【全起こし】高良健吾「多十郎が今の自分を作ってくれている」映画『多十郎殉愛記』完成記念プレミア上映会舞台挨拶レポート 全文掲載

MC:ありがとうございます。「わが生命」と書いていただきました。ありがとうございました。それでは最後に代表して、高良健吾さんから皆様方へメッセージを頂戴したいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

高良:そうですね、チャンバラという話で言えば、多十郎の一振り一振りというのは、今はとにかく早く多くの人間を斬っていくというのが多いと思うんですけども、今回の『多十郎殉愛記』でやっている殺陣というのは、人を殺めるための太刀ではなくて、愛するひとを逃がすため、自分の道を開くためであったり、大人数を蹴散らすためであったり、なぜそこで戦うかというのも理由があるんです。わざと戦い難いところで大人数と戦うとか、すべてに理由があって、監督がすべてそれを僕に教えてくれて、それを感じながらやった殺陣でした。予告とか宣伝で観ると、僕がとにかく大勢を斬っていくようなイメージを持たれる方が多いと思いますが、多十郎が斬ったのは数人です。でも、その数人をなぜ斬ったかという理由もあります。僕はそこに映画の渋さを感じるというか、多十郎ジャンル、『多十郎殉愛記』を感じるというか。時代劇とかチャンバラというのは古いものというイメージがある方も多いと思いますが、そうじゃなくてこれはきっと、幅広い世代の人に観てもらえる映画になっていると思います。さっき、監督に言われたんですけど、「くたばる前にもう一本」って。僕はこの現場にインする前に、「中島監督の最後の長編だ」と聞いて入りました。だけど現場にいながら、「いや、監督はもう一本撮れるな、もう二本撮れる」って、それぐらい魂を感じましたね。なので、本当にまたカントクのもう一本が観たい。まずは『多十郎殉愛記』なんですけど、もう一本観たいと思うんですね。そのためには、この『多十郎殉愛記』が多くの方に観ていただくことが必要で、その力を皆さんに貸していただきたいというか。そういう気持ちです。でも、まずは『多十郎殉愛記』、とても渋い映画になっていると思うので、ぜひ今日は楽しんでいって欲しいです。楽しんでいってください。本当にありがとうございました。よろしくお願いします!

MC:どうもありがとうございました!

『多十郎殉愛記』
4月12日(金)より全国ロードショー
監督・脚本:中島貞夫
脚本:谷慶子
出演:高良健吾 多部未華子 木村了 永瀬正敏 寺島進
配給:東映 よしもとクリエイティブ・エージェンシー

【ストーリー】 幕末の京都。親の残した借金から逃げるように脱藩して風雲急を告げる京の都へ上洛してきた長州脱藩浪人・清川多十郎(高良健吾)。大義も夢もなく日々を無為に過ごす多十郎は好意を寄せるおとよ(多部未華子)の想いに気づかない。新選組による取り締まりが強まる中、腹違いの弟・数馬(木村了)が脱藩し、兄の元へとやってくる。その頃、町方からの注進で多十郎の存在を知った京都見廻組は、新選組に先んじて手柄を立てようと多十郎の捕縛に動き出す。三者三様、それぞれの想いを胸に死闘が繰り広げられる。

©「多十郎殉愛記」製作委員会