吉川:六兵衛さんは、話さない分、所作とか立ち振る舞いで見せていかないといけないので、主に体幹と筋肉トレーニング。それがなってないと、所作にならない。あと、流鏑馬というのと。だから、撮影の間もずっと稽古が入っていたので、筋力勝負。(上地は)脳みそ勝負。
上地:あんまりないですけど(笑)。頑張りましたよ。
吉川:らしいです。
MC:やっぱり、セリフが多めだなと感じられました?
上地:多目どころじゃないですよ。いつも、台本の自分のセリフにマーカーペンで塗ったり、大事なところは折ったりするんですけど、最初の5ページで塗って折るのをやめました。意味がない(笑)。
吉川:ほぼですからね。
MC:ある意味、六兵衛の気持ちも汲みながら答えなければいけないというような。
上地:そうですね、ずっとこの大きな背中に、壁に話しかける形で、時には喜んだり、時には泣いたり、迷ったりするシーンが多かったので、背中で何かを感じて、自分の気持ちを持っていくというシーンが多かったんですけど、さすが吉川さんは背中で演じるというか(笑)。
吉川:笑いながら話してるけど?
上地:今、褒めるところだなあと思って(笑)。
吉川:こうやって、いじめるんですよ。ずっといじめられてたから。
上地:そんなことないですよ!だけど、僕のシーンが終わると、吉川さんは後ろを向きながらも、正座してるんですけど、スッと親指を上げてくれて。背中を向けたまま、ゆっくりうなずいてくれるので、毎回そのシーンごとに、それをもらうために頑張ろうと。
吉川:まあ、俺は「今日は早く帰れるぞ」と。
上地:そっちの!?そっちのこれ(親指)だったの!?「早く帰れるぜ!」みたいな!? マジで!?すいません、勘違いしてました。聞きたくなかったな…(笑)。でも、良かったです、それで毎回頑張れたんで。
MC:初めにオファーを受けられた時のお気持ちと、全て終えられた時のお気持ちは、なにか変わりましたか?
吉川:私は原作を読ませていただいて、素晴らしいなと思いまして。ただ、これを映像のエンターテイメントとなると、なかなかハードルが高いなと思いました。小笠原流礼法というのを六兵衛の基本にしていて、いかにしなやかにというところなんですけど。それに終始集中してやれたので、ずっとモチベーションが高いままやれました。彼のセリフがすごいですし、僕はなにもできませんでしたけど、小笠原流礼法というのもね、めちゃくちゃ大変なんですよ。いろいろな流派があるんですけども、小笠原流礼法は歴史がある流派で。