西炯子の人気漫画「お父さん、チビがいなくなりました」を、倍賞千恵子、藤竜也、市川実日子共演で映画化する『初恋~お父さん、チビがいなくなりました』が5月10日に公開される。このほど、4月10日に新宿ピカデリーにて完成披露試写会が行われ、キャストの倍賞千恵子、藤竜也、市川実日子、佐藤流司、小林且弥、小林聖太郎監督が登壇した。
亭主関白な夫に心から尽くしながら、自分は本当に夫から愛されているのだろうかという寂しさを長年抱えてきた妻・有喜子を演じる倍賞。オファーを受けた理由について「年をとってからのラブロマンス映画に出演したいと思っていたので、嬉しくてお受けしました」とコメント。「昭和の男の人は本当にぶきっちょ。私の主人もぶきっちょで大変だった(笑)」と述べ、「『ありがとう』とか、『おはよう』とか、『ご飯美味しかったよ』とか、夫婦でそういう会話をすることが大事なんだと思った」と撮影を振り返った。
そんな妻に対しては無口でぶっきらぼうで、離婚を突き付けられずっと心に秘めていたある想いを告白する夫・勝を演じた藤。「本当に嫌だった」という役について「何が嫌って、倍賞さんに冷たくできないんですよ」とコメント。監督に「日本中の奥さんに嫌われてくれ」と言われたそうで、「(役として)奥さんや娘と仲良くなってはいけないので、自分の車でじっと待っていて。孤独でした(笑)」とボヤいていた。
母から離婚話を聞き動揺する娘・菜穂子を演じた市川は、倍賞と藤について「とても可愛らしいお二人」と絶賛。そんな市川に藤は「あなた、笑いっぱなし。現場でも一日中、ワハハワハハって(笑)」と述べると、倍賞も「笑いながら現場に入ってくる。力強かった」と市川の笑顔から元気をもらっていたことを明かした。
倍賞演じる有喜子が好きな、韓流ドラマのキャラクターであるヨンギと、ヨンギにそっくりなペット探偵の笹原を1人2役で演じる佐藤。「人生で初めて韓国語に挑戦しました。韓国語をしゃべった上に、自分でアフレコ」をしたそうだが、監督から「現場で韓国語のNGがたくさん出たけど、一切使われていない」と明かされて苦笑い。猫を二匹飼っているという佐藤は「撮影で猫に会えると思って最高の仕事だと思っていたら、一回も会わず…」と残念そうな表情を浮かべた。倍賞演じる有喜子から、トキメかれるヨンギ役について気持ちを聞かれると「…本当に嬉しいです」とポツリ。微妙な空気を察した倍賞から「無理に言わなくていいですよ!」とツッコまれ、「無理、言ってないです!(笑)」と慌てて弁明していた。
『初恋~お父さん、チビがいなくなりました』
5月10日(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
監督:小林聖太郎
原作:西炯子「お父さん、チビがいなくなりました」(小学館フラワーコミックスα刊)
脚本:本調有香
出演:倍賞千恵子 藤竜也 市川実日子 佐藤流司 小林且弥 優希美青 濱田和馬 吉川友 小市慢太郎 西田尚美 星由里子
配給:クロックワークス
【ストーリー】 3人の子供が巣立ち、人生の晩年を夫婦ふたりと猫一匹で暮らしている勝(藤竜也)と有喜子(倍賞千恵子)。勝は無口、頑固、家では何もしないという絵にかいたような昭和の男。そんな勝の世話を焼く有喜子の話し相手は猫のチビだ。ある日有喜子は娘に「お父さんと別れようと思っている」と告げる。驚き、その真意を探ろうと子供たちは大騒ぎ。そんな時、有喜子の心の拠り所だった猫のチビが姿を消してしまい…妻はなぜ、離婚を言い出したのか。そして、妻の本当の気持ちを知った夫が伝える言葉とは―。
©2019西炯子・小学館/「お父さん、チビがいなくなりました」製作委員会