北村美岬、伊東茄那が杉田協士監督の涙に感動! 映画『ひかりの歌』初日舞台挨拶レポート

詩人・吉増剛造らから激賞されたデビュー作『ひとつの歌』以来となる杉田協士監督の7年ぶりの長編映画で、北村美岬、伊東茄那、笠島智、並木愛枝の4人の女性が主演を務めた『ひかりの歌』が1月12日より公開された。同日、渋谷・ユーロスペースにて行なわれた舞台挨拶に、キャストの北村美岬、伊東茄那、日髙啓介、金子岳憲、松本勝、西田夏奈子、渡辺拓真、杉田協士監督が登壇した。

本作は、歌人の枡野浩一と映画監督の杉田協士が、映画化を前提に開催した「光」をテーマにした短歌コンテストで1200首のなかから選出した4首の短歌を原作とする、それぞれ孤独のなかを生きる4人の女性の物語。昨年の第30回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門でのワールドプレミアを経て、第19回全州国際映画祭ワールドシネマスケープ部門にも出品された。

いよいよ劇場公開を迎え、その気持ちを聞かれた詩織役の北村は「すごくうれしいです。私は第一章に出演していますが、一章の撮影が2015年。その後、一章ずつ丁寧に撮影されていったので、四章すべてそろった時はすごくうれしかった」と満面の笑みでコメント。

今日子役を演じた伊東は、10代の頃から杉田監督と知り合いとのことで「(プライベートで)杉田監督に言ったことがセリフに反映されていたり」したようだが、「これは話してないだろ!という場面も描かれていて、思い出深い作品」になったことを明かした。

劇中でライブシーンがあるという日髙と西田。日高は「普段から西田さんとはライブなどで歌う機会があるんですけど、今回映画の中で歌わせていただけるとのことで」と嬉しそうな表情を浮かべると、西田は「存分に歌いすぎて、収録されているものより100倍ぐらい歌っている」と撮影中の裏話を語ってくれた。

7年ぶりの長編に挑んだ杉田監督。「少ない経験ながら、わかったことがある」という杉田は「撮影中にカメラの横にいる時、感動しても泣いてはダメだと思った。自分の心が揺れてしまうと、最終的な監督としての判断が弱まってしまう」とコメント。「撮影中は、涙をグッとこらえてきた」と話しながらも、感極まって言葉を詰まらせた。杉田は涙を拭いつつ、「考えて来た構成を忘れてしまった(笑)」と照れ笑いを浮かべて、会場から温かい拍手が送られていた。

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『ひかりの歌』
1月12日(土) ユーロスペースほか全国順次公開
監督・脚本:杉田協士
原作短歌:加賀田優子 後藤グミ 宇津つよし 沖川泰平
撮影:飯岡幸子
音楽:スカンク/SKANK
出演:北村美岬 伊東茄那 笠島智 並木愛枝 廣末哲万 日髙啓介 金子岳憲 松本勝 リャオ・プェイティン 西田夏奈子 渡辺拓真 深井順子 佐藤克明 橋口義大 柚木政則 柚木澄江 中静将也 白木浩介 島村吉典 鎌滝和孝 鎌滝富士子 内門侑也 木村朋哉 菊池有希子 小島歩美 岡本陽介
配給:Genuine Light Pictures

【ストーリー】 都内近郊に住む4人の女性、詩織(北村美岬)、雪子(笠島智)、今日子(伊東茄那)、幸子(並木愛枝)は、それぞれ誰かを思う気持ちを抱えながら、それを伝えられずに日々の生活をつづけている。旅に出てしまう同僚、他界した父親、閉店が近いアルバイト先の仲間、長い年月行方知れずの夫のことを思いながら、彼女たちは次の一歩を踏みだしていく。

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