ベトナム戦争時世界中へ散っていったボートピープルたちの今を描く『ベトナムを懐う』予告編

日越国交樹立45周年記念「ベトナム映画祭2018」にて上映された、ベトナム戦争時世界中へ散っていったボートピープルたちの今を描く『ベトナムを懐(おも)う』が、3月23日より公開される。このほど、本作の予告編がお披露目となった。

本作は、祖国を離れ、ニューヨークで暮らす3世代のベトナム人たちを描いた戯曲が原作。長く戦争が続いたベトナムの歴史を背負いながら、異国で故郷をおもう各世代の心情を丁寧に描いている。監督は『サニー』のベトナムリメイク版『輝ける日々に』のグエン・クアン・ズン。世代や文化のギャップが生むユーモラスな衝突から、祖国を捨てた息子とその父親、そして孫娘の3世代が対峙することで、ベトナム移民の哀しい背景を描き出した一作である。

予告編は、劇中で鍵となるベトナムの歌が流れる中、戦争に出征するため若かりし頃の主人公・トゥーが妻子と別れるシーンから始まる。時は移り、真冬のNYで年老いたトゥーが、NY育ちの孫娘タムとの激しい衝突や叱責、そして故郷への想いを捨てられないトゥーにタムが突き付ける異文化への違和感など、悲しみと切なさが溢れる映像となった。

併せて、公開日となる3月23日にスペシャルトークイベントの開催が決定。ゲストとして、元「アイドリング!!!」の創設メンバーとして活躍し、最近ではNHKドラマ「ベトナムのひかり ~ボクが無償医療を始めた理由~」に出演し再度話題を集めている、ベトナム出身女優・フォンチーが登壇。映画について、ベトナム人のフォンチーから観た感想や、移民問題、映画に込められたメッセージ等を深く掘り下げていくトークイベントを予定している。

『ベトナムを懐う』
3月23日(土)より 新宿K’s cinemaにて公開
監督:グエン・クアン・ズン
出演:ホアイ・リン チー・タイ ゴック・ヒエップ ディン・ヒウ ジョニー・バン・トラン トリッシュ・レ タイン・ミー チョン・カン オアイン・キウ
配給:アルゴ・ピクチャーズ

【ストーリー】 1995年のニューヨーク。雪の中を老人ホームから抜け出してきたトゥー(ホアイ・リン)は、息子グエン(ジョニー・バン・トラン)と孫娘タム(トリッシュ・レ)が暮らしているアパートに転がり込むが、ボーイフレンドの誕生日を祝おうとしていたタムは祖父の乱入に困惑を隠せない。祖父との時間に堪えきれなくなったタムの怒りは爆発、トゥーは家を飛び出すこととなる。そこへ帰って来た息子・グエンは故郷への哀しい思いを語り始めた。なぜグエンは祖国を捨てたのか。タムはベトナム移民である自分のルーツと家族の歴史を知ることになる…。

©Vietnam Feature Film Studio1,Acrobates Film