MC:ありがとうございます。さっき深川さんがおっしゃっていました、テルちゃんは苦しい恋愛をしているんですけど、湿り気がありながらもすがすがしさも感じさせるような、そんな女性の絶妙なラインを演じられていたかなと思うんですけれども、テルちゃんとマモちゃんの関係性ってすごく微妙な感じだったと思います。演じられている時はお二人はどんな感じだったんですか?
岸井:あの~、若…間違えちゃった(笑)。成田くんとは…ごめん、ごめん!(笑)。
若葉:絶対間違えちゃだめなやつ!
成田:目も1回も合わないし!何かしたっけ?!
若葉:「若葉」って言った(笑)。
岸井:ごめん、ごめん!(笑)。成田くんとは同じ映画に出たことはあったんですけど…。
成田:なんなら結婚してたこともあったし。
岸井:なんなら結婚してたんですけど、台詞を交わすことは初めてだったので、不安もあって、本読みさせていただいたりして、この映画に入っている時はテルちゃんがマモちゃんを思うように、私が『愛がなんだ』に夢中になっていたので、今思えばストイックになってたなと思うんですけど。成田くんと楽しくおしゃべりして仲良くなっちゃったりしたら、それが画面に出たら…。テルコとマモちゃんってどこか通じ合っていない部分というか、お話して多少すれ違ってる部分ってあると思う…あ、まだ観てないんだ…。
今泉:そのくらいは大丈夫!何も話せなくなる!(笑)。
成田:取材とかを一緒にやっている時に、距離をとったって言ってたんですけど、僕は全くそういうことに気づかず、がんがんしゃべりかけてたんです(笑)。
今泉:それだからテルちゃんとマモちゃんが…。
成田:食い違ってるっていう。
岸井:ね、食い違ってたんだね。
成田:「岸井さんってどんな人だったんですか?」って聞かれたんですけど、僕はテルちゃんだと思っていた部分もありつつ、だから、変な人だと僕は今解釈しております、岸井さんのことを。
岸井:変な人?
今泉:テルちゃんだから。
成田:まだ岸井さんのことをよく知らないという段階。
岸井:私も成田くんのこと、よく知らない…。
成田:そうだよね。知って…いきますか。
岸井:いきましょうか(笑)。お願いします(笑)。
MC:今お願いしますなんですね(笑)。前も共演されていたのにね。距離のとり方は岸井さん的には気をつけていて。
岸井:気をつけていましたね。もちろん大事な大事な共演者様なので、コミュニケーションはもちろんとるけど、なんとなく深入りしないというか、本音の一、二歩前で止めるというか、あの頃はあんまり知りすぎちゃったらあれかなと思ったんです。「これから『愛がなんだ』の撮影に入ります」となったら、もしかしたら全然違ったアプローチの仕方だったのかもしれないなと思います。
MC:さっき成田さんが「テルちゃんだから変わってる」と言っていましたけど、岸井さんご自身はテルちゃんに対してどんな思いを持って役作りをされていたんですか?
岸井:一番初めに原作を読んだ時は「私はテルちゃんとは違うな」と思ったんですけど、それは、好きな人に向かっていくために、仕事をクビになったりとか友達も全然いなくて、その人だけを見て突っ走る、なりふり構わず向かってく姿が私とは違うなと思ったんですけど…。ひとたびテルちゃんの中からマモちゃんを見ると、マモちゃんが好きという柱だけがしっかりしていれば、すごく真っ当なことをしているというか、マモちゃんのために仕事もやめるし友達もいなくてもいいしと考えると、全然こんがらがらなくて。マモちゃんが好きだからという一つのことを大事に役をやっていました。
MC:太い幹がボン!とある感じですね。そして、深川さんと若葉さん、今回はお二人の関係性は、深川さんが演じられている葉子が、若葉さんが演じられているナカハラに対してマウントをとっているような状態、と言っていいんですかね?
若葉:はい(笑)。
MC:ですよね!ナカハラ的に言うと。
若葉:そうですね(笑)。
MC:マウントをとられている状態だったんですけれども、この関係性も絶妙だなと思ったんですが、お二人はどういう思いで演じられていたんですか?
深川:葉子は劇中でもナカハラくんのことを振り回したりとか、掴みどころがないような素振りを見せることが多いんですけど、ちっちゃい頃からの家庭環境だったり、その時から見てきたもので考え方が作られている部分もあるので、そういう強そうに、ひょうひょうとしているように見えていて、不器用だったり弱い部分が観ている方に伝わったらいいなという思いでやっていました。