第88回アカデミー賞外国語映画賞受賞作『サウルの息子』のネメシュ・ラースロー監督最新作『サンセット』ポスタービジュアル&場面写真

第88回アカデミー賞外国語映画賞、第73回ゴールデン・グローブ賞、第68回カンヌ国際映画祭グランプリを同時受賞した『サウルの息子』のネメシュ・ラースロー監督最新作『サンセット』が、3月15日より公開される。このほど、本作のポスタービジュアルと場面写真がお披露目となった。

第一次世界大戦前、一人の若い女性が目撃したヨーロッパ中心都市の繁栄と闇を描く本作。舞台は、1913年オーストリア=ハンガリー二重帝国時代に栄華を極めたハンガリーのブダペスト。イリスは、両親が遺した高級帽子店で働くことを夢見てブダペストにやってくる。しかし、ウィーンの王侯貴族に帽子店の女性を捧げていることや、イリスの兄・カルマンが伯爵殺しという大きな事件を起こしていたなど、帽子店には大きな闇が隠されており、イリスは激しい時代の渦に巻き込まれていく。

監督は、長編デビュー作『サウルの息子』で第88回アカデミー賞外国語映画賞、第73回ゴールデン・グローブ賞、第68回カンヌ国際映画祭グランプリを同時受賞という快挙を成し遂げたハンガリーの若き巨匠、ネメシュ・ラースロー。本作はベネチア国際映画祭でプレミア上映され、国際批評家連盟賞を受賞。さらに、第91回アカデミー賞外国語映画賞ハンガリー代表に選出された。

場面写真には、本作の見どころでもある1913年代のヨーロッパを彩った高級帽子店の帽子や、エレガントな衣装に身を包んだお針子たちの姿が収められている。憧れの都・ウィーンへの切符を手にすることができる場所として知られる高級帽子店は、完全な手作業で王侯貴族からのオーダ―メイドを請け負い、才能を認められないと頭周りの採寸にも至ることができない厳しい世界。主人公・イリス(ユリ・ヤカブ)は、両親が帽子店を経営していたこともあり、職業人としての才能は折り紙つきで、邪険に扱われながらもひとたび仕事につけば帽子職人として頭角を現していく。そんな彼女の登場によって、チーフのゼルマ(エヴェリン・ドボシュ)やセレナ(ユディット・バールドシュ)らによって一見秩序が保たれていた<美しき女の園>高級帽子店の人間模様も変化していく…。

衣装はゴールデングローブ賞にノミネートされた『太陽の雫』で知られるジョルジ・サカーチが担当。風格あるデザインの帽子や衣装は、ほぼ手作業で彼女の指示のもと制作された。

『サンセット』
3月15日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて公開
監督・脚本:ネメシュ・ラースロー
出演:ユリ・ヤカブ ヴラド・イヴァノフ モーニカ・バルシャイ
配給:ファインフィルムズ

【ストーリー】 1913年、オーストリア=ハンガリー帝国が栄華を極めた時代。イリス(ユリ・ヤカブ)は、ヨーロッパの中心、ブダペストのレイター帽子店で働くことを夢見てやってくる。そこは、彼女が2歳の時に亡くなった両親が遺した高級帽子店だ。だが今のオーナーであるブリルは、突然現れた彼女を歓迎することはなく追い返してしまう。オーストリア皇太子も訪れるような華やかで憧れの場所に見えた帽子店。しかし、そこには大きな闇が隠されていた。裏ではウィーンの王侯貴族に店の女性を捧げているという。またイリスには兄がいたことを初めて知るが、兄カルマンは伯爵殺しという大きな事件を起こしていた。彼女は失踪している兄を必死に探し始めるが辿り着けない。やがて兄とその仲間たちによる貴族への暴動が起こる。イリスもまた第一次世界大戦前に激動するヨーロッパの渦に巻き込まれていく。果たして、彼女は兄と巡り逢うことができるのか?そして高級帽子店が行きつく運命は?

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