『勝手にしやがれ』、『気狂いピエロ』など数々の名作を世に送り出してきたヌーヴェルヴァーグの巨匠、ジャン=リュック・ゴダール監督最新作『イメージの本』の公開日が4月20日に決定し、併せて、予告編がお披露目となった。
88歳“米寿”を迎えてなお、世界の最先端でエネルギッシュに映画を作り続けるゴダール監督。本作は、「私たちに未来を語るのは“アーカイヴ”である」と語るゴダール監督が、暴力、支配、不和…世界に対する“怒り”を、絵画(TABLEAUX)、映画(FILMS)、文章(TEXTES)、音楽(MUSIQUE)で表現し、この世界が向かおうとする未来を指し示す5章からなる物語。過去に人類がたどってきた“アーカイヴ”の断片と新たに撮り下ろされた子供たちや海辺の美しいシーンなどが巧みにコラージュされた。ゴダール本人がナレーションを担当しており、彼特有の常識外のヴィヴィッドな色彩の映像からも、その健在ぶりがうかがえる。
2018年5月に開催されたカンヌ国際映画祭では、映画祭史上初めて、最高賞のパルムドールを超越する賞として特別に設けられた「スペシャル・パルムドール」を受賞した本作。前作『さらば、愛の言葉よ』(2014)で新感覚の3D技法で観客を驚かせたゴダール監督が、枯渇することのないイメージと音を多用し、観客の想像力を縦横無尽に刺激する84分間のアート体験を約束する。
予告編には、第71回カンヌ国際映画祭での貴重な記者会見でのやりとりが挿入されている。また、この刺激的なアート体験となる本作へ、映画評論家の蓮實重彦は「88歳のゴダールが4年がかりで世に問う新たな傑作の この異様な美しさはどうか」と感嘆のコメントを寄せた。
『イメージの本』
4月20日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国ロードショー
監督・編集・ナレーション:ジャン=リュック・ゴダール
撮影・編集:ファブリス・アラーニョ
音楽:ECM
出演:ジャン=リュック・ゴダール ディミトリ・バジル
配給:コムストック・グループ
【ストーリー】 静寂にすぎない。革命の歌にすぎない。5本指のごとく、5章からなる物語。
© Casa Azul Films – Ecran Noir Productions – 2018