MC:三浦監督も今回は“身体と身体のコミュニケーション”ということをよくおっしゃっていて、今ってSNSなどでいろいろな人とコミュニケーションが取れるなかで、やっぱり女性の方たちがどこか身体と身体の触れ合いだったり、そういったコミュニケーションに潜在的に興味を持っていらっしゃるのかなというのは、なんとなく私も感じていたりはしていたんですけど。松坂さんも撮影するにあたり、いろいろなコミュニケーションの方法を繊細に撮影されたと思うんですけど、そこは監督もこだわられましたよね。
松坂:そうですね。撮影的なことでいうと、まずは三浦さんが上手いというか、お芝居が。やってくれるんですよね、実際に。しかも、領役も相手の女性役も両方やるんですよ、三浦さんが。
MC:それ、見たいですよね!
松坂:「こういう感じでさぁ…」って入って、その時に三浦さんが女性役のほうを担当していると、「あ、松坂くん、ちょっといい?」って言って「こうして、松坂くんがこうやって…」とかっていう、それをスタッフと女優さんの方がすごい引きで見てる、変な空気になるんですよね。
MC:すごいシュールな(笑)。
松坂:すごいシュールですよ!(笑)。
MC:そこは真剣勝負ですからね、皆さん。
松坂:真剣勝負なので。だから、「笑う人、いないのかな?」みたいな(笑)。この状況を、僕と三浦さんが…合体している感じが(笑)。
(会場爆笑)
MC:そこのメイキングはなかなかDVDには収められない感じですもんね(笑)。
松坂:ほんとですよねぇ。あまりにも三浦さんが事細かにやってみせてくれるんですよね!それこそ動きだったり、喘ぎ方とか、いろいろ。
MC:そこまでしてくださるんですね!
松坂:そうなんですよ。だから、女優さんに「あぁ、そういう喘ぎじゃなくて、もうちょっとこう…」って言ってやってくれるっていう。
MC:さすがですね、三浦さん。
松坂:すごいですよ!
MC:他の作品でもお茶の置き方一つでもこだわる方でいらっしゃるので、今回はどれぐらいかと思ったんですけど、実践してくださるんですね。
松坂:実践して。たぶん、そういうほうが、この作品は言葉で説明するより見せたほうが早いって思うんでしょうね。だから、俳優部の人たちは「あぁ、わかりました…!」って(笑)。
MC:これまで松坂さんもたくさんの監督さんとやっていらっしゃると思うんですけど、三浦監督って、そういった実践も含めどんな方でいらっしゃいますか?どういうところが(他の監督と)違いますか?やっぱりそこの細かさが一番違いますか?
松坂:細かさと、あと歩み寄り方というか、結構同じ目線まで下がってきてくれるような、そういうタイプ…僕は舞台から一緒にやらせていただいているので、舞台稽古の後なんかはご飯を食べにいったりして、コミュニケーションを深めるなかでも「人狼ゲーム」をみんなでやったりとか、そういう茶目っ気もある感じを見せてくれるんですよね。
MC:私も三浦さんの舞台はほとんど観ているんですけど、舞台だけとか作品を観ているとカリスマ的な方なのかなと思いきや…。
松坂:そうですね。ちょっと怖い感じが一見するとあるんですけど、全然そんなことはないです。もちろん怖い瞬間もあるんですけど、でも基本ベースはすごく優しいので。
MC:先日も最後、皆さんで公開おめでとうございますってなったときに、「松坂くんは“グレイテスト・ショーマン”じゃなくて“グレイテスト娼年”だ!」って言って(笑)、本当にお茶面な方なんだなって思いました。
松坂:(笑)。お笑いが基本的に好きなので、三浦さんは。たぶんそういうことがポーンと出るんだと思いますね。
MC:レビューの評価も本当に高くて。
松坂:ほんとですか!?
MC:後でお見せしましょうか?(笑)。レビューサイトの評価が高いんですよ。そこでいろいろ皆さんがコメントされているんですけど、1つご紹介しますと、「松坂桃李さんほど目で演技ができる役者はそういないと思う」。
松坂:いやいや!います!
MC:(笑)。そうおっしゃっていて。涙がつーっとこぼれたりとか、最初の乾いた目からだんだんと精神的に潤んでくるような、その眼差しが変わっていくのは印象的でした。
松坂:あら!ありがとうございます!
MC:(笑)。そのあたりは、監督と松坂さんは表情に関してはいかがでした?
松坂:今回の領くんに関しては、ちゃんとした台詞というよりかは、身体のコミュニケーションだったり表情の中で成長みたいなものを見せたいなと思っていたので、そこは僕自身も大事にやってきて、そこが肝だなと思っていたので、そこは僕も三浦さんも共通認識でやっていたと思いますね。
MC:やっぱり舞台を観ている人からすれば、このアップで見られるとか、こういった表情が見られるというのは、特に味わい深いものがあるんじゃないかなと思うんですけれども、だんだん身体も絞れている感じもありますよね。
松坂:そうですねぇ…あれはもう撮影の辛さのあまり身体がそうなりました(笑)。
MC:そういう意味でそぎ落とされていたと(笑)。(撮影は)朝から深夜2時、3時、4時ぐらいっていうのは当たり前という…。
松坂:(囁き声で)当たり前でしたねぇ…。濡れ場もそんな長時間やることはなかなかないんで…。
MC:ほんとにですよね!
松坂:ね!いや、やるもんじゃないですよ!そんな長時間。
MC:追い詰められますよね、精神的にも体力的にも。
松坂:ほんとに!もう風邪ひくかと思うくらい、ずっと裸なので。だから、服着させてくれ!みたいな感じになってましたけども(笑)。
MC:もはや(笑)。
松坂:もはや(笑)。なんの抵抗もなくなってくるんですよね、だんだんだんだん、やっぱり。
MC:もう慣れてきちゃって?
松坂:慣れてきて。いろんな濡れ場の撮影が始まって、「ここから返します」っていう“ここから”っていう、その細かい部分のワードは、結構卑猥なワードだったりするんですよね。ある種のプレイのどっかから、みたいな。それも全然スタッフさんも恥ずかしげもなく発言してくというか、「はいはーい!わかりましたー!」みたいな。だから、現場はすごい卑猥な言葉ばっかりでしたね(笑)。