演している大人気YouTuberの水溜りボンドについて「普段からYouTubeを観ていて水溜りボンドさんも観ていました。なので、いつも携帯の画面で見てる人が、と思ってすごく嬉しかったです!ただ、心霊系の動画を観てしまうと、どうしても真似してしまいそうだったので、そこは観ないで撮影に臨みました」と話し、さらに「僕も今回、役で動画の自撮りをやってみて気づいたんですが、モニターを見てどう映ってるか確認しながら目線をレンズに合わせるのがすごく大変なんです。でもプロの方達は、画面の向こうにいる視聴者さんに直接語りかけるようにレンズをまっすぐ見て話しているから、プロはすごいと思いました」とその魅力を熱弁した。

同僚役で池田と初共演した桐山は池田の印象について「現場では主演らしくいらっしゃる方でした。クールビューティーな方かと思っていたんですが、鳥を飼われているらしく、鳥の話になったらいきなりすごくニコニコし出して(笑)。鳥の話ができてよかったです」と池田の撮影中のエピソードを披露し、中田監督の現場については「監督は演出がすごく丁寧で細かくて、それが心地よくなっていました。監督の納得いくラインまで自分が近づけていく、監督のこだわりに触れられたことが嬉しかったです」と撮影時を思い出し印象を語った。

本作では、『リング』で呪いのビデオを観て死亡した智子(竹内結子)の友人である倉橋雅美が登場。20年ぶりに同じ役で出演した佐藤は、主演の池田について、「ちゃんと自分の意思がしっかりある方だなという印象がすごいんです。思ったことがあれば自分から監督に話に行くし。そして笑うとすごいかわいい!」とシリーズの先輩としてその主演っぷりを絶賛した。

『貞子』に負けないくらい日常で恐怖を感じたエピソードを聞かれ、清水から「去年高校を卒業したんですが、今制服の人って皆年下なんだって気がついて…恐怖です」と話すと、隣に立つ佐藤からはギラリと鋭い目線が。桐山は「出かける時に携帯を忘れて取りに行くと、次は鍵を忘れる。どんどん忘れものをする自分が怖い…」と告白。さらに佐藤は「私はすごくお酒を飲むんですけど、起きて気づくと財布にお金がなくて領収書だらけ」と衝撃のエピソードが明かされた。さらに中田監督も「僕も忘れっぽくて、最近メガネをなくしまして…鉄道会社にも電話をしましたが見つからず新調しましたね。忘れると言うと、池田さんから、撮影の時に『スタート!』を言い忘れてると言われることがあって…それは流石にないでしょうと思いますけど(笑)」と、次々とここでしか聞けないエピソードの数々が語られ、会場を沸かせた。

ここで、本作の大ヒットを記念して特別に用意された、貞子の井戸を模した樽が登場。全員で鏡割りならぬ、井戸割りが行われようと木槌が振り上げられたその瞬間、BGMにノイズが…そして、客席から本作のホラーヒロイン、貞子が登場。貞子も揃い、『貞子』の呪いが全国に届くようみんなで井戸割りが行われ、貞子も自らくす玉を割り、会場はこの日一番の盛り上がりを見せた。

『貞子』
5月24日(金)全国ロードショー
監督:中田秀夫
原作:鈴木光司「タイド」(角川ホラー文庫刊)
脚本:杉原憲明
音楽:海田庄吾
主題歌:女王蜂「聖戦」(Sony Music Associated Records)
プロモーション使用楽曲:女王蜂「feels like “HEAVEN”」(Sony Music Associated Records)
出演:池田エライザ 塚本高史 清水尋也 姫嶋ひめか 桐山漣 ともさかりえ 佐藤仁美
配給:KADOKAWA

【ストーリー】 心理カウンセラーの秋川茉優(池田エライザ)のもとに、ひとりの記憶障害の少女が入院してくる。やがてその少女は、一週間前に公営団地で起きた放火事件の犯人・祖父江初子(ともさかりえ)が人知れず生み育てていた子供であることが判明。少女と真摯に向き合う茉優だったが、次第に彼女のまわりで奇妙な出来事が起こり始める―。一方、WEB マーケティング会社に勤める石田祐介(塚本高史)の勧めで動画クリエイターとなった、茉優の弟・和真(清水尋也)はアクセス数の獲得に焦るあまり、心霊動画を撮ろうとその火災跡に忍び込むが、動画をアップしたのちに消息を絶ってしまう。茉優は拡散された動画を探し出し、再生してみると、和真の背後に長い髪の女が立っていて…。

©2019「貞子」製作委員会