20年経った今もなお、世代・性別を問わず愛され、歌われ続けるMONGOL800の名曲を基にした、佐野勇斗主演の映画『小さな恋のうた』が、5月24日より公開中。公開を記念して、5月25日に新宿バルト9にて舞台挨拶イベントが行われ、佐野勇斗、森永悠希、山田杏奈、眞栄田郷敦、鈴木仁、トミコクレア、橋本光二郎監督が登壇した。
ボーカル担当・真栄城亮多役の佐野は楽器練習を振り返り「まあ~難しかった!」と苦笑いするも、MONGOL800のメンバー・キヨサクからベースをプレゼントされたそうで「これはやるしかねえぞ!と。それがきっかけで頑張ることができた」とキヨサクからの粋な計らいに感謝した。ドラム担当・池原航太郎役の森永からは練習中に怒られたそうだが「それが悔しかった」とぶっちゃけつつ、「でも彼とは付き合いも長いので、それもあって練習を頑張ることができた」と発破をかけられたようだった。
その森永もMONGOL800のメンバー・髙里悟からドラムスティックをプレゼントされたといい「あとは託したと言われて、その熱意もあってか、一ヶ月くらいでもらったスティックが折れた」と回想。苦労した点は「リズムのテンポを管理しなければいけないので、ずっとメトロノームの音を聞いていた。本当に地獄だった」と知られざる舞台裏を明かした。ギター担当・譜久村舞役の山田は「ギター初心者だけどギターも歌も楽しく続けることができた。でも眞栄田さんがどんどん上達されるので、そこは負けないようにと意識した」と眞栄田との良きライバル関係が吉と出たようだった。
亮多の親友でギター担当・譜久村慎司役の眞栄田は本作で俳優デビューを飾り「自分の人生を変えたと言っても過言ではない作品。この作品に出合わなければこの世界にいることはなかった」とシミジミ。楽器の練習期間は「練習のたびに杏奈ちゃんが上手くなっていくのが悔しかったし、歌のキーが出なくて自分の声域を広げるのが大変だった」と語り、試行錯誤の連続だったよう。
ベース担当・新里大輝役の鈴木は「音楽に対する苦手意識があって苦労したけれど、みんなとの合同練習のときに成長を実感できた」と笑顔を浮かべた。米軍基地で育ったLISA CREWSON役のトミコクレアはバンドメンバーの雄姿に「みんな凄いです!皆さんの歌に私もとってもハッピーになりました。みなさんのファンです!」と健闘を称え、橋本監督も「楽器を渡すところから始めて、僕はみんなに『やって!』というだけだった。でもみんなで集まって一人ずつどんどん上手になっていく姿に感動した」とキャスト陣の努力に目を細めていた。
そんな中、本家MONGOL800のサポートメンバーでもあり、ボーカル&ベースのキヨサクからの頼みで「ちい恋バンド」の楽器や歌唱のトレーナーも務めた、宮内陽輔(ヨ―スケ@home)からの手紙がサプライズで読み上げられた。「初めてのお芝居だから楽器は上手にと、毎回自主練を頑張ってくれた」と知られざる努力を労われた眞栄田は、大粒の涙を流して大号泣。山田も「男性キーの曲を見事にやり切った。芯の強さに救われた」と評されて涙を流した。
佐野は手紙で「お調子者のキャラだが、何倍もみんなを気遣ってくれる人。凄いお兄ちゃん。体調が悪い時も全力で歌ってみんなを引っ張ってくれた」と人柄を称えられると、目に涙を浮かべながら「やばいですね、ちょっと。陽輔さんは僕らにとっては大きな存在で、陽輔さんがいるからこそ頑張ろうと思えた。ぶつかったこともあったけど…」と振り絞るように話すも、耐えきれずに号泣。それを引き取って森永は「楽器講師陣は僕らにとって大きな存在で、熱意を持ってやってくれた。講師の皆さんがいてくれなければ、バンドとして成り立たなかったはず」とバンドメンバーを代表して思いを述べた。
最後に佐野は「たくさんの人の想いが詰まった作品なので、多くの方に愛される映画になってほしい」とアピールし、橋本監督は「歌詞の中に“優しい歌は世界を変える”という歌詞があるが、映画にもそういう力があると信じて作りました。僕らが作品に込めた想いや祈りが日本中、世界中に響き渡ってくれたら嬉しい」と大ヒットを願っていた。
『小さな恋のうた』
5月24日(金)より全国ロードショー中
監督:橋本光二郎
脚本:平田研也
出演:佐野勇斗 森永悠希 山田杏奈 眞栄田郷敦 鈴木仁 トミコクレア 世良公則
配給:東映
【ストーリー】 沖縄の小さな町。日本とアメリカ、フェンスで隔てられた二つの「国」が存在する場所。そこでは、ある高校生バンドが熱い人気を集めていた。自作の歌を歌いこなし、観るものを熱狂させるその実力で、東京のレーベルからスカウトを受け、なんとプロデビューが決まる。しかし、喜びの絶頂で盛り上がる彼らに一台の車が突っ込み、バンドは行く先を見失ってしまう。そこに現れた、一曲のデモテープと、米軍基地に住む一人の少女。それらによって、止まった時計の針は前に進み始める。フェンスの向こう側に友の“想い”を届けるため、彼らは再び楽器を手に取り立ち上がる。
©2019「小さな恋のうた」製作委員会