ケヴィン・スペイシー、表舞台から姿を消して3年、思い悩む人へクリスマスのメッセージ

『ユージュアル・サスペクツ』、『セブン』などに出演し、2017年にセクシュアルハラスメントや性的暴行を告発されたケヴィン・スペイシーが、クリスマスのメッセージ動画を自身のインスタグラムに投稿した。

▲ケヴィン・スペイシーのインスタグラム(kevinspacey)より

2017年に表舞台から姿を消したケヴィン。2018年、2019年のクリスマスには、主演を務めたドラマシリーズ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」で演じたキャラクター、フランシス・アンダーウッドになりきりカメラに向かって語りかける動画を公開していたが、今年のクリスマスは静かな公園からメッセージを届けた。

▲ケヴィン・スペイシーのインスタグラム(kevinspacey)より

公園のベンチに腰掛けたケヴィンは、「この1年、多くの人と連絡を取り、苦悩を分かち合った」と新型コロナウイルスが流行した2020年を振り返り、「彼らの多くは事態がますます悪化したと話してくれて、自ら命を絶つことを真剣に考えていた」と語る。

続けて、カメラを手に取り「命を絶とうと考えている皆さん、どうかそのステップを踏まないで。あなたがこれ以上立っていられないほど辛い場所にいたり、苦しんでいたり、助けを必要としている場合、罪悪感や恥を感じ、自分のアイデンティティに悩んでいたり、追い詰められて、もう道が残されていないと感じているなら、どんな状況であれ、私はあなたに進む道はあると約束する」と呼びかけた。

最後に「このホリデーシーズンの間もそれ以降も、そんな気持ちになれなくても、あなたを理解し、助けてくれる人がいる。あなたは一人ではないのだから。皆さんにメリークリスマス。そして、素晴らしい2021年になりますように。苦しんでいる人へ、状況はきっと良くなる」と伝え、自殺予防ホットラインの電話番号をシェアして動画を締めくくった。

▲ケヴィン・スペイシーのインスタグラム(kevinspacey)より

性的被害を訴える「MeToo運動」が広がった2017年10月、ケヴィンは複数のセクシュアルハラスメントや性的暴行を告発され、主演ドラマ「ハウス・オブ・カード」のシーズン6から降板。さらに、出演予定だったリドリー・スコット監督の映画『ゲティ家の身代金』は出演シーンが全て差し替えとなり、代役にクリストファー・プラマーが立てられたことで話題となった。

現在61歳のケヴィンは、1986年に『心みだれて』で映画デビュー。ブラッド・ピット主演の大ヒット作『セブン』(1995)で注目を浴び、サスペンス映画『ユージュアル・サスペクツ』(1995)でアカデミー賞助演男優賞を受賞した。以降も『評決のとき』(1996)、『L.A.コンフィデンシャル』(1997)、『交渉人』(1998)などの話題作に出演。現代アメリカの家族を描いた『アメリカン・ビューティー』(1999)でアカデミー賞主演男優賞に輝いた。近年は、ホワイトハウスを舞台に駆け引きや裏切りを描くドラマシリーズ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」(2013〜2017)で主演を務め、エミー賞やゴールデン・グローブ賞で主演男優賞にノミネートされた。そのほかの出演作は、『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』(2003)、『モンスター上司』シリーズ(2011、2014)、『ベイビー・ドライバー』(2017)、『ビリオネア・ボーイズ・クラブ』(2018)などがある。