250万部を超える阿佐田哲也のベストセラー小説「麻雀放浪記」が、和田誠監督による映画化以来35年ぶりに再び映画化され、斎藤工が主演を務める『麻雀放浪記2020』が、4月5日より公開される。このほど、本作の特報映像がお披露目となった。
本作では、1945年の戦後を舞台にした原作の精神を盛り込みながら、設定もキャラクターも大胆にアレンジ。物語は、2020年の新たな“戦後”、東京オリンピックが中止となった“未来”を舞台に展開する。主演は、映画版『麻雀放浪記』を傑作の1つと公言している斎藤工。1945年から2020年へとタイムスリップしたギャンブラーの主人公・“坊や哲”を熱演する。監督は、『凶悪』(2013)や『孤狼の血』(2018)などを手掛けた日本映画界のトップランナー、白石和彌が務める。
特報映像は、戦後、果てしなく焼け野原となった東京を彷徨う“坊や哲”の後ろ姿から始まる。その行く先に映し出されるのは、レンガ造りの建物。看板には「OXCL」(オックス・クラブ)の文字が。タバコの煙が立ち込める中、男たちが博打に命を懸けている様子が克明に描かれる。退廃的な世界で、血を滾らせ生命力を燃やすアウトローたちの姿は、まさに阿佐田哲也・和田誠が描いてきた『麻雀放浪記』の真骨頂と言える。しかし、突如として【伝説の傑作小説よ、さらば。】という高らかな宣言と共に、舞台はモノクロの1945年から2020年へと変わる。そこにサブリミナル的に映し出されるのは予想を上回る東京の姿。煌々とした光に包まれる謎の闘技場、朽ち果てた2020年東京五輪のポスター、核爆発、死亡事件を報じる新聞記事、未来的な研究所、覚醒するアンドロイドの眼、慟哭する“坊や哲”…“坊や哲”は何故、2020年の未来へとやって来たのか。そこでは一体、何が起こっているのか…。観る者の想像力と飢餓感を最大限に煽った怒涛の展開で、特報映像は幕を閉じる。
昨年末に行われた日刊スポーツ映画大賞の授賞式にて白石和彌監督は、「この新作、僕は大まじめに作った大傑作だと思うが、問題がありすぎて公開が危ぶまれている。気が気でない」と本作について言及。『凶悪』、『孤狼の血』といった危険な作品を手掛けてきたアウトローの第一人者までをも、ここまで言わしめてしまうほどの危険な内容となっている。そして一番の注目は、映像の最後に放たれる【これでいいのか、ニッポン】というメッセージ。この言葉に込められた意味とは果たして何なのか。
『麻雀放浪記2020』
4月5日(金) 全国ロードショー
監督:白石和彌
原案:阿佐田哲也「麻雀放浪記」(文春文庫・刊)
出演:斎藤工 もも(チャラン・ポ・ランタン) 岡崎体育 ベッキー 竹中直人 的場浩司 小松政夫 堀内正美
配給:東映
【ストーリー】 主人公・坊や哲(斎藤工)がいるのは、2020年の“未来”。なぜ?人口は減少し、労働はAI(人口知能)に取って代わられ、街には失業者と老人があふれている…。そしてそこは“東京オリンピック”が中止となった未来だった…嘘か?真か!?1945年の“戦後”からやってきたという坊や哲が見る、驚愕の世界。その時、思わぬ状況で立ちはだかるゲーム“麻雀”での死闘とは!?
(C)2019「麻雀放浪記2020」製作委員会