『夜明け』の広瀬奈々子監督最新作 装幀者の菊地信義を追ったドキュメンタリー映画『つつんで、ひらいて』今秋公開!

柳楽優弥主演の監督デビュー作『夜明け』の広瀬奈々子監督の最新作で、装幀者の菊地信義の仕事を追いかけたドキュメンタリー映画『つつんで、ひらいて』が、今秋公開されることが決定した。

現在75歳の菊地は、独立から40年、中上健次や古井由吉、俵万智、金原ひとみなど1万5000冊以上の本の装幀を手がけ、日本のブックデザイン界をリードし続けてきた存在。紙と文字を触りながら、あくまで手作業で一冊ずつ本をデザインしている。本作では、菊池の指先から、印刷、製本に至る工程を見つめ、ものづくりの原点を探っていく。インターネットが日常のものとなった今だからこそ、物への愛着、紙の手ざわりにフォーカスし、出版やデザインに関わる人だけでなく、本好きには必見のドキュメンタリーとなっている。

監督・編集・撮影を務めるのは、是枝裕和監督と西川美和監督が立ち上げた制作者集団「分福」が送り出した新鋭監督であり、柳楽優弥主演『夜明け』がアメリカ、フランス、香港など各国の映画祭から招待されるなど国内外で高い評価を受けている広瀬奈々子。撮影は、2015年から約3年間にわたって行われた。

■菊地信義 コメント
紙の本。その装幀という仕事を撮りたいという。言葉を、目から手へ、そして心にとどける仕事。思い掛けない若い監督の、本への思いに絆された。撮られる事で、新たに意識化できることもあるはず。どうあれ、紙の本の魅力を伝えるためにと引き受けた。

■広瀬奈々子(監督・編集・撮影) コメント
初めて菊地さんとお会いしたのは、銀座の樹の花という喫茶店でした。「僕は映像は好きじゃない」と言われて意気消沈して帰ってきたのを覚えています。言葉のプロで、ある意味演出家でもある相手に毎回何をどう撮りたいのか説明し、説得するのには大変苦労しました。この映画に映るもの全てが菊地さんとの共作です。今もなお菊地さんへの尊敬の念は深まるばかりですが、これは菊地信義を賞賛するための映画ではありません。本とは何か、自問自答するための映画です。言葉と五感に対する欲求は、作り手にとってだけでなく、誰にとっても重大な問題なのだと思います。

『つつんで、ひらいて』
2019年秋 シアター・イメージフォーラムにて公開
監督・編集・撮影:広瀬奈々子
企画制作:分福
出演:菊地信義
配給:マジックアワー

(C)2019「つつんで、ひらいて」製作委員会